温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

十和田大湯温泉 川原の湯共同浴場

2013年08月02日 | 秋田県

連続して十和田大湯温泉を取り上げておりますが、今回は「川原の湯共同浴場」にスポットライトを当ててみます。建物の前には浴場利用者の軽自動車が路上駐車されていますが、この浴場には駐車場が無く、しかも浴場が面している路地は狭隘ですから、常連の地元の方はともかく、外来者は国道沿いの「総合振興プラザこけし館」に車を止め、そこから徒歩でアクセスした方がよろしいかと思います。


 
すぐそばにはお湯汲み場もあるのですが、中を覗いたら蜘蛛の巣が張っており、最近使われているような形跡は見当たらず…。


 
建物は2階建てで上層階は公民館となっているようです。入口すぐのところには小さな番台があるのですが、訪問時は無人でしたので、券売機で料金を支払った後、窓口下の専用ポストに入浴券を投入して浴室へとお邪魔しました。番台には指名手配のビラが2枚も貼ってあって、別に悪いことをしているわけでもないのに、なぜか後ろ指をさされているような恐怖感を覚えてしまいました(街中でパトカーや警官と遭遇した時に覚えるあの身に覚えのない背徳感みたいなもんです)


 
共同浴場にしては広めのスペースが確保されている脱衣室。棚の数も一般的な共同浴場より多いですね。床には茣蓙が敷かれていました。


 
「荒瀬共同浴場」の記事でも紹介しましたが、画像左(上)の張り紙は利用者減少に伴う値上げを告知するものです。その一方、画像右(下)のポスターは大湯小学校3年生の生徒達が入浴学習をしている様子をレポートしたもの。小さいうちから共同浴場という文化に触れておくことは非常に大切ですね。子供の頃から大湯温泉のお湯に慣れている地元っ子は、我々が恐れおののく激熱風呂でも平気な顔して入れちゃうんですね。


 
浴室も共同浴場とは思えない広さ。床は十和田石と思しき緑色系凝灰岩の石材が敷き詰められています。浴室こそ広いものの、古い浴場らしくシャワーなどの備え付けは無く、洗い場には水道の蛇口が2つほどあるばかりです。室内の隅には桶や腰掛けが整理整頓されており、その傍にはお湯を逃がすパイプが立てかけられていました。湯船がどうしようもなく熱い場合は、これで湯口のお湯を湯船の外へ逃がすのでしょうね。


 
源泉を投入するバルブの付け根付近には白い析出が現れていました。バルブから湯船の縁の上を亘って、塩ビ管の先よりお湯が落とされています。湯口のお湯は激熱で、持参していたコップで湯口のお湯を汲んで飲泉しようとしたら、あまりの熱さに唇を火傷しそうになりました。熱いお湯のまんま投入しているため、投入量は結構絞られています。


 
長方形の浴槽は足を伸ばしても7人は入れそうな、ゆとりのあるサイズです。湯船を満たしたお湯は、浴槽右側縁の切り欠けより排水口へと捨てられていました。
お湯は無色透明で、薄っすらとした塩味と芒硝感を有しており、食塩泉的な弱ツルスベ感と硫酸塩泉的なキシキシが拮抗しあう浴感が得られました。れっきとした完全掛け流しの湯使いですが、上述のように源泉温度が篦棒に熱く、投入量が絞られているため、お湯の鮮度感がいまいちだったのは致し方ないところ。加水することもできますが、熱いまんま入るのが地元の方々の流儀ですから、気合を入れて眦を決しながらこの熱湯風呂と対峙するのが、ここでの「正しい」入浴方法なのかもしれません。下手に水で薄めたら地元の小学生に嗤われちゃうぞ…。


川原の湯源泉
ナトリウム-塩化物温泉 70.8℃ pH7.8 溶存物質1.94g/kg 成分総計1.96g/kg
Na+:560.8mg(84.51mval%), Ca++:76.2mg(13.17mval%),
Cl-:919.6mg(8811mval%), SO4--:158.8mg(11.24mval%),
H2SiO3:108.1mg, HBO2:84.1mg, CO2:24.8mg,
加水加温循環消毒なし

花輪線・鹿角花輪駅より秋北バスの大湯温泉行で「大湯温泉」バス停下車、徒歩9分(700m)
(期間運行ですが鹿角花輪駅および十和田南駅から秋北バスの十和田湖行、もしくは鹿角花輪駅から十和田タクシーが運行する路線バス(といってもハイエースで運行)の十和田湖行を利用すれば、「川原の湯」バス停下車徒歩1~2分)
秋田県鹿角市十和田大湯字川原の湯  地図
大湯温泉観光協会HP

6:00~21:00
180円
備品類なし

私の好み:★★
コメント
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