フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

1月29日(日) 晴れ

2017-02-01 02:02:33 | Weblog

8時、起床。

トースト、麻婆豆腐、サラダ、紅茶の朝食。

昼前に家を出る。今日は日曜日だが、大学院の博士課程の入試(一次)が行われている。

大学に出る前に寄って行きたい場所があり、上野(公園口)の改札を出る。目の前に東京文化会館がある。

その横を通って、国立西洋美術館の方へ。

「シャセリオー展」は2月28日からだ。

さらに進むと動物園の前に出る。しばらく来ていないが、ここは私の好きな場所の1つだ。

そこを右に折れると、正面に国立博物館が見える。

直進はせずに東京都美術館を横目に見ながら左に入っていく。

東京芸大の方へ。

芸大美術館。ここで開催中の修了作品展を見に来たのである(修了作品展は大学院の方で、学部は卒業作品展といい東京都美術館でやっている)。

ファンタジー映画に出てきそうな、大きな、古い木である。

美術館の入口ホール。

早稲田の卒業生(一文・人文専修)の櫻井あすみさんの作品「present」。

3つの部分から構成されている。こうした分割方式はある時期からの彼女の作品の特徴だが、初期は一枚の絵を分割していたのだが、この作品では3つの部分を結合しても一枚の絵にはならない。初めから分離しているのだ。

中央の部分には街をゆく4人の女子高生の後姿が描かれている。左から2人目の子は手に段ボールの箱を持っているように見える。

左側の部分にはコンクリートやモルタルの家が描かれている。

右側の部分にはもっと古い作りの家が描かれている。

左右に描かれいるのは女子高生たちの自宅かもしれないし、直接の関係はないその街の風景なのかもしれない。

一枚の絵を分割することの効果は焦点が複数生じることだろう(3分割なら3焦点だ)。それによって複数の焦点の間のダイナミクスが生まれる。静的だった作品が動的な作品になる。

これが同じく3分割でも、一枚の絵を分割したのではなくて、最初から別の三枚の絵だった場合はどうなるか。三枚の絵は描かれた場所と時刻が違うから、一枚の絵の3分割よりも、そこから生じるダイナミクスはより立体的というか、多元的なもの(異なる空間と時間の連結)になるだろう。それは下手をすると、互いの引き合う力が失われて、たんなるバラバラのピースになってしまう危険があるが、この作品に関しては「ある街の風景」として統合されているように思う。

あすみさんは日本画科の出身なのだが、日本画には屏風画という形式があり、分割して描くという方法論はそこにつながっているのではないかと思う。

 受付(学生が交代でやっている)の役目を終えたあすみさんがやってきた。

あのダンボルー箱の中には仔猫が入っていたのそうだ(彼女が実際に街で見かけた風景なのだ)。

猫を拾って来たところなのか、捨てに行くところなのかで、受ける印象がかなり違うが、彼女は拾ってきたところと解釈している。性善説なのだ。

あまり時間がないが、ちょっとお茶をしましょうと外に出る。

「桃林堂」という和菓子屋に入る。

小鯛焼きで有名なお店らしい。

抹茶と小焼き2個を注文する。

 右側の小鯛焼きは2月限定の(今日は先行発売か?)「バレン鯛ン」。ラムレーズンの餡が入っている。

今回、あすみさんは修了作品のほかに、修士論文も書き上げた。タイトルは「美術活動の「贈与」性―「もの」が開く多層的な「他者」―」。製本されたものを一冊いただいた。

今日はこの辺で失礼します。また今度、時間のあるときに。

国立博物館前の広場では大人から小さな子供までさまざまなことをして時を過ごしていた。

さあ、上野→東京=大手町→早稲田というルートで大学に行こう。

3時半から入試関係の業務。

それを終えて、帰宅の途中で神楽坂で降りる。日曜は歩行者天国だ。

「SKIPA」に寄って行く。

 ホットドックとアイスチャイを注文。昼食が小鯛焼き2個だけだったので、小腹が空いている。

のんちゃんが、「先日、先生の教え子だという方が来られました。男性で、『先生に金沢の寿司屋を紹介した者だと言えば分っていただけると思います』とおっしゃっていました」とのこと。ああ、オガワ君に違いない。社会学の大学院生だった人で、いまは区役所に勤めている。彼には金沢の「小松弥助」や「太平寿し」を教えてもらった。近々、私のかかりつけの歯医者さん一家が金沢に行くと言うので「太平寿し」の話をしたら、さっそく店に電話をして予約をとったそうである。あの店で食べた寒鰤はとてもとても美味しかった。

店を出たのは陽が暮れた頃。

7時、帰宅。

夕食は広島菜チャーハン。冷凍にした残りのご飯がある一定量に達するとチャーハンが作られる。冷や飯の法則なり。、

2時、就寝。