二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

食べ物ネタと、日記の「起源」について

2011年09月03日 | Blog & Photo

食にまつわるネタを取り上げることが少ない・・・と思っているので、たまには取り上げてみよう。
まったく関心がないわけではないのであ~る。
だいたいにおいて、だれしもがフツーに食べているフツーのメニューを食べているだけなので、おもしろくないだろうと、漠然と考えている。朝はミルクコーヒー二杯、昼は外食、夜は晩酌のあと、家で食べている。早く帰宅したときは、週に数回は自分で作って、野菜炒めや、パスタ、うどん、焼きそばを食べる。
バブルで世の中がヒートアップしていたころや、金回りがよかった四十代後半には、ときに「B級グルメ」と称して食べ歩きなどもしていた。
現在はいたって粗食。栄養バランスにも、多少気を遣うようになったが、まあ、あえていうようなことでもない。

トップ画像は、以前に取り上げた「めしや」という大型大衆食堂のメニューで、お代はなんと499円! 野菜、果物がとにかくお安い(^_^)/~
この店を発見してからは、コンビニめしを食べる機会が激減した。



こちらは果物の盛り合わせで、しめて50円也。
この二品はある日のメニューなのだが、ごはん並盛りなのに、満腹、満腹。
く、苦しい! だれか助けて・・・状態になってしまった。
地元によい仕入れ先をもっているのだろう、スーパーで買うより、確実にお安いのであ~る。クチコミ効果で、この「めしや」、女性客がしだいにふえてきている。駐車場が広いので、トラックや「働く自動車」に乗った現場作業員は、あいかわらず多いし、わたしのような営業マンもよく見かける。

一皿百円の回転寿司にも、週に一回は出没する(^_^)/~ 近所にオープンした「かいおう」のネタがすばらしいので、でかければ、六~七皿はたいらげる。「かいおう」の寿司を食べたら、近所にある「カッパ寿司」「くら寿司」には、まったく足をはこばなくなった。店内でネタを切り分けるため、鮮度がいいし、ネタの大きさ(サイズ)も、他店を圧倒している。正午をすぎると、「かいおう」にはよく行列ができている。





さて、もう一つ。
詩をつくるようになってから、読書は日本の古典への回帰現象が強くなってきた。
このあいだ「土左日記」(土佐ではなく、土左という表記が正しく、とさのにきと発音されていたらしい)をはじめて通読したが、これがおもしろい。ご存じのように、作者は紀貫之とされている。紀貫之の自筆本は現存しないが、由緒正しい藤原定家、為家の筆写本が残されているのもすばらしい。
この時代、男がカナで、プライベートな日記を書き残すことはまったくなかったのだが、紀貫之は女になりすまして、「カナ文字」の日記を書いている。
これは、紀行文としても読める。任地の土佐から京まで、なんと55日もかかって帰ってくる。
いまでは数百万もの人びとが、ブログやmixiで、毎日「日記」なるものを書いている。
わが国では、日記の起源はこんなこところにあるのであるが、そこまで思いをはせる人は、まずめったにいないだろう。

近代に入ってから、万葉集の評価があまりにも高く、その反動で古今集はたぶんに貶められてきたという経緯がある。この影響が尾を曳いて、わたしなど紀貫之はこれまで眼中になかった(=_=) ところが・・・古今集の仮名序とこの「土左日記」を読んで仰天!
古今や新古今の下地がないと、じつは、芭蕉や蕪村がやろうとしていたこと、やったことの「新しさ」が見えてこないのであ~る。
日本語で詩を書く人間として紀行文学たる「土左日記」と「おくのほそ道」を比較検討するのは、まことにスリリングな、貴重な経験。この時代の「旅」と、現代における「ツァー」なるものが、似て非なるものであることを確かめながら、わたしの夢想は四方八方へと拡がっていく。
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