温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

下の岱温泉 やまの湯っこ 2013年8月再訪

2013年10月13日 | 秋田県
 
東北どころか日本屈指のヌルヌル湯と言っても過言ではない、秋田県下の岱温泉の「やまの湯っこ」へ先日再訪してまいりました。なお拙ブログでは以前にもこちらの温泉を取り上げておりま(その時の記事はこちらをご覧ください)。


 
裏手の山では白い蒸気が立ち上っています。地熱資源が豊富なこの一帯には、東北電力の上の岱地熱発電所や泥湯温泉・川原毛大湯滝など、地熱の恵みを象徴するような名所や施設が点在しております。



駐車場にはデカい仏像が屹立していました。以前訪問した時にはこんな仏様あったかな?


 
この宿でもロビーでおばちゃん向けの衣類が販売されており、その傍らで熊の剥製がこちらに睨みをきかせていました。何ともシュールな取り合わせだこと。女将さんに料金を支払ってから浴室へ。



浴室は以前のまんまで何らの変化も無く安心しましたが、お盆休みだというのに他にお客さんの姿が見られず、お風呂を独占できて嬉しい反面、書き入れ時なのにお客さんがいなくて宿の経営は大丈夫なんだろうかという余計な心配も抱いてしまいました。



浴室の床には太い木をスライスしたようなものが敷き詰められており、年輪の皺がすべり止めとして機能していました。室内の様子は以前と変化がないと上述しましたが、くまなく見回しますとメンテナンスがやや疎かな感が否めず、経年劣化するに任せているような雰囲気で、洗い場に並ぶ水栓も錆びていて吐出圧力が弱く、お湯がなかなか出てきませんでした。


 
さすがにお湯を供給する耐熱ホースは以前とは別のものに交換されていましたが、そこから出てくるお湯は相変わらず激熱でして、温度計を突っ込んだら72.3℃という火傷必至な数値が計測されました。


 
湯船は大小に2分割されており、両方に対してアツアツのお湯が注がれているのですが、大きな方の湯船では表面積の広さゆえに自然冷却されるのか、加水せずに入浴できる44.7℃という湯加減でした。いや、熱いお湯に慣れていない一般の方でしたら、この温度でもとても熱くて入れないかもしれませんが、湯船の容量が大きいため、水道のホースを突っ込んで懸命に加水してもなかなか温度が下がりません。


 
一方、小さな方の湯船は45.3℃であり、こちらも熱いお湯に慣れていれば歯を食いしばって入ることができますが、一般の方にはおすすめできない温度ですね。大小双方の湯船にお湯を注ぐホースは同じ配管から分配されているので、温度の違いは湯船の表面積の違いによるものかと思われます。

お湯はごく僅かに白く濁って見え、底には膜が千切れたような薄い灰白色で少々茶色掛かっている湯の華が沈殿しており、私が湯船に入るとその沈殿は一気に舞い上がりますが、湯の華自体が重いのか、浮遊し続けることはなく、やがて再び沈殿してしまいます。またお湯からは茹で卵の卵黄的な味や匂いが感じられます。このお湯で特筆すべきはウナギ湯と称したくなるほどの強いヌルヌル感であり、その強さは宮城県の中山平温泉にも匹敵し、湯中で肌を擦るとそのヌルヌル感がはっきりと伝わります。
アルカリ性・タマゴ感・ヌルヌル感という3要素を兼ね備えた温泉といえば、アイスランドの市街に供給されている温泉を思い出します。その温泉の多くは蒸気造成泉であり、当地の温泉も同様ですから、特徴のみならずお湯の成り立ちまでもソックリなんですね。
熱くて長湯できないお湯ですが、ヌルヌル浴感が病み付きになってしまい、途中で何度も水を浴びてクールダウンしながら、独特の感触を楽しみました。熱いお湯ですが湯上がりは余計な熱が篭ることはなく、程よく粗熱が抜けてくれますし、高アルカリ性ゆえに皮脂をしっかり落としてくれますから、美人の湯のようなさっぱり爽快感もちゃんと得られます。個人的にはかなり好みなタイプの温泉です。


アルカリ性単純泉
(温泉分析表の掲示なし)

秋田県湯沢市高松下ノ岱48  地図
0183-79-3245

日帰り入浴9:00~16:00
300円
シャンプーあり(ドライヤー・ロッカーは無し)

私の好み:★★★
コメント (15)
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