過去にアップした写真を、たまに見直す。「ははあ、こんな写真を撮っていたのだ」日記を読み返すより、写真を見返してヒマつぶしをすることのほうが、ずっと多い。1.撮影したとき。2.アルバムにアップするとき。3.なにかの気まぐれで見直すとき。4.さらにまた、見直すとき。
そのときどきで、どうも少し印象が変わって見えるのが、写真の効用のひとつ。写真が変わったわけではなく、それを見るときのこちらの心持ちが変わるのだ。はじめにピックアップした写真を、さっき見直していて、萬町が万町になった日はいつなのだろうと、気になった。町の中には、看板・広告があふれている。
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ほほーい ほい。最後の雨だれがポツンと落ちて水たまりに波紋がひろがる。雨がやんでどのくらい時間がたったのだろう。雨が降るまえのきみと
雨があがったあとのきみのあいだに長いながい黒板塀があってね。
見知らぬ家の台所でなんの役にもたたない思想がぐつぐつ煮えている音がする。ほほーい ほい。猫のコタロウがその家の奥から出てきてもうさっそく日溜りをさがしはじめた。ここを通り抜けたらこの町いちばんの大橋に出る。
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じゃがいも畑の隣りにひまわり畑があってね。そのあいだのまがりくねった細い道をきみは歩いている。きょろきょろと探しまわるが探しものはいっこうに見つからないね。最初からわかっていたことだけれど。
夢子というなんの変哲もないスナックのかたわらに古びた円筒形のポストがあってね。そこにけさ生まれたばかりの影がよりそっている。きみはそれをカメラにおさめたあと 乞食のようななりをした永劫の旅人とすれ違う。クロヤマアリの黒い電車が生け垣のあいだを抜けてゆく。道端にころがっていた空き缶を拾ったらぐあんぐあんと犬の遠吠えのような路面電車の音のようなさび色の響きにつつまれる。 . . . 本文を読む