温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

嶽温泉 嶽ホテル

2013年08月14日 | 青森県

津軽で白濁の硫黄泉といえば嶽温泉ですね。今回は旅館が集まっている中心部からちょっと手前に位置している水色の建物の「嶽ホテル」で入浴することにしました。玄関にて入浴利用をお願いしますと快く受け入れてくださいました。



玄関を上がって正面へ伸びる廊下をひたすら進みながら、地形に従う形で少しずつステップを下がってゆき、両側に客室の戸が並ぶ通路を抜けると、その突き当りに浴室入口がありました。ねぷた絵やこぎん刺しなど、いかにも津軽らしい数々の民芸品が飾られています。


 
ホテルを名乗るだけあって、脱衣室はなかなかコンフォータブル。足元はカーペット敷き、柱や梁そして棚などには木材が用いられ、壁はオフホワイト系のクロスが張られており、ベーシックな内装ながら、木の温もりがよく活かされている落ち着いた雰囲気です。


 
浴室は床が石板敷きで壁面や天井などは木材が多用されている重厚感のある造り。洗い場にはシャワー付き混合水栓が4基設置されており、シャンプー類もちゃんと備え付けられていました。


 
ヒバ造の浴槽は8人前後のキャパで、底はスノコ状。浴槽と壁面が接続する部分はグレーの耐食材で補強されています。硫黄がこびり付いて白く染まった木組みの湯口から注がれているのは、嶽温泉の硫黄泉。湯口から出たばかりのお湯は直に触れる程度の熱さでして、湯船では42~3℃のちょうど良い湯加減がキープされていました。当然ながら掛け流しであり、浴槽の縁から直下のスノコ状の排水溝へ静々と溢れ出ていました。

お湯を口に含むと、レモンの酸味とグレープフルーツの苦味を足して2で割ったような、口腔が収斂する柑橘類的な酸味があり、硫黄臭もはっきり漂っています。湯船に体を沈めると、酸性泉らしい少々ヌルっとしたモイスチャー感を伴うツルスベ感が気持よく、湯中ではついつい自分の肌を何度も擦りたくなりました。


 
湯中で無数に浮遊している白い湯の花がコロイドとなって白濁を生み出しているのですが、湯船をかき混ぜる等によって沈殿している湯の花が舞い上がれば濁り方も強くなるわけです。具体的に説明しますと、上の画像左(上)は私が入浴する前の状態でして、湯船のお湯は灰白色系に懸濁してスノコ状の底の筋がわずかに見えていますが、私が湯船に浸かった後を写した画像右(下)では、湯船の中の湯華がかき混ぜられて白濁の度合いが強くなり、底も全く見えなくなりました。


 

露天風呂は頭上に庇が伸びてるので、多少の雨なら問題なく湯浴みできそうです。柵の外側では木々が立ちはだかっているため、開放的な眺望は期待できず、木の隙間から県道3号がチラッと見える程度ですが、高原のそよ風を感じながら緑を眺めているだけでも、心の中が清らかになりそうです。
露天の浴槽も内湯同様にヒバ造ですが、こちらはこぢんまりとした2~3人サイズ。お湯は湯口にある木の小箱に落とされた後、短い塩ビパイプから浴槽へ落とされています。内湯よりもややぬるい湯加減(41℃位)になっており、高原の爽やかな空気の中でじっくり長湯することができ、あまりの気持ちよさについつい微睡んでしまいました。


嶽温泉旅館組合4~5号集湯槽・6~8号集湯槽(再分析)
酸性・含硫黄-カルシウム-塩化物温泉 48.2℃ pH2.03 自噴 溶存物質2.314g/kg 成分総計2.991g/kg 
H+:9.4mg(23.08mval%), Na+:128.5mg(13.83mval%), Mg++:59.5mg(12.12mval%), Ca++:275.8mg(34.04mval%), Al+++:53.2mg(14.64mval%),
Cl-:1130mg(81.09mval%), S2O3--:2.6mg, HSO4-:90.8mg, SO4--:289.0mg(15.32mval%),
H2SiO3:213.1mg, H2SO4:2.1mg, CO2:676.6mg, H2S:0.8mg,

弘前バスターミナルまたは弘前駅より弘南バス・枯木平行で嶽温泉下車(所要約55分)
青森県弘前市大字常盤野字湯の沢28-1  地図
0172-83-2045
嶽温泉旅館組合HP内の紹介ページ

日帰り入浴10:00~15:00
500円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
コメント (4)
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