■「街道をゆく」朝日新聞社(昭和46年刊 1971)
新装版を買い直したり、書棚から発掘したりして、司馬遼太郎の著作物が身辺にあつまってきた。
長編小説もあるし、短篇集もある。いっとき買いあつめたことがあるけれど、たいした量ではない。
いつものように文庫本が中心になっている。しかし、単行本ハードカバーも何冊か混じっている。
昨日書棚を物色し、数冊の司馬さんの本を身辺にならべ、ぱらりぱらりとペー . . . 本文を読む
よく知らないくせにうっかりしたことはいえないが、ウクライナの祖国防衛戦争の動画・写真を見ていると、背筋が凍るような恐ろしさを覚える。
プーチン政権が倒れる日はいつくるのか(´?ω?)
民間人をふくむ兵士たちの凄惨な戦場。
台湾・朝鮮半島有事のことを想像してしまうのはわたしばかりではないだろう。
TVのニュースだけでは本当の“悲惨さ”はわからない。
お茶の間(そういうものがあったとして)向きでな . . . 本文を読む
■阿川弘之「私記キスカ撤退」文春文庫1988年刊
いまとなっては、阿川弘之というより、阿川佐和子さんの父上といった方が通りがよい♪
1920年(大正9)に生まれ2015年(平成27)に逝去。わたしと比べ、一世代上の人で、志賀直哉のコアなファンであった小説家。
安岡章太郎、吉行淳之介らとともに、“第三の新人”と称されたことは多くの読者が知っているはず。
海軍の軍人三部作(山本五十六、米内光政、井 . . . 本文を読む
恐縮ながら、極私的な心情から述べさせていただこう。
戦争文学の代表作といわれるものを読んでおかけねばならない、と思うようになったのはいつごろからであったろう。
吉村昭のノンフィクション・ノベルをつぎつぎと読み、高評価をあたえながら戦争文学への思いが少しずつ高まってきた。これまで読んだなかで、
・戦艦武蔵ノート
・陸奥爆沈
・零式戦闘機
・プリズンの満月
・戦史の証言者たち
・海の史劇
一が戦史 . . . 本文を読む
このところ本は読んでいたが、レビューは書く気にならなかった。
まめに書いたとしても、こういった記事の読者はほとんどいないに等しいのでついつい億劫になる。
カメラの世代交代用で、新機種(わたしにとっての)が2台、オリンパスOM-D EM-5ⅢとニコンZfcがやってきた。そのため、撮影を中心に生活の半分がまわりはじめた。むろん読書は日課となっているので、平均1時間は読んでいる。
■この数週間、手 . . . 本文を読む
いずれ長編、いわゆる代表作にもチャレンジしたいのだけれど、「読みたい!」という欲求がわかないので、相変わらず旅行記を読んでいる。
村上さんにしてはめずらしく、美文調、カッコつけすぎである。明らかに読者を意識している。ところどころ歯が浮いてしまう思いがする。
すばらしいのは村上陽子さんの写真がたくさん収録されていること。データはいっさいないけど、この時代(単行本の刊行は1999年)だからポジフィル . . . 本文を読む
村上春樹さんの旅行記「雨天炎天」を読了したので、ちょこっと感想をUPしておこう。
《「女」と名のつくものはたとえ動物であろうと入れない、ギリシャ正教の聖地アトス。険しい山道にも、厳しい天候にも、粗食にも負けず、アトスの山中を修道院から修道院へひたすら歩くギリシャ編。一転、若葉マークの四駆を駆って、ボスフォラス海峡を抜け、兵隊と羊と埃がいっぱいのトルコ一周の旅へ――。雨に降られ太陽に焙られ埃にまみ . . . 本文を読む
ひとことにいってしまえば、旅行記=ノンフィクションの傑作。
村上春樹の私生活がどんなものか、奥様との関係は、趣味や余暇の過ごし方は・・・といったことすべてが書き込まれている。
単行本で497ページ、かなり分厚い本だけど、長さはまったく気にならない。それどころか、ページをめくるのがもどかしいばかりであった。
10ページ、いや5ページにいっぺんは大笑いさせてもらえる。読者によっては、最初から最後まで笑 . . . 本文を読む
1.「辺境・近境」新潮文庫 2000年刊
二つのインタビュー集「みみずくは黄昏に飛び立つ」「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」の2冊と「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」という対談を読んだあと、旅行記も2冊読み終えたので、インタビュー・対談は別として、自分のためにメモ的な感想を書いておこう。
村上春樹の本がずいぶんそろってきたが、ほとんどすべて積んでおくだけ。
数ページは読んでみるが、そこか . . . 本文を読む
(タイトルは本書冒頭に掲げられた箴言)
■「パリ・ロンドン放浪記」ジョージ・オーウェル(小野寺健訳岩波文庫 1989年刊)レビュー
いや~、おもしろかったですぞ!(^^)!
圧巻の一語といえるような章が、いくつもある。
稀有な人間研究の書。
《インド帝国の警察官としてビルマに勤務したあとオーウェル(1903-50)は1927年から3年にわたって自らに窮乏生活を課す。その体験をもとにパ . . . 本文を読む