連日の猛暑で発狂しそうな今日このごろ。お盆休み期間は避暑や諸々の用事のために東北へ向かったものの、東北各地も毎日30℃を超える真夏日が続いており、どうやら本州を水平方向に動いていたのでは、日本を襲う暑さから逃げられそうにない。ならば垂直方向に動いてみよう。せっかくだから、高山植物の花が綺麗なところを目指してみよう。そう思い立ち、涼を求め、花々を愛でるべく目指したのが、福島県桧枝岐村の会津駒ヶ岳である。
前日のうちにコンビニ(※1)でおにぎりや飲み物などを調達しておき、その日の深夜に桧枝岐村へ到着。国道沿いにある観光客用の駐車場に車を止め、車内で仮眠をとって夜を明かし、早朝5時前に目を覚ます。前日買ったコンビニの弁当を腹へ掻き込み、トイレを済ませ、車を動かして滝沢登山口そばの駐車場へと移動させる。大型休暇なので混雑を予想していたが、先に駐車場にとまっていた車は20台弱ほどで、ギリギリで最上部の駐車帯を利用することができた(※2)。
【5:27 滝沢登山口(山頂まで5.3km) 登山スタート】
車をとめたところから2分も歩かないで、登山道のスタート地点となる階段に到着。登山届のポストもある。
気温は18℃でちょっと肌寒い。階段を登りきった後には、まだ完全に目覚めていない体のウォーミングアップを許してくれないような急坂が続く。
【5:34 山頂まで4.7km地点】
このように、登山道にはこまめに距離標が立っている。ありがたい。
【5:45 黒い看板の前を通過】
ブナの林の中を急な登りが続く。この黒い看板は「この付近は尾瀬岳国有林です(略)森林を愛しましょう(略)樹林を大切にしましょう」といったマナーの啓発を呼びかけているもの。
勾配こそ急だが、利用者が多く、良く整備された道なので、登山の技術的な心配は無用。ブナの葉を透ける朝の陽光が美しい。
【6:00 山頂まで4.1km地点】
早くも先に登っていた方々を4名ほど追い抜かす。
【6:15 山頂まで3.7km地点】
さっきから黄と黒の縞模様の虫がブンブン私の周りをつきまとうように飛び回っている。その模様から「スズメバチが哨戒飛行でもしているのか」と勘違いしてちょっと怖かったが、羽音(うるさい)や飛び方(ホバリングできずにひたすらグルグル飛び回る)、そして頭の格好から判断するに、明らかにアカウシアブであることがわかったので、鬱陶しいが相手にしないで先へ進む。ハチは怖いが、アブなら噛まれたって痛痒いだけで大したことはない。
【6:33 山頂まで3.2km地点】
私をストーキングするアブの数が増えてきたので、北海道みやげで買ったハッカ油を取り出し、体や帽子などに振りまいたら、効果覿面、根性なしのアブは退散していきやがった。やっぱりハッカ油のパワーはすごいな。
【6:38 山頂まで2.9km地点】
ここが山頂までのほぼ中間点。急な登りはここまで。この先も登りは続くが、勾配は徐々に緩やかになってゆく。ここはちょっとした広場になっており、また3~4分ほど枝道を下りた先には水場もあるが、まだ喉が渇いていなかったので水場はパスし、休憩をすることもなく、先を急いだ。
【6:48 山頂まで2.7km地点】
画像の右側で木の距離標が姿をのぞかせている。ここまでで先を行く10人を追い抜く。なんだか今日は調子が良いぞ。植生がブナからコメツガへと変化してゆく。
日当たりの悪い箇所は軽い泥濘になっているが、かなり傷んでいるものの木道が敷設されており、その上を歩けば靴をドロドロにすることはない。この登山道は全区間に及んで要注意な箇所は無いと言って差し支えないだろう。木々の間からは、いまから目指す稜線が望めた。
【6:54 工事区間】
登山道の一部区間は現在整備工事中。木枠のような形状のステップを設置していた。木枠の上を飛ぶようにして先へ進む。
整備区間の上の方は既に完成しており、木枠の中に石を詰めてガッチリとしたステップが出来上がっていた。
【7:03 山頂まで2.2km地点】
工事区間も終了。再び土の道に戻る。このあたりは勾配も緩やか。
大分登ってきたのか、眺めも良くなってきた。画像左(上)は北東方向を望む。画像右(下)はこの先進む予定の稜線。なんて美麗なラインなのだろう…。
【7:15 山頂まで1.7km地点】
相変わらずアブがうるさい。ハッカ油を忌避して肌にとまることはないものの、私のまわりをブンブン飛び回り続けている。頭にきたので、首に巻いていたタオルを振り回し、いつも無理難題ばかりを要求してくる憎たらしいクライアントの名前を口にしながら、2匹ほど退治してやった。
コメツガ林の間を抜ける木道。遠方には「駒ノ小屋」も見えてきた。この辺りでは息が切れることもなく、足取りも軽快だ。
【7:27 山頂まで1.2km地点】
この辺りから湿原が点在しはじめる。山頂まで1.2km地点にはベンチがあり、山頂方向の見晴らしも良いので、休憩にはもってこい。でも足を運ぶ良いリズムができていたので、ここでも休まずに先へ進む。
高山植物の可憐な花が咲き乱れる湿原を貫く爽快な木道。道の両サイドに点在する池塘は、コバルトブルーの夏空を鮮やかに映していた。
左の白い花はイワショウブ。右の黄色い花はキンコウカ。
キンコウカはちょうど見頃。
画像左(上)はコバイケイソウで、画像右(下)は右はイワイチョウ。
山頂まで1kmを切る辺りからコバイケイソウの群生が非常に目立つようになる。今年はコバイケイソウの当たり年らしく、白い花が辺り一面を覆い尽くさんがばかりに繁茂していた。
あの坂を登れば駒ノ小屋だ。振り返ると、池塘の向こうに燧ヶ岳が聳えている。
【7:45 山頂まで0.7km地点 駒の小屋前】
駒の池の畔にある分岐点が山頂まで0.7km地点であり、すぐ目の前に「駒ノ小屋」が建っているが、いまはまだ用事が無く、また休憩するほど疲れてもいないので、屋根を一瞥するに留めて山頂を目指した。ここまで無休憩・無給水で登ってきているから、このまま山頂まで行ってしまおう!
後編につづく…
日程:2013年8月18日(日)(日帰り)
人数:単独行
天候:晴れのち曇り
持ち物:日帰り登山の一般的な持ち物
ルート:滝沢登山口~駒の小屋~会津駒ヶ岳~中門岳(ピストン)
人数:単独行
天候:晴れのち曇り
持ち物:日帰り登山の一般的な持ち物
ルート:滝沢登山口~駒の小屋~会津駒ヶ岳~中門岳(ピストン)
前日のうちにコンビニ(※1)でおにぎりや飲み物などを調達しておき、その日の深夜に桧枝岐村へ到着。国道沿いにある観光客用の駐車場に車を止め、車内で仮眠をとって夜を明かし、早朝5時前に目を覚ます。前日買ったコンビニの弁当を腹へ掻き込み、トイレを済ませ、車を動かして滝沢登山口そばの駐車場へと移動させる。大型休暇なので混雑を予想していたが、先に駐車場にとまっていた車は20台弱ほどで、ギリギリで最上部の駐車帯を利用することができた(※2)。
(※1)桧枝岐村にはコンビニが無く、その手前の南会津町域でもそれらしき店は期待できない。コンビニでの買い物は会津田島などかなり手前で準備しておく必要あり。
(※2)国道から登山口までの路肩に駐車スペースが点在しており、立て看板によれば合計で100台分のスペースがあるそうだが、先着順で登山口に近い上の方から埋まってゆくので、遅くなればなるほど登山口から離れていってしまうことになる。
(※2)国道から登山口までの路肩に駐車スペースが点在しており、立て看板によれば合計で100台分のスペースがあるそうだが、先着順で登山口に近い上の方から埋まってゆくので、遅くなればなるほど登山口から離れていってしまうことになる。
【5:27 滝沢登山口(山頂まで5.3km) 登山スタート】
車をとめたところから2分も歩かないで、登山道のスタート地点となる階段に到着。登山届のポストもある。
気温は18℃でちょっと肌寒い。階段を登りきった後には、まだ完全に目覚めていない体のウォーミングアップを許してくれないような急坂が続く。
【5:34 山頂まで4.7km地点】
このように、登山道にはこまめに距離標が立っている。ありがたい。
【5:45 黒い看板の前を通過】
ブナの林の中を急な登りが続く。この黒い看板は「この付近は尾瀬岳国有林です(略)森林を愛しましょう(略)樹林を大切にしましょう」といったマナーの啓発を呼びかけているもの。
勾配こそ急だが、利用者が多く、良く整備された道なので、登山の技術的な心配は無用。ブナの葉を透ける朝の陽光が美しい。
【6:00 山頂まで4.1km地点】
早くも先に登っていた方々を4名ほど追い抜かす。
【6:15 山頂まで3.7km地点】
さっきから黄と黒の縞模様の虫がブンブン私の周りをつきまとうように飛び回っている。その模様から「スズメバチが哨戒飛行でもしているのか」と勘違いしてちょっと怖かったが、羽音(うるさい)や飛び方(ホバリングできずにひたすらグルグル飛び回る)、そして頭の格好から判断するに、明らかにアカウシアブであることがわかったので、鬱陶しいが相手にしないで先へ進む。ハチは怖いが、アブなら噛まれたって痛痒いだけで大したことはない。
【6:33 山頂まで3.2km地点】
私をストーキングするアブの数が増えてきたので、北海道みやげで買ったハッカ油を取り出し、体や帽子などに振りまいたら、効果覿面、根性なしのアブは退散していきやがった。やっぱりハッカ油のパワーはすごいな。
【6:38 山頂まで2.9km地点】
ここが山頂までのほぼ中間点。急な登りはここまで。この先も登りは続くが、勾配は徐々に緩やかになってゆく。ここはちょっとした広場になっており、また3~4分ほど枝道を下りた先には水場もあるが、まだ喉が渇いていなかったので水場はパスし、休憩をすることもなく、先を急いだ。
【6:48 山頂まで2.7km地点】
画像の右側で木の距離標が姿をのぞかせている。ここまでで先を行く10人を追い抜く。なんだか今日は調子が良いぞ。植生がブナからコメツガへと変化してゆく。
日当たりの悪い箇所は軽い泥濘になっているが、かなり傷んでいるものの木道が敷設されており、その上を歩けば靴をドロドロにすることはない。この登山道は全区間に及んで要注意な箇所は無いと言って差し支えないだろう。木々の間からは、いまから目指す稜線が望めた。
【6:54 工事区間】
登山道の一部区間は現在整備工事中。木枠のような形状のステップを設置していた。木枠の上を飛ぶようにして先へ進む。
整備区間の上の方は既に完成しており、木枠の中に石を詰めてガッチリとしたステップが出来上がっていた。
【7:03 山頂まで2.2km地点】
工事区間も終了。再び土の道に戻る。このあたりは勾配も緩やか。
大分登ってきたのか、眺めも良くなってきた。画像左(上)は北東方向を望む。画像右(下)はこの先進む予定の稜線。なんて美麗なラインなのだろう…。
【7:15 山頂まで1.7km地点】
相変わらずアブがうるさい。ハッカ油を忌避して肌にとまることはないものの、私のまわりをブンブン飛び回り続けている。頭にきたので、首に巻いていたタオルを振り回し、いつも無理難題ばかりを要求してくる憎たらしいクライアントの名前を口にしながら、2匹ほど退治してやった。
コメツガ林の間を抜ける木道。遠方には「駒ノ小屋」も見えてきた。この辺りでは息が切れることもなく、足取りも軽快だ。
【7:27 山頂まで1.2km地点】
この辺りから湿原が点在しはじめる。山頂まで1.2km地点にはベンチがあり、山頂方向の見晴らしも良いので、休憩にはもってこい。でも足を運ぶ良いリズムができていたので、ここでも休まずに先へ進む。
高山植物の可憐な花が咲き乱れる湿原を貫く爽快な木道。道の両サイドに点在する池塘は、コバルトブルーの夏空を鮮やかに映していた。
左の白い花はイワショウブ。右の黄色い花はキンコウカ。
キンコウカはちょうど見頃。
画像左(上)はコバイケイソウで、画像右(下)は右はイワイチョウ。
山頂まで1kmを切る辺りからコバイケイソウの群生が非常に目立つようになる。今年はコバイケイソウの当たり年らしく、白い花が辺り一面を覆い尽くさんがばかりに繁茂していた。
あの坂を登れば駒ノ小屋だ。振り返ると、池塘の向こうに燧ヶ岳が聳えている。
【7:45 山頂まで0.7km地点 駒の小屋前】
駒の池の畔にある分岐点が山頂まで0.7km地点であり、すぐ目の前に「駒ノ小屋」が建っているが、いまはまだ用事が無く、また休憩するほど疲れてもいないので、屋根を一瞥するに留めて山頂を目指した。ここまで無休憩・無給水で登ってきているから、このまま山頂まで行ってしまおう!
後編につづく…