8時半、起床。
トースト、サラダ、紅茶、牛乳の朝食。
昼過ぎに家を出て、大学へ。
JRの東京駅から東西線の大手町駅まで地下街を行く途中で見かける分譲マンションの広告。気になるのが「どまんなか」という言葉。これは大阪弁由来の言い方である。東京弁なら「まんまんなか」だ。でも、上京者の視点なのかな。いや、「どまんなか」が全国化し(たとえば山形の名物駅弁「牛肉どまん中」など)、「まんまんなか」が駆逐されてしまったということだろう。
早稲田に着いて、昼食は「たかはし」で。注文をとりに来た女将さんがすまなそうな顔をしている。どうやら私が肉豆腐定食を注文するものと思っているようである(たぶん肉豆腐定食は売り切れなのだろう)。
今日は最初からこれを注文するつもりだった。二重弁当。
最初に海老フライ(ソースをかけて)を食べるのは決まっている。続いて玉子焼き。これも決まっている。三番手以後はそのときそとのきだ。
2時から教授会。教授会は通常月に1回だが、2月は例外で4回もある。入試シーズンだからである。
回数が多い代わりに一回一回は短い。教授会を終えて、研究室で雑用を片付け。4時過ぎに大学を出る。今夜は新宿で芝居見物だ。
少し早く劇場に着いたので(開場は5時半)、かといってカフェでゆっくりするほどの時間はないので、近くのコンビニでイートインをすることにする。
苺サンドとホットレモンティー。ちゃんとした夕食は芝居が終わってから(9時頃)にしよう。
場所は新宿二丁目。
スターフィールド劇場。
演劇フェスで、ジャンルを異にする5つの団体)が各30分の出し物を披露する(参加団体は7つだが、日によって組み合わせが異なる)。今日の夜の部は ②→⑤→③→④→①の組み合わせ。
一番手は「トランス☆プロジェクト」。「性同一性障害/性別違和をモチーフとした舞台を当事者と共に制作・上演する」だそうだが、本日の出し物は詩(寺山修二・中原中也)と物語(新見南吉『ごんぎつね』)の朗読。声の質を異にする二人の団員とそこにゲストの尺八奏者による音響が加わって、「語り」の世界に観客をスーッと引き込んだ。『ごんぎつね』をちゃんと聞いたのは初めてかもしれない。
下の写真は関係者のツイッターから拝借(右の3人が「トランス☆プロジェクト」、左の4人が「ウラダイコク」)。
二番手はウラダイコク。普段は「主宰如月せいいちろーの書くオリジナル脚本は、ざらりとした感覚のひだを童話のような言葉で描き、世界は頑張って答えてくれない、でもその先に祈りを込めた物語」を上演している劇団とのことだが、今日の出し物は即興劇(観客たちが好き勝手に書いた言葉のメモをランダムに盛り込んだ、落語の「三題噺」の拡大版のようなもの)。私の書いた「北風は好き?」というメモは、登場人物たちをロシアの地へと向かわせたのだった。
三番手は兎団×獣の仕業。つい先日、江古田の兎亭で観た『車曳き』をここで再び観ることになった。空間に奥行きが加わった分、闇が深さを増し、照明とのコントラストがより鮮明になった。同じ理由で、鎖の音、シンバルの音、バックの歌、そして役者ひとりひとりの台詞もより鮮明に聞こえた。前の2つ団体が本来の出し物ではなくて、一種の変化球で来たのに対し、真っ向ストレート(しかもズシリと重い球)勝負で、流れとして大丈夫なのかと思ったが、それはこっちが心配することではあるまい。私は舞台と客席との距離があった分、前回よりも客観的に芝居を味わえた。
4番手は劇団Pin to Hint。「日常にピント、違和感へのヒント。視界をずらしてピンを刺す。脚本書き山口による企画団体」とのこと。出し物は「カメレオンノート」という二人芝居。引きこもり気味の男の子(ヒロ)が物語を書き綴ったノートをどこかでなくしてしまう。それを拾ったやはり引きこもり気味の女の子(ユウ)が物語を読んだ感想を書いて、町はずれの図書館(そこがノートを拾った場所なのだろう)に戻しておく。そうやってノートを介して始まる二人の対話。暗く重苦しい『車曳き』の後だけにさわやかな青春の物語の印象。しかし、終盤で、二人は悠木宏実(ユウキヒロミ)という一人の女の子の中の二つの人格(ポジとネガ)であることが明らかになる。訳あって分裂した二つの人格が一人の人間の片割れ同士であることに気づき、手をたずさえて生きていく(物語を紡いでいく)ことを決意するという精神分析的なハッピー・エンド。脚本を購入した。
そしてトリはコンキチ番外女子。出し物は『春、お前から恋』。アラサーのOLが思いを寄せる先輩社員とのデートについにこぎつける。いかに恋愛を成就させるか、彼女の中の恋心Aと恋心Bの対話(とてつもない饒舌)を通して、決戦前夜→デート当日→告白→玉砕に至る女心というものを描いた2人芝居。ピュアな『カメレオンノート』の後だけにその赤裸々さ、身も蓋もなさが、かえって潔く、そして笑えた。脚本があればぜひ欲しかったが、なかった。私が残念がると、「メールを下されば添付ファイルでお送りします」と言われたが、たぶんこれは舞台が終わった直後のハイな気分で反射的に言ってしまったのだと思う。そんな図々しいリクエストはいたしません。次の機会があればまた観させていただきます。
下の写真は関係者のツイッターから拝借。物販で売っていた2人のブロマイド。
9時ちょっと前に終演。楽しめました。
下の出演5団体の集合写真は関係者のツイッターから拝借。
近くの「松屋」で夕食を食べることにする。
プレ三アム牛めし+豚汁+生卵を注文。私は勘違いしていたが、「松屋」の牛丼(牛めし)は「プレミアム」という形容詞が常に(暗黙のうちに)付くのであった。私はプレミアムでない普通の牛めしをあるのかと思っていた。実際、セブンイレブンでは、プレミアムのハンバーグもあるし、普通のハンバーグもある。金の食パンもあれば普通の食パンもある。それが普通の感覚ではかろうか。
松屋の牛めしのよいところは肉の量が多いことである。プレミアムな気分だ。
豚汁もいける。
10時半、帰宅。
2時半、就寝。