※残念ながら婆娑羅温泉は2014年1月5日を以て閉館しました。
数年ぶりに青森市浪岡の婆娑羅(バサラ)温泉でひとっ風呂浴びてきました。風変わりな名称ですが、近所には中世に築城された国の史跡である「浪岡城跡」があり、その当時の文化的風潮を表す「ばさら」という言葉が浴場名の由来になったものと思われます。浪岡ではこの他、ご当地キャラに「バサラくん」と命名したり、当地産のトウモロコシに「ばさらコーン」と名づけたりと、とにかく「ばさら」推しなのです。
場所としては浪岡モータースクール、津軽弁の口語で表せば「ジシャガ(自動車学校)」の真裏に当たり、付近の県道には看板が立っているものの、路地からちょっと入ったところに位置しているため、結構わかりにくいロケーションです。青森県の公衆浴場には宿泊できる施設が多いのですが、こちらでも宿泊利用が可能なんだそうです。
玄関には料金改定のお知らせが掲示されており、そこには、平成20年に300円へ値下げしたものの、電気代などの高騰により、今年(平成25年)4月1日から350円へ戻った旨が記されていました。訪問したのは週末の昼下がりだというのに、駐車場には車が1~2台しかとまっておらず、しばらく来客が無かったのか、番台のおばちゃんもうたた寝していました。
畳表が張られた腰掛けを中央に据え置く脱衣室。コインロッカー(100円リターン式)は完備されていますが、ドライヤーは見当たらず。天井にはシーリングファンが取り付けられていますが、スイッチがどこにあるかわからず…。
全面タイル貼りの浴室には2つの温泉槽と1つの水風呂、2本の打たせ湯、そしてサウナが設けられています。
まずは温泉槽から見て行きましょう。コーヒーのような色をした濃い黒湯が張られた浴槽は大小に二分されており、両者の仕切り上にある湯口から双方へ向けてお湯が注がれています。手前側の大きな浴槽は8~10人サイズで、一般的な深さと42℃前後の湯加減である一方、奥側の小さな浴槽は4~5人サイズで大きな浴槽よりちょっと熱く、立って入っても臍下まで浸かるほどの深さがあります。湯口では双方とも同じ熱さでしたので、湯船の表面積によって温度に差が生まれているのでしょう。両浴槽の縁からしっかりとオーバーフローしていますが、特に小浴槽からの溢れ出しが多いようです。言わずもがな完全掛け流しです。
大きな槽の手前側には2本の打たせ湯が室内に音を轟かせています。もちろんここで落とされているお湯も源泉使用。
浪岡界隈ではモール系の黒湯が湧出していますが、婆娑羅温泉はその典型。青森県のみならず東北では屈指の濃さを有する黒湯であり、浴槽の底が全く見えないほど黒く、湯船に浸かると恰もコーヒーの中に入っているかのような気分です。お湯からはモール的な風味が感じられ、清涼感のある苦味や臭素臭も得られます。モール泉らしいツルツルスベスベな浴感と、湯上りのサッパリとした爽快感は、この手のお湯ならではの素晴らしいものがあります。
温泉のみならず、サウナの横にある水風呂も秀逸。明らかに普通の水とは異なっており、見た目は薄い黄緑色を帯びつつ白っぽく濁り、金気が強く、土気の味や匂いも伴っています。金気の影響で槽の縁は茜色にコーティングされ、オーバーフローの流路の床は橙色に着色しています。この水風呂が実に爽快。黒湯の温泉槽と金気の強いこの冷鉱泉を何度も往復してしまいました。
水風呂の蛇口は、鉱泉中の金気の影響なのか、うっすら真鍮鍍金が施されているように、金色に輝いていました。館内に掲示されている温泉分析表は黒湯に関するもののみですが、この水風呂の鉱泉も分析したら面白いデータが出てきそうですね。
最後になりましたが、洗い場に関しては、隣の浴室との仕切り塀に沿って水栓が11箇所、浴室中央の島に7箇所、計18箇所設けられており、いずれも青森県の公衆浴場ではおなじみの古典的な押しバネ式水栓および固定式シャワーが採用されています。お湯の水栓からは黒湯が、水の水栓からは金気の強い冷鉱泉が吐出されました。
東北屈指の黒湯と、金気たっぷりで爽快な水風呂が堪能できる、とっても素敵な温泉銭湯です。
浪岡温泉
単純温泉 43.2℃ pH7.8 湧出量146L/min(動力揚湯) 溶存物質0.639g/kg 成分総計0.639g/kg
Na+:161.5mg(96.04mval%),
Cl-:90.4mg(33.82mval%), Br-:0.2mg, I-:0.1mg HCO3-:189.2mg(41.11mval%), CO3--:48.0mg(21.22mval%),
H2SiO3:126.5mg,
奥羽本線・浪岡駅より徒歩25分(約2.0km)、もしくは同駅より青森市浪岡地区コミュニティバスの王余魚沢線(1日3往復)で「中世の館前」下車、徒歩5分(450m)
青森県青森市浪岡大字浪岡字林本65 地図
0172-69-1380
※残念ながら婆娑羅温泉は2014年1月5日を以て閉館しました。
8:00~22:00
350円
ロッカー(100円リターン式)あり、他備品類なし(石鹸等販売あり)
私の好み:★★★
数年ぶりに青森市浪岡の婆娑羅(バサラ)温泉でひとっ風呂浴びてきました。風変わりな名称ですが、近所には中世に築城された国の史跡である「浪岡城跡」があり、その当時の文化的風潮を表す「ばさら」という言葉が浴場名の由来になったものと思われます。浪岡ではこの他、ご当地キャラに「バサラくん」と命名したり、当地産のトウモロコシに「ばさらコーン」と名づけたりと、とにかく「ばさら」推しなのです。
場所としては浪岡モータースクール、津軽弁の口語で表せば「ジシャガ(自動車学校)」の真裏に当たり、付近の県道には看板が立っているものの、路地からちょっと入ったところに位置しているため、結構わかりにくいロケーションです。青森県の公衆浴場には宿泊できる施設が多いのですが、こちらでも宿泊利用が可能なんだそうです。
玄関には料金改定のお知らせが掲示されており、そこには、平成20年に300円へ値下げしたものの、電気代などの高騰により、今年(平成25年)4月1日から350円へ戻った旨が記されていました。訪問したのは週末の昼下がりだというのに、駐車場には車が1~2台しかとまっておらず、しばらく来客が無かったのか、番台のおばちゃんもうたた寝していました。
畳表が張られた腰掛けを中央に据え置く脱衣室。コインロッカー(100円リターン式)は完備されていますが、ドライヤーは見当たらず。天井にはシーリングファンが取り付けられていますが、スイッチがどこにあるかわからず…。
全面タイル貼りの浴室には2つの温泉槽と1つの水風呂、2本の打たせ湯、そしてサウナが設けられています。
まずは温泉槽から見て行きましょう。コーヒーのような色をした濃い黒湯が張られた浴槽は大小に二分されており、両者の仕切り上にある湯口から双方へ向けてお湯が注がれています。手前側の大きな浴槽は8~10人サイズで、一般的な深さと42℃前後の湯加減である一方、奥側の小さな浴槽は4~5人サイズで大きな浴槽よりちょっと熱く、立って入っても臍下まで浸かるほどの深さがあります。湯口では双方とも同じ熱さでしたので、湯船の表面積によって温度に差が生まれているのでしょう。両浴槽の縁からしっかりとオーバーフローしていますが、特に小浴槽からの溢れ出しが多いようです。言わずもがな完全掛け流しです。
大きな槽の手前側には2本の打たせ湯が室内に音を轟かせています。もちろんここで落とされているお湯も源泉使用。
浪岡界隈ではモール系の黒湯が湧出していますが、婆娑羅温泉はその典型。青森県のみならず東北では屈指の濃さを有する黒湯であり、浴槽の底が全く見えないほど黒く、湯船に浸かると恰もコーヒーの中に入っているかのような気分です。お湯からはモール的な風味が感じられ、清涼感のある苦味や臭素臭も得られます。モール泉らしいツルツルスベスベな浴感と、湯上りのサッパリとした爽快感は、この手のお湯ならではの素晴らしいものがあります。
温泉のみならず、サウナの横にある水風呂も秀逸。明らかに普通の水とは異なっており、見た目は薄い黄緑色を帯びつつ白っぽく濁り、金気が強く、土気の味や匂いも伴っています。金気の影響で槽の縁は茜色にコーティングされ、オーバーフローの流路の床は橙色に着色しています。この水風呂が実に爽快。黒湯の温泉槽と金気の強いこの冷鉱泉を何度も往復してしまいました。
水風呂の蛇口は、鉱泉中の金気の影響なのか、うっすら真鍮鍍金が施されているように、金色に輝いていました。館内に掲示されている温泉分析表は黒湯に関するもののみですが、この水風呂の鉱泉も分析したら面白いデータが出てきそうですね。
最後になりましたが、洗い場に関しては、隣の浴室との仕切り塀に沿って水栓が11箇所、浴室中央の島に7箇所、計18箇所設けられており、いずれも青森県の公衆浴場ではおなじみの古典的な押しバネ式水栓および固定式シャワーが採用されています。お湯の水栓からは黒湯が、水の水栓からは金気の強い冷鉱泉が吐出されました。
東北屈指の黒湯と、金気たっぷりで爽快な水風呂が堪能できる、とっても素敵な温泉銭湯です。
浪岡温泉
単純温泉 43.2℃ pH7.8 湧出量146L/min(動力揚湯) 溶存物質0.639g/kg 成分総計0.639g/kg
Na+:161.5mg(96.04mval%),
Cl-:90.4mg(33.82mval%), Br-:0.2mg, I-:0.1mg HCO3-:189.2mg(41.11mval%), CO3--:48.0mg(21.22mval%),
H2SiO3:126.5mg,
奥羽本線・浪岡駅より徒歩25分(約2.0km)、もしくは同駅より青森市浪岡地区コミュニティバスの王余魚沢線(1日3往復)で「中世の館前」下車、徒歩5分(450m)
青森県青森市浪岡大字浪岡字林本65 地図
0172-69-1380
※残念ながら婆娑羅温泉は2014年1月5日を以て閉館しました。
8:00~22:00
350円
ロッカー(100円リターン式)あり、他備品類なし(石鹸等販売あり)
私の好み:★★★