温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

温湯温泉 利兵衛客舎

2013年08月19日 | 青森県
 
以前温湯温泉の「飯塚旅館」を取り上げたことがありますが、今回はその斜め前に位置する「利兵衛客舎」で入浴してまいりました。客舎ですが内湯を有しているんですね。


 
一見するとアパートのような外観ですね。看板が無ければ客舎だとは気づかないかも。
入浴をお願いしようと玄関を訪ったら、裏手の方からお婆ちゃん達が続々と館内に入ってゆき、その中の一人が「はいはい、お風呂ね」と軽快な口調で対応しながら、快く入浴を受け入れてくださいました。何らかの地域の共同作業が終わって、皆さんで一服しようというところだったのかもしれません。


 
浴室は玄関入って右手奥にある一室だけですので、おそらく貸切利用なのでしょう。この時は他にお客様がいなかったので、すんなり入ることができました。いかにも民宿っぽい家庭臭の強いお風呂ですが、更衣室はきちっと整頓されており、気持よく使えました。


 
浴室の戸を開けた途端に、シリコンコーキングに用いられる樹脂のような源泉由来の匂いが鼻を突いて来ました。室内は壁面に白いタイル、床には黒い石板タイルがそれぞれ貼られており、インテリアの配色としては教科書的な組み合わせです。洗い場にはシャワー付き混合水栓が2基設置されており、お湯のコックを開けると源泉が吐出されました。きちんと清掃されている綺麗なお風呂です。


 
赤御影石の縁に槽内タイル貼りの浴槽は2~3人サイズ。新日本プロレスのマークを彷彿とさせる形状をした獅子の湯口からお湯が注がれ、浴槽縁から静々とオーバーフローしています。湯船に体を沈めると、ザバーっと音を響かせながら豪快にお湯が溢れ出て行きました。当然ながら完全掛け流しです。

お湯は無色透明で清らかに澄んでいますが、槽内のタイルが薄いレモンイエローであるためか、やや黄色を帯びているようにも見えます。湯面から漂う焦げたゴムのような樹脂っぽい匂いが浴室内を満たしており、口に含むと甘塩味+弱タマゴ味+焦げ味+石膏っぽい味(と匂い)が感じられました。またスベスベとした滑らかな肌触りとキシキシ引っかかる感触が拮抗しており、奥深い味や匂いと相俟って、非常に豊かな浴感を堪能することができました。
小さくて実用的なお風呂ですが、余計な設備が無く、他のお客さんの存在も気にする必要がないため、温泉の個性をじっくり味わってお湯とまっすぐに向き合えるのが嬉しいところです。


3号泉
ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 60℃ pH7.6 500L/min(動力揚湯) 固形物総量1176g/kg 成分総計1239mg/kg
Na+:382.7mg(91.96mval%),
Cl-:404.0mg(63.00mval%), SO4--:223.3mg(25.71mval%), HCO3-:121.6mg(11.02mval%),
H2SiO3:61.06mg,
(昭和50年12月3日)

黒石駅より弘南バスの温川行・虹の湖公園行・大川原行で「温湯」バス停下車、徒歩2分
青森県黒石市温湯鶴泉43-2  地図
0172-54-8417

入浴可能時間不明
200円
シャンプー類&石鹸・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
コメント (2)
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