旅と歴史

全国各地の史跡を取り上げて紹介しています。

宇治上神社

2017年11月30日 | 旅 歴史
 京都府宇治市宇治山田に宇治上神社(うじがみじんじゃ)があります。
 宇治上神社は宇治神社と二社一体の存在でした。明治以前は宇治上神社は「上社」・「本宮」、宇治神社は「下社」・「若宮」と呼ばれ、両社を合わせて「宇治離宮明神(八幡宮)」と呼ばれました。明治に入って宇治神社と分離しています。
 延長5年(927)の「延喜式」神名帳に山城国宇治郡に「宇治神社二座 鍬靫」と記載されています。この2座が宇治上神社と宇治神社を指していると思われます。鍬(くわ)靫(ゆぎ)は祈年祭の際に朝廷から鍬・靫の奉献があったことを記しています。
 宇治上神社の境内は菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)の離宮「桐原日桁宮」の旧跡といわれ、そのため離宮明神と呼ばれたようです。菟道稚郎子は応神天皇の皇子で、天皇に寵愛され皇太子になりましたが、異母兄の大鷦鷯尊(のちの仁徳天皇)に皇位を譲るため自殺したといわれています。
 平安時代に平等院が建立されるとその鎮守社となりました。その後、近隣住民の崇敬を集め社殿が維持されてきました。本殿は日本最古の神社建築です。拝殿は鎌倉初期の宇治離宮を移築したものといわれ、2つとも国宝に指定されています。また摂社春日神社本殿は国の重要文化財です。
 宇治上神社の境内外には「天降石」や「岩神さん」と呼ばれる巨石があり、磐境(いわさか)信仰による創祀という一説もあります。
 宇治上神社は平成6年(1994)12月に、「古都京都の文化財」のひとつとして、ユネスコの世界遺産に登録されました。

下記のサイトにもお立ち寄りください!
http://www.ueda.ne.jp/~ogino/japan/


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