6時半、起床。
トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。
7時半に家を出て、大学へ。普段、朝のラッシュアワーの電車に乗ることがめったにないことに加えて、新型コロナウィルスの感染の不安を感じながらの通勤である。こういうときは研究室にベット代わりになる長いソファーがあって、寝泊りできたらいいのだが。
今日は文学部の入試。構内にいる間のことは書けないので、文化構想学部の入試の日と同じように、室生犀星『動物詩集』から作品を1つ紹介しよう。タイトルは「いなごのうた」。
いなごが 一ぴき
自転車に乗ってでかけた。
おおかた 町へお使いに
いくのだろう。
その留守のあいだに
いなごのお母さんが
お琴をひいて
こどもにきかせている。
しみじみと可笑しい。「おおかた」という言葉の使い方が秀逸である。たんに「町へお使いに いくのだろう」では可笑しみは浅い。「たぶん」でも「おそらく」ではもの足りない。「きっと」では強すぎる。「おおかた」がいいのだ。どうでもいいようなことを、改まった、かつ鷹揚な口調で、推測している感じが可笑しい。
4時半過ぎに大学を出て、「カフェゴト―」に寄る。地下鉄の駅は受験生であふれているが、試験を終えて「カフェゴト―」でお茶をしていく受験生(らしき若者)というのは見たことがない。校則で禁止されているのだろうか。いや、マックとかでなら高校生を見かけるから、禁止ということではあるまい。おおかた小遣いが乏しいのだろう。「カフェゴト―」で一服すると、お茶とドリンクで千円ほどするからな。
タルトタタンとアイスアップティーを注文。
このところ、「sanno2198」「フロハン」「カフェゴト―」と一日おきにタルトタタンを食べている。この調子でいったら(いかないけど)タルトタタンの評論家になれるかもしれない。
スマホに「あんず文庫」のご主人から伊藤人誉の没年を確認しましたという知らせが届いた。2009年に95歳で亡くなったとのこと。10年前に亡くなられていたんですね。併せてこんなエピソードも教えてくれた。「ご本人は90歳をこえてから小説がうまくなったと仰っていたそうです。新作のアイデアも持ち合わせておられたようでした」。ありがとうございました。
「カフェゴト―」には1時間ほど滞在した。
電車の中で妻から「帰りは何時頃になる?」とラインの定型文が届いたので、返信をしようとしたら、続けて「蒲田のM病院で医者がコロナ! 身近になってきたね」とのメッセージ。初耳だった。すぐにネットのニュースを見てみたら、大森に本院のあるM病院の蒲田分室に勤務する医師と看護師が感染したらしいと分かる(ただし、来院患者から感染したのではないようだ)。いままで新聞やテレビのニュースの中の出来事だったものが、一挙に身近なリアルな世界の出来事になった感じだ。
7時前に帰宅。
夕食は鮭のソテー、サラダ、鶏団子入りの味噌汁、ご飯。
付け合せはエリンギとズッキーニ。
最初、鶏肉団子は汁に沈んで見えなかったが、飲んでいるうちに姿を現した。「今日は鮭のソテーよりも鶏肉団子スープがメインよ。お替りしてね」と妻がいった。お替りをした。「まだ(鍋に)残ってるじゃない」と妻が言った。それは明日の朝のスープにするよ。
食後、「ベルアメール」のチョコレートの最後の一枚を食べる。このパレショコラと呼ばれる円型の板チョコのシリーズは一枚が300円ほどするらしい。「ダロワイヨ」のマカロン(一個200円ほど)より高い。びっくりポンだ(久しぶりに使ってみる)。
2時、就寝。