腰の曲がった女と片足をひきずっている男が
歩道の片隅で話し込んでいる。
「やあ こんにちは
暑いですね 今日は」
クルマがびゅん びゅんと飛ばして
・・・あの人たちは何のために忙しいのか。
先週も今週もぼくは一冊の本を持てあまし
最初の数十ページをいったりきたり。
そこも道路なのだが
だれともすれ違わない。
本の向こうへ出かけようとしたはずだが
混み合っているのは黒い小さな文字ばかり。
ぬくもりはないし においもない。
何行かさきは かげろうのようにゆらゆらとゆれて
もうながいことぼくをからかっている。
「やあ こんにちは
暑いですね 今日は」
と話かけても本は返事をしない。
本は返事をしない このさきも永久に。
パタンと閉じると
あったはずのものが消えている。
だれかがぼくの本を閉じたら ぼくという存在も消えるだろう。
偶然という名の神様が書いた本。
ページの中から手が しばらく栞のように垂れ下がっている。
※2021年7月13日から、休眠状態だった詩を書きはじめたので、UPさせていただこう。
書きはじめるとどんどん生まれてくる。そこから半分くらい投稿させてもらうこととする。
友人のなかで、詩を読む人はいたって少ない。まして書くとなるともっと少ない。
ほぼ自分のための記録用といえる。
そういったことはこれまで記事として述べているから、贅言無用。
なお、写真と詩には直接の関係はないことをお断りしておく(´ω`*)
また振り出しに戻り、NOを2021-001として再スタートとしよう。