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2023年12月13日 08時50分19秒 | 新植民地
“チェーンソー大統領”登場?
アダム・オデル
多くの投資家はニュースの見出しやマクロ経済統計に囚われ、大きな利益が狙えるチャンスを逃しがちです。

アルゼンチンを例に考えてみましょう。

最近、多くのメディアではアルゼンチンのインフレ率が3桁に達していること。

そして、新しい大統領ハビエル・ミレイが物議を醸していることで、アルゼンチン経済に懸念を抱いています。

一方、私が米国の投資家へ9月に推奨したアルゼンチン企業は、推奨以来143%株価が上昇しているのです。

出所: Trading view size

ただ、これはほんの始まりにすぎません。

アルゼンチンは1世紀前、世界でも最も経済が強力な国の一つでした。

一人当たりのGDP(国内総生産)は米国の80%であり、国内産業は急速に拡大していたのです。

しかし、ポピュリズム政府*や軍事政権による数十年にわたる失政を経て、今は経済が大混乱に陥っています。
*大衆からの人気を得ることを第一とする政治思想や活動を指す。 size

物議を醸しているアルゼンチンの新大統領ハビエル・ミレイ氏は、

⚫︎40%の貧困率
⚫︎急増する債務
⚫︎ほぼ無価値な自国通貨(アルゼンチンペソ)

といった状況の中で大統領に就任。

今後、逃れるのが非常に困難なハイパーインフレが起こる可能性もあります。

そんな中、ミレイ大統領には計画があり、彼には抜本的な解決先を生み出す準備があると考えているのです。

多くの人たちはミレイ氏が提案した「ショック療法」が、アルゼンチンの低迷する経済に悲惨な影響を与えると主張しています。

彼は急進派であり、その行動がこの国に残っているわずかな繁栄を危険にさらすことになるというのです。

実際、ミレイ氏の行動はどうでしょうか?

彼は、

「お金がないんです。財政調整を行わなければ、私たちはハイパーインフレに向かうでしょう。ハイパーインフレが起こり、95%が貧困、70%か80%がホームレスになるだろう」

とアルゼンチンの報道機関ニューラルメディアに語りました。

*ミレイは政府の支出にチェーンソーをかけると約束した。 size

彼の言葉は、米国の第二中央銀行に対して戦争を仕掛けた、元米国大統領アンドリュー・ジャクソンの言葉を反映しています。

ジャクソン氏は中央銀行を「毒蛇の巣窟」と呼び、毒蛇が「5万世帯を破滅させる」前に阻止すると過去に誓いました。

ミレイ大統領は大口を叩いているだけではありません。

実際、彼が実施しようとしている「ドル化」は、過去に成功した前例があったからです。

名前の通り「ドル化」とは、米ドルをアルゼンチンの主要通貨として採用することを意味します。

過去エクアドルでは、2000年にインフレ率が40%に達しましたが、通貨をドル化した後すぐに、インフレは落ち着きました。

翌年にはエルサルバドルもこれに続き、アジアの東ティモール島も2002年にドルを採用したのです。

ドル化は決して完璧な解決策ではありませんが、世界中の国で効果が実証されている戦略です。

また、ミレイ氏は長期にわたり、国内の上場企業の多くを民営化する計画について述べてきました。

彼は、この国に対する自分の計画が「思い切った」ものであることを認めています。

しかし、絶望的な時代には大体な対策が必要です。

もし、彼がアルゼンチン経済の再建に成功すれば、私たちのような投資家にとって驚異的な機会をもたらしてくれることが期待できます。

では、現時点でアルゼンチンへの投資機会はあるのでしょうか?

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アルゼンチンへの投資機会はあるのか? size


それを知るために、グローバル X MSCI アルゼンチンETF(NYSE: ARGT) を構成する、トップ10銘柄のグリーンゾーン・スコアを見てみましょう。


ARGTの上位保有銘柄のうち8銘柄は「非常に強気」と評価されています。

そして、トップ10のうち6つは90を超えているのです。

最近、アルゼンチン経済への関心が高まったことが、モメンタムの評価が全体的に上昇していることに影響していると考えられます。

ただ、同じような収益性や企業規模の評価で、これほど高い評価が出ることはそうありません。

まして、外国市場の上場投資信託の上位銘柄ではなおさらです。

もちろん、アルゼンチン株への投資には「地政学的」リスクが伴います。

しかし、リスクをとった投資をしなければ、大きなリターンは期待できません。

エクソン・モービル (NYSE: XOM) といったS&P500の構成銘柄でよく知られた企業や、将来に特定のリスクがないと思われる企業で1,000% 以上の利益を達成する可能性は低いでしょう。

そして、適正な価格で投資する方法を知っていれば、そのリスクの多くを相殺することができます。

投資界のレジェンド、ハワード・マークス氏はこのようなことを言っています。

「何を買うかではなく、何を払うかだ。投資で成功するためには、良いものを買うことではなく、良い買い方が大事だ」

私は彼の発言の2番目の文が大好きです。

なぜなら、多くの場合、最良の投資は非常に悪いものに見えるからです。

ただし、それらで「良い買い方」ができれば、リスクを最小限に抑えらながら、リターンを得ることが期待できます。

今日、ご紹介したアルゼンチン株もその一つでしょう。

もちろんリスクは伴いますが、買い方を間違えなければリスクを抑えながら、リターンを得ることが期待できるでしょう。

アダム・オデル

P.S.

〜編集部〜

アルゼンチン株のように、米国以外の企業をアダムさんのニュースレターではご紹介しています。

まだ、あなたが聞いたことがないような企業を見つけられるかもしれません…

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