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連続して取り上げている指宿シリーズにいよいよ真打登場。日本中の温泉ファンを唸らせてきた珠玉の名湯「村之湯温泉」に、遅ればせながら私もお邪魔してまいりました。明治15年に創業した指宿で最も古い公衆浴場なんだそうでして、既に多くの温泉ファンによって語られてきた名湯ですから、余計なことを書き綴って誉れに泥を塗るような失策を避けるべく、今回の記事では私の主観を簡単に述べるにとどめておくことにします。とか言いながら、いつものように駄文を重ねてしまいそうですが…。
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麗らかな陽気の元、軒先ではニャンコがお昼寝中。カメラを構えて近づく私の姿に気付かないのか、あるいはわかっているのに無視しているのか、接近して撮影しても奴さんは高鼾をかくばかり。実に呑気なニャンコなのであります。
湯屋に隣接する民家の軒先に料金箱があるので、そこへ各自で所定の料金を投入するのですが、私はその箱に気付かず声をかけてしまったら、奥のお勝手の方からお婆ちゃんが「はいは~い」と元気に手を上げながら料金を受け取ってくれました。薩摩の人ってどこでも心温かい方ばかり。
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母屋の窓には旧海軍関係の記事の切り抜きがたくさん貼ってありました。
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すばらしくレトロな湯屋に思わず息をのんでしまいました。昔ながらの公衆浴場らしく脱衣所と浴室が一体化している構造です。脱衣所からステップを2段下りて浴室へ。壁にはカレンダーがたくさんかかっていましたが、これは暦というより絵の代わりなのでしょう。
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この温泉の由緒書。
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旧仮名遣いの注意書きもいい味出してます。
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梁がむきだしの浴室。湯屋自体は古いのですが、梁や柱の材木や接合金具が比較的新しいので、おそらく適宜改修されているのでしょう。梁にぶらさがっている滑車は何に使うのかしらん?
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お神酒。
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指宿の公衆浴場では標準的な備品となっているトド用の枕(角材)。
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脱衣所と浴場の境には「のみ湯」つまり飲泉所がありました。柄杓で汲んで飲んでみると、塩味と鉄味がミックスされたいかにも指宿のお湯らしい味が舌の奥へと流れ落ち、鉄臭と少々の土気が渾然としながら鼻から抜けてゆきました。塩気も金気も特別強くなければ弱くもなく、決して美味くも無ければ不味くもない、指宿の温泉でみられる知覚的特徴の中庸を体現しているかのようなお湯でした。
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年季の入った浴槽。浴槽は2つあり、事前の情報では片方が熱いとのことでしたが、訪問時は両方とも同じような湯加減でした。浴槽の底には羽目板がスノコ状の敷かれており、足元から源泉が湧出している様子。
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足元湧出に加えて、男女浴室の仕切り塀下にはこのような源泉溜りがあり、ここから二つ(男女両方を合わせると4つ)の浴槽へとお湯が分配されていきます。湯口は浴槽内の下方にあり、木の栓で部分的に塞ぐことにより、熱いお湯が一気に浴槽へ注ぎこまないようにしていました。
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湯船に浸かっている目線で一枚撮ってみました。何とも言えない渋い佇まい。タイムスリップしたみたいだぁ。恍惚のひと時。
温泉分析表確認忘れちゃいました・・・
JR指宿枕崎線・指宿駅より徒歩12~15分(約1km)
鹿児島県指宿市大牟礼3-16-2 地図
0993-23-3713
9:00~21:00 毎月11日休業
250円
備品類なし
私の好み:★★★