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髪をポニーテールに結った妙齢の女性と
あそこを歩いていくのは 賢治さん?
ホホーイ♪
ヒバリたちが空の高みから
ライスシャワーを浴びせかけるよ。
きみは性格が暗いなあ暗い・・・だから
そんなシチュエーションの中で
ぼくは明るい賢治を夢想する。
<春のヴァンダイクブラウン
きれいに畑は耕耘された>
この道をどんどん歩いていったら
イーハトーヴに到着できるだろう。
むろんこことは地続きだからね 心の中でだって。
公園の黄色いベンチでは
お菓子でできたような 背中のまがったおじいさん
おばあさんがにこやかに さっきから話し込んでいる。
ホホーイ♪
スモモの花が白い花をつけるころ
ぼくとぼくの恋びとは
分厚い本の中の長い冬眠から目を覚ます。
ああ あ まだ足がしびれているな。
賢治は大好きなりんごを齧りながら
遠い とおい空を見上げている。
ピカピカ光る鋼のようなあの眼で。
ぼくは歌ってみる。
ユーミンやサザンの持ち歌。
カラオケではマイクを放そうとせず
友人たちをあきれさせた なーんて過去がぼくにもあった。
あれから数十年。
いつのまにかお尻の大きな女が好きになって
いつのまにか銀の歯がぼろぼろになって
いつのまにか谷間のルリビタキをカメラで追いかけるようになって。
ぼくは滅多に笑わない男になっちまった。
ホホーイ♪
寿限無寿限無と魔法を唱えたら
カシの木がざわざわして 昔知っていたひとたちの大きな顔
小さな顔が注意信号のように点滅をはじめるだろうか。
金のイチゴを食べたあとで別れた恋びとと再会できたら いいな。
いいないいな そんなお伽噺もたまには。
スモモの花が咲くころ 春の奇蹟が起こってもいいな
あのときと同じように。
※<>内は宮沢賢治「小岩井農場 パート四」から引用(ちくま文庫版)。
あそこを歩いていくのは 賢治さん?
ホホーイ♪
ヒバリたちが空の高みから
ライスシャワーを浴びせかけるよ。
きみは性格が暗いなあ暗い・・・だから
そんなシチュエーションの中で
ぼくは明るい賢治を夢想する。
<春のヴァンダイクブラウン
きれいに畑は耕耘された>
この道をどんどん歩いていったら
イーハトーヴに到着できるだろう。
むろんこことは地続きだからね 心の中でだって。
公園の黄色いベンチでは
お菓子でできたような 背中のまがったおじいさん
おばあさんがにこやかに さっきから話し込んでいる。
ホホーイ♪
スモモの花が白い花をつけるころ
ぼくとぼくの恋びとは
分厚い本の中の長い冬眠から目を覚ます。
ああ あ まだ足がしびれているな。
賢治は大好きなりんごを齧りながら
遠い とおい空を見上げている。
ピカピカ光る鋼のようなあの眼で。
ぼくは歌ってみる。
ユーミンやサザンの持ち歌。
カラオケではマイクを放そうとせず
友人たちをあきれさせた なーんて過去がぼくにもあった。
あれから数十年。
いつのまにかお尻の大きな女が好きになって
いつのまにか銀の歯がぼろぼろになって
いつのまにか谷間のルリビタキをカメラで追いかけるようになって。
ぼくは滅多に笑わない男になっちまった。
ホホーイ♪
寿限無寿限無と魔法を唱えたら
カシの木がざわざわして 昔知っていたひとたちの大きな顔
小さな顔が注意信号のように点滅をはじめるだろうか。
金のイチゴを食べたあとで別れた恋びとと再会できたら いいな。
いいないいな そんなお伽噺もたまには。
スモモの花が咲くころ 春の奇蹟が起こってもいいな
あのときと同じように。
※<>内は宮沢賢治「小岩井農場 パート四」から引用(ちくま文庫版)。