イスラエル、報復攻撃に厳戒態勢 輸血用血液の備蓄など緊迫高まる
イスラエルに対するイランやレバノンの親イラン組織ヒズボラなどによる報復攻撃の懸念が高まる中、イスラエルは攻撃で多くの負傷者が出た場合の輸血用血液を備蓄するなど、想定される攻撃に備えている。 写真はイスラエルのネタニヤフ首相。6月撮影(2024年 ロイターShaul Golan/Pool via REUTERS)
Hannah Confino [ラムラ(イスラエル) 7日 ロイター] - イスラエルに対するイランやレバノンの親イラン組織ヒズボラなどによる報復攻撃の懸念が高まる中、イスラエルは攻撃で多くの負傷者が出た場合の輸血用血液を備蓄するなど、想定される攻撃に備えている。 中東では、7月30日にイスラエル軍がレバノンの首都ベイルートを空爆し、ヒズボラのフアド・シュクル司令官が死亡。7月31日にはイランの首都テヘランでイスラム組織ハマスのハニヤ最高指導者が殺害され、イスラエルに対する報復懸念が高まっている。
中東紛争拡大懸念が過去10日ほどで急速に高まる中、イスラエルのネタニヤフ首相は7日、「イスラエル国民は警戒している」とし、「われわれは防衛と攻撃の双方に備えている。敵を攻撃すると同時に、自らも守る」と述べた。 こうした中、イスラエル軍は厳戒態勢を敷いており、先週末には全国規模の空襲警報サイレンと放送警報システムを強化。対象地域の住民にリアルタイムで警告のメッセージを送信できるようにした。 このほか、多くの地方議会は住民に対し不要不急の活動を減らし、大規模な集会を控えるよう勧告。イスラエル中部のラムラでは、国家救急機関が厚いコンクリートの壁などで強化された地下シェルターで輸血用血液を確保している。 金融当局は大量の現金引き出しへの対応も準備。イスラエル銀行(中央銀行)は、十分な紙幣と硬貨を確保しているとしている。