今日は雨。
古書店で見つけた池澤夏樹の短編集「きみのためのバラ」を買い、ヒマにまかせクルマの中で二編読んだ。
どちらもすばらしい出来映え。情景が目に浮かぶような硬質なタッチのレアリズム作品である。
読んだのは「都市生活」「ヘルシンキ」だけれど、「ああ、現代とはこんな時代なのか」と、読者は深くふかく納得せざるをえない。
人間の孤独が感傷を交えずにひしひしつたわってくる。文学の香り豊かですぞ。
しかも . . . 本文を読む
最近文学=ブンガクの世界では、池澤夏樹さんの活躍が目立っている。
久しぶりに文学返りして、近隣の大型書店などをぶらぶら散歩しているわたしの眼には、そういう光景が映る。
昨日池澤さんの「世界文学リミックス」(河出書房新社)を読みおえたので、感想を書いておこうとかんがえた。
しかし、あまり書くことがない。
ひとくちに“文学=ブンガク”というが、その場合、日本では小説を指す。
鴎外、漱石、芥川、谷崎は . . . 本文を読む