「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月7日(水曜日)
通巻第6852号 <前日発行>
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バイデンは「米国のブレジネフ」(英文プラウダ)
「冷戦時代の古い思考体系を引きづって硬直している」
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ロシアの英字紙『プラウダ』(2021年4月5日)は「バイデン大統領は『米国のブレジネフ』とも呼ぶべきだ。冷戦時代の古い思考体系を引きづっていて頭が硬直している」と批判した。
またこうも言った。
「メルケル独首相やマクロン仏大統領が、プーチン露大統領を『人殺し』呼ばわりしたことがあるか」
とはいえ、プーチンは法律改正を急ぎ、2036年まで大統領に居座る腹づもりであることは確実だろう。中国の習近平も、終身皇帝を既成事実化し、毛沢東と並ぶ英雄に自らをなぞらえ始めた。こうした背景からミャンマー情勢を読み解くと、露西亜がなぜ、ミャンマー国軍に梃子入れを継続拡充しているかが分かる。
プーチンが怖れるのはミャンマー民衆の抗議活動が「カラー革命」化しようとしている状況への懸念である。スーチーを監禁した国軍のクーデターは、体制の変革ではなかった。ミャンマー国軍は抗議活動を容認した。すると英文プラカードだらけの抗議デモ、集会は或る意味で不思議な体制変革を目指していることが浮き彫りとなった。(いったいあの英文プラカードと抗議活動の資金を提供しているのは誰なのか)という露西亜の邪推が深まる。
というのも「アラブの春」を嚆矢とするカラー革命は、グルジア(現ジョージア)に最初に「薔薇革命」をもたらし、つぎにウクライナに「オレンジ革命」を運んできた
アラブの春はチュニジアからエジプト、シリアに飛び火し、カダフィのリビアは内戦となって、カダフィ大佐は仆れた。カラー革命の暴走に露西亜は有力な手段を講じられず、国連の安保常任理事会でも反対票を投じなかった。
「体制変革」はクレムリンにとっては悪夢である。
プーチンはシリアのアサド体制の維持を決め、軍事的にも介入した。そして電光石火の如く、クリミア半島を併合し、ウクライナの東側を露西亜圏に留め置くことに成功した。
この文脈から露西亜はミャンマーの国軍政権とは協力関係を深める。
3月26日、アレクサンドラ・フォミン露西亜国防副大臣は、ミャンマー国軍記念日に首都ネピドーを訪問し、軍事パレードを観戦した。
「露西亜とミャンマーは長い友好関係を誇り、建設的で戦略的パートナーであり、信頼しあえる関係にある」としてミャンマー国軍のフレイン最高司令官と堅い握手を交わした。
国軍のクーデター以後、ミャンマーは泥沼から這い上がれないままである。
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