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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)7月1日(土曜日)
通算第5335号
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中国軍、またもブータンの一部を侵略。インドが防衛に
インド洋も南シナ海に続いて「中国洋」と化けるのか?
****************************************
インドは北京で開催されたAIIB(アジアインフラ投資銀行)フォーラムを正式にボイコットした。
モディ政権の中国外交は一貫して経済と分離し、強硬である。
インドの中国に対する不信は高まることはあっても鎮まることはない。
陸地に於いて中国軍はインドとの国境地帯を蚕食しつつ、こんどはインドの事実上の保護国であるブータン王国のドクラム高原の一部に道路を建設中だ。
ブータンの領土を掠め取ろうとして軍事行動を本格化させている。
インドはバングラデシュの北側を領有し、東インドを繋げる「シリグリ回廊」(シッキム、ブータン、チベット三角地帯)の分断を図るのが中国の長期的な軍事目的である。インドが激怒するのは当然だろう。
中国は「1962年戦争を思い出し、歴史の教訓に学べ」などと、傲慢で命令口調の態度を変えず、インドとの境界線を前進させてきた。「サラミ戦略」ならぬ「キャベツ戦略」である。中国はシリグリ回廊の495平方キロが「歴史的に中国領土だ」と根拠のない主張を平然と続けている。そのうえで、「インドは軍隊を撤兵させよ」と言うのだ。
1962年のインド中国国境紛争は、シッキム高原の侵略を狙って中国が軍を進め、アクサイチンを軍事占領し、インドからシッキムを奪った(そのときまでシッキム王国は存在していた)。ちょうどキューバ危機の最中、世界は、この国境紛争を小さな出来事として注目しなかったが、インドはこのときの屈辱感から核武装への道を決断した経緯がある。
インド陸軍は第十七山岳師団をシッキム地方に駐屯させており、そのうちの三千名は中国軍が展開する係争地で臨戦態勢にある。
中国軍はすでにチベット側に35トン戦車を待機させており、同時にブータンの領土に建設中の道路は40トンの戦車が通行可能だという(アジアタイムズ、6月29日)。もちろん、ブータン王国は中国に撤兵を要求している。
「世界一幸せな国家」(GHP)というブータンはまともな軍隊を保有しておらず、事実上、インドの保護下にある。
▲インド洋が「中国洋」となる日が近い?
海洋もまた中国海軍の野心的進出に脅かされている。
インドが警戒するのはインド洋における中国海軍の進出であり、すでにミャンマーの西沖に広がるアンダマン諸島には中国がレーダー基地を敷設した。
バングラデシュにはチッタゴン港の浚渫を提言し、インド洋の南東に浮かぶスリランカにはハンバントタ港に既に中国海軍潜水艦が寄港し、南西のモルディブには、中国が鳴り物入りのチャイナタウン。そしてインドを西側に挟む敵対国家パキスタンのグアダール港の建設を加速している。
このためインドは米軍との軍事同盟を強化し、日本、オーストラリアを加えた四ケ国で共同軍事演習を展開してきた。
南インド洋には豪のほか、フランスも幾つかの島々を領有しているため、軍事的脅威を目の前に、日米豪印の四カ国の軍事協力体制に加わる用意があると言われる。
もっと驚くべきは中国の長期的な海軍突出野心である。
ジブチの米軍基地に隣接する場所に中国は一万人規模の軍事基地を建設中で、これは中国が海外に駐屯させる最初の外国駐屯軍事基地となる。
この「海のシルクロート」とかいう経済プロジェクトの裏側が中国の地球的規模の軍事突出プランであることは、世界の常識である。
インド軍事情報筋の分析では、ジブチを拠点化したあと、中国はマダガスカル、モーリシャスの島嶼を狙い、最終的にはディエゴガルシアにある米軍基地への牽制も伺うだろうとしている。
□▽◎み□◇□や□▽◎ざ□◇□き◎□◇
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● 大陸の一路一帯も海のシーレーンも欲しい”と強欲な中共。勿論2正面作戦は、超大国
USAと云えどもきついものです。その強欲さをたたくのが、第三次大戦と云えるでしょう。
● インドは第二次大戦後に、独立した国です。サイクルから言えば、初めの90年サイクルの
終盤にかかっています。人間で言えば、25歳前後と言う処でしょうか。
一方の中共は武人時代≒戦国時代の中年へと突入と言う処です。
● 人間で言えば、中年の武人のヤクザと初期資本主義の若者の戦いと云えましょう。
インドは日本で言えば、第二次大戦突入前の時代に相当します。つまり
血気は盛んな年です。肉体的には最強の年代です。
● 日本で言えば、ツアーリ帝国ロシアに対して、危機感を覚えた日本とも言えます。
つまり、中共の南下政策とロシアの南下政策が重なります。歴史はご存知の
ように、若年の日本が巨大なロシアの陸軍の南下政策を抑えました。
● 私に言わせれば、ロシアが3度目ののスーパーサイクル突入・つまり熟年に入ったということも
ありますが、やはり近代化の成果がその勝敗の差を齎したと言えます。
● 資本主義の企業は、その儲けの為なら必死に近代化や技術開発を進めるものです。
それに対して、ロシアは近代化は遅れていました。それは体制の違いに
よるものと云えます。つまりすべてが独裁者のものである国は、
● 企業の活動が相対的に弱いということです。高度のロケットだからと、国が作れるものでは
ありません。全て民間の必死の努力と儲けの為なら何でもする
そのエネルギーが技術を爆発的に進歩させるのです。
● そのエネルギーは当然インドにもあると言えます。タタ等の世界的企業が出ていることを
思えば想像できるでしょう。たとえまだ技術が現在未熟でも、背後には
老人ではあるが超大国のUSA,と中年の日本が控えています。
● つまり、いざ開戦となれば、インドの企業は必死に技術開発をするでしょうし、すでに
USAでもインドの技術者は大活躍しています。日米の支援で急激に軍事大国化
することは必然と云えます。日本の第二次大戦前を思い出せば十分でしょう。
● 一方の中共は、国内の植民地の不満を抑えるにも膨大な経費が掛かるでしょうし、
ましてや、陸と海の一路一帯では、お金がいくらあっても足りません。
● お金は逆に、共産党幹部が海外に持ち逃げする事件を見ても分かるように、国内への
投資には限界があり、回線のどさくさで多くのお金が更に、国外へと逃げて
行くものと、容易に想像できます。
● つまり、今は中共が押し気味でも、実際の戦争になれば、上記の要因が重なって、インドは
戦争とともに、強大化するものと予想できます。日本が日清・日露戦争を経て
急激に世界の大国の仲間になったようにです。
● 第二次大戦をへて、今の日本は実質的な世界の経済のリーダーです。問題は核がない事だけです。
その点インドは既に核を持っていますし、中共にビビる必要は全くありません。
● 従って、将来内戦型世界大戦に巻き込まれた、インドと中共はともに戦いながら
疲弊は中共と云う構図が見えてきます。
● 日本製の世界一高度な、携帯式対戦車ミサイルを開発して、インドを支援しましょう。
漁夫の利は日本にあるのです。第三次大戦でぼろ儲けする
日本の姿は、ここでも見られます。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)7月1日(土曜日)
通算第5335号
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中国軍、またもブータンの一部を侵略。インドが防衛に
インド洋も南シナ海に続いて「中国洋」と化けるのか?
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インドは北京で開催されたAIIB(アジアインフラ投資銀行)フォーラムを正式にボイコットした。
モディ政権の中国外交は一貫して経済と分離し、強硬である。
インドの中国に対する不信は高まることはあっても鎮まることはない。
陸地に於いて中国軍はインドとの国境地帯を蚕食しつつ、こんどはインドの事実上の保護国であるブータン王国のドクラム高原の一部に道路を建設中だ。
ブータンの領土を掠め取ろうとして軍事行動を本格化させている。
インドはバングラデシュの北側を領有し、東インドを繋げる「シリグリ回廊」(シッキム、ブータン、チベット三角地帯)の分断を図るのが中国の長期的な軍事目的である。インドが激怒するのは当然だろう。
中国は「1962年戦争を思い出し、歴史の教訓に学べ」などと、傲慢で命令口調の態度を変えず、インドとの境界線を前進させてきた。「サラミ戦略」ならぬ「キャベツ戦略」である。中国はシリグリ回廊の495平方キロが「歴史的に中国領土だ」と根拠のない主張を平然と続けている。そのうえで、「インドは軍隊を撤兵させよ」と言うのだ。
1962年のインド中国国境紛争は、シッキム高原の侵略を狙って中国が軍を進め、アクサイチンを軍事占領し、インドからシッキムを奪った(そのときまでシッキム王国は存在していた)。ちょうどキューバ危機の最中、世界は、この国境紛争を小さな出来事として注目しなかったが、インドはこのときの屈辱感から核武装への道を決断した経緯がある。
インド陸軍は第十七山岳師団をシッキム地方に駐屯させており、そのうちの三千名は中国軍が展開する係争地で臨戦態勢にある。
中国軍はすでにチベット側に35トン戦車を待機させており、同時にブータンの領土に建設中の道路は40トンの戦車が通行可能だという(アジアタイムズ、6月29日)。もちろん、ブータン王国は中国に撤兵を要求している。
「世界一幸せな国家」(GHP)というブータンはまともな軍隊を保有しておらず、事実上、インドの保護下にある。
▲インド洋が「中国洋」となる日が近い?
海洋もまた中国海軍の野心的進出に脅かされている。
インドが警戒するのはインド洋における中国海軍の進出であり、すでにミャンマーの西沖に広がるアンダマン諸島には中国がレーダー基地を敷設した。
バングラデシュにはチッタゴン港の浚渫を提言し、インド洋の南東に浮かぶスリランカにはハンバントタ港に既に中国海軍潜水艦が寄港し、南西のモルディブには、中国が鳴り物入りのチャイナタウン。そしてインドを西側に挟む敵対国家パキスタンのグアダール港の建設を加速している。
このためインドは米軍との軍事同盟を強化し、日本、オーストラリアを加えた四ケ国で共同軍事演習を展開してきた。
南インド洋には豪のほか、フランスも幾つかの島々を領有しているため、軍事的脅威を目の前に、日米豪印の四カ国の軍事協力体制に加わる用意があると言われる。
もっと驚くべきは中国の長期的な海軍突出野心である。
ジブチの米軍基地に隣接する場所に中国は一万人規模の軍事基地を建設中で、これは中国が海外に駐屯させる最初の外国駐屯軍事基地となる。
この「海のシルクロート」とかいう経済プロジェクトの裏側が中国の地球的規模の軍事突出プランであることは、世界の常識である。
インド軍事情報筋の分析では、ジブチを拠点化したあと、中国はマダガスカル、モーリシャスの島嶼を狙い、最終的にはディエゴガルシアにある米軍基地への牽制も伺うだろうとしている。
□▽◎み□◇□や□▽◎ざ□◇□き◎□◇
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● 大陸の一路一帯も海のシーレーンも欲しい”と強欲な中共。勿論2正面作戦は、超大国
USAと云えどもきついものです。その強欲さをたたくのが、第三次大戦と云えるでしょう。
● インドは第二次大戦後に、独立した国です。サイクルから言えば、初めの90年サイクルの
終盤にかかっています。人間で言えば、25歳前後と言う処でしょうか。
一方の中共は武人時代≒戦国時代の中年へと突入と言う処です。
● 人間で言えば、中年の武人のヤクザと初期資本主義の若者の戦いと云えましょう。
インドは日本で言えば、第二次大戦突入前の時代に相当します。つまり
血気は盛んな年です。肉体的には最強の年代です。
● 日本で言えば、ツアーリ帝国ロシアに対して、危機感を覚えた日本とも言えます。
つまり、中共の南下政策とロシアの南下政策が重なります。歴史はご存知の
ように、若年の日本が巨大なロシアの陸軍の南下政策を抑えました。
● 私に言わせれば、ロシアが3度目ののスーパーサイクル突入・つまり熟年に入ったということも
ありますが、やはり近代化の成果がその勝敗の差を齎したと言えます。
● 資本主義の企業は、その儲けの為なら必死に近代化や技術開発を進めるものです。
それに対して、ロシアは近代化は遅れていました。それは体制の違いに
よるものと云えます。つまりすべてが独裁者のものである国は、
● 企業の活動が相対的に弱いということです。高度のロケットだからと、国が作れるものでは
ありません。全て民間の必死の努力と儲けの為なら何でもする
そのエネルギーが技術を爆発的に進歩させるのです。
● そのエネルギーは当然インドにもあると言えます。タタ等の世界的企業が出ていることを
思えば想像できるでしょう。たとえまだ技術が現在未熟でも、背後には
老人ではあるが超大国のUSA,と中年の日本が控えています。
● つまり、いざ開戦となれば、インドの企業は必死に技術開発をするでしょうし、すでに
USAでもインドの技術者は大活躍しています。日米の支援で急激に軍事大国化
することは必然と云えます。日本の第二次大戦前を思い出せば十分でしょう。
● 一方の中共は、国内の植民地の不満を抑えるにも膨大な経費が掛かるでしょうし、
ましてや、陸と海の一路一帯では、お金がいくらあっても足りません。
● お金は逆に、共産党幹部が海外に持ち逃げする事件を見ても分かるように、国内への
投資には限界があり、回線のどさくさで多くのお金が更に、国外へと逃げて
行くものと、容易に想像できます。
● つまり、今は中共が押し気味でも、実際の戦争になれば、上記の要因が重なって、インドは
戦争とともに、強大化するものと予想できます。日本が日清・日露戦争を経て
急激に世界の大国の仲間になったようにです。
● 第二次大戦をへて、今の日本は実質的な世界の経済のリーダーです。問題は核がない事だけです。
その点インドは既に核を持っていますし、中共にビビる必要は全くありません。
● 従って、将来内戦型世界大戦に巻き込まれた、インドと中共はともに戦いながら
疲弊は中共と云う構図が見えてきます。
● 日本製の世界一高度な、携帯式対戦車ミサイルを開発して、インドを支援しましょう。
漁夫の利は日本にあるのです。第三次大戦でぼろ儲けする
日本の姿は、ここでも見られます。