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五所川原など西北五地域から青森市内方面へ向かう際に走る道路といえば、近年は国道101号か津軽自動車道のいずれかを選択できるようになりましたが、数年前までは実質的に国道101号の一択であり、五所川原の市街を抜けてから、原子の長い坂を登り、渋滞に巻き込まれながら大釈迦のラブホ街を通過して国道7号に出るのが定番ルートでした。その長い坂を擁する原子地区には2つの温泉旅館があることを私は以前から知っていましたが、当地は単なる通過点(アクセルを踏み込んで登坂車線を走るノロい車を追い抜く場所)という認識でしかなかったため、これまで全く訪問の機会がなく、存在を知ってから17年越しで先日ようやく初入湯を果たして参りました。まずは2軒あるうち、ほぼ国道に面している「夢野温泉」から入って行きましょう。こちらは温泉旅館ですから当然ながら宿泊もできますが、今回は日帰り入浴での利用です。
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玄関の庇ではウッドペッカーらしきキャラが来客を歓迎しています。また玄関の右側には古臭いおばちゃんの艶絵が描かれた看板が立っており、源泉100%をアピールしていました。この看板から放たれる場末のストリップ劇場みたいな怪しい空気がどうも受け入れられず、私はいままで敬遠しておりました…。
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駐車場エリアには、屋根上にタンクを載せ、機械音と共にジョボジョボと液体が溢れ出る音が聞こえてくるコンクリブロックの小屋が建っていました。これって源泉施設でしょうか。
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夥しい数のスリッパが並ぶ下足場に設置されている券売機で料金を支払います。昭和40年代の匂いがプンプン漂うロビーではお爺ちゃんが笑顔で対応しており、その傍らに置かれたガラスケースの中にはお隣つがる市(旧木造町)の亀ヶ岡遺跡で発掘された遮光器土偶(通称しゃこちゃん)のレプリカが微笑んでいました。
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ロビーから館内の奥へ伸びる廊下をひたすら進んだ突き当りがお風呂。
脱衣室は古いながらもそれなりに手入れされており、可もなく不可もなくと言った感じ。ビニルクロス床の上に茣蓙が敷かれており、ロッカーのカギは銭湯でよく見られる板状のカギでした。また壁にはには「夢に見て掘ったら温泉が湧いた」という、ありがちなお話が貼り出されており、それが「夢野」という名前の由来になったのでしょう。
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掛け流しを誇示するプレート。地下700メートルから汲み上げているんだとか。
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オーナーさんが夢から醒めて相当の年月が経っているのか、浴室は相当草臥れており、室内に用いられている小さなタイルはいかにも昭和40~50年代らしいもので、天井の湯気抜きもガッタガタ。
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洗い場にはシャワー付き混合水栓が7基並んでおり、各ブースはパーテーションで仕切られています。水栓から出てくるお湯が源泉でした。この他、洗い場と並んでいる独立ブースには立って使うシャワーがあって、3方向からお湯が噴射されるようになっているのですが、しばらく使われていないのか、そのシャワー金具の全てに緑青が出ちゃっており、とても使う気にはなれませんでした。
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大文字の「B」のような形状をした浴槽は12~13人サイズ。コップが置かれた木の湯口よりザバザバと音を室内に響かせながら源泉が落とされており、浴槽縁から惜しげも無くオーバーフローしています。浴槽の窓側には丸太がたくさん立てかけられているところがあるのですが、そこでは2本のジェットバスが騒々しく作動していました。
お湯は無色透明で、甘塩味と弱金気味に芒硝的な味が混じっており、ほんのり臭素臭が感じられます。大雑把に表現すれば津軽の平野部でよく見られるタイプのお湯ですが、金気や臭素感など五所川原らしい個性も兼ね備えている面白いお湯でもあります。源泉由来かジェットバスのためか、湯船に体を沈めていると、湯中の肌に細かな気泡がたくさん付着しました。また重曹泉的なツルスベ浴感を有しており、お湯に関しては掛け値なしで夢を見られそうな心地良い感触が楽しめました。
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露天は岩風呂となっており、目の前に草っ原(湿原?)、そして奥に青々とした森林が続く高原の景色が広がっており、とっても爽快なロケーション。
露天エリアはそれなりのスペースが確保されているものの、岩がゴツゴツしているために、腰を掛けたり上にあがったりしてのんびり休憩(クールダウン)できる場所が少ないのは残念。また湯船自体もキャパはせいぜい5~6人といったところでしょう。
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流路が赤く染まっている湯口より源泉が注がれています。お湯は内湯と同様です。底に敷かれている鉄平石の目地は緑色に変色しているのですが、これってコケでしょうか?
ロビーにて笑顔で迎えてくださったお爺さんには申し訳ないのですが、夢というより夢の跡を見ているような旅館であり、その鄙びっぷりやB級感ゆえ万人におすすめできるかといえば、あまり自信を持てないのですが、お湯の質はなかなか良好でしたので、湯めぐりのワンポイントとして訪問するには良いだろうと思います。
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 46℃ pH7.4 720L/min(動力揚湯) 成分総計2732mg/kg
Na+:834.2mg(97.44mval%),
Cl-:667.1mg(50.53mval%), SO4--:201.8mg(11.29mval%), HCO3-:852.3g(37.53mval%),
(昭和50年10月15日)
五所川原駅もしくは青森駅より弘南バスの五所川原~青森線に乗って「狼野長根」バス停下車、徒歩2分
五所川原市大字持子沢字隠川686 地図
0173-29-3153
6:00~22:00
300円
ロッカー・ドライヤーあり
私の好み:★★