温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

つがる市木造 家族風呂やっぱりいい湯だな

2013年10月18日 | 青森県
 
温泉めぐりをしていると、しばしば他者を気にせず一人でゆっくりと湯浴みしたくなる衝動に駆られます。つがる市木造の中心部に近い場所で営業している温泉銭湯「あずましの里温泉 いい湯だな」は、大きな浴室の公衆浴場の他、別棟にある個室貸切の「家族風呂やっぱりいい湯だな」も併設されているので、今回はその家族風呂へ一人で利用することにしました。まずは公衆浴場の番台に出向いて受付を済ませます。



公衆浴場の左側にはカラフルに塗り分けられた個室の貸切風呂が並んでいます。
貸切風呂と棟続きでコインランドリーが営業しているのですが・・・



2011年時点でそのコインランドリーは「洗っていいとも」と名乗っていました。潔いほど思いっきり某長寿番組のロゴをパクってますね。私個人としては子供の頃に夢中になったファミコンソフト「さんまの名探偵」を思い出してしまいます。ちなみに、フジテレビ系がネットされていない青森県において、パクリ元のテレビ番組は夕方16:45からTBS系列の局で放送されていますが、冬になればもう薄暗い時間帯ですから、ちっとも「お昼休みはウキウキウォッチング」なんて言っている場合じゃないんですよね。なお現在コインランドリーからそのロゴは消されています。


 
さて話を本題に戻しましょう。今回番台で私に宛てがわれた個室は、コインランドリーの隣に位置するA室でした。番台で室名が書かれた札をもらい、その個室へと向かいます。


 
部屋に入ると、場末のスナックというか一昔前のカラオケボックスというか、将又ちょっと古いラブホテルというべきか、いわゆるその手の施設でよく漂っているような臭いが室内に充満していました。個室自体はちゃんと清掃されており、テレビも備え付けられていて、複数人で利用しても問題ないような広さを有しているのですが、なぜかカラオケ装置まで用意されており、果たして短時間の利用で風呂に入ってカラオケまで歌う客っているのか、私にはよくわかりません。なお室内にはエアコンがありますし、トイレも完備です。



入室とともに自動精算機が稼働し、時間のカウントが始まります。料金は後払い制で、退室時に機械で精算します。このマシーンって、まさにラブホで多く導入されているものですね。というかラブホ以外では見たこと無いぞ。温泉施設でお目にかかるとは思いませんでした。ここは大釈迦(青森屈指のラブホ集積エリア)なのか? いや木造だよな。もしこの貸切風呂をご夫婦で利用した際、ご主人が妙にこの機械の操作に慣れていたら、その段階で奥さんはご主人の不倫を疑った方がよろしいかと思いますよ。


 
入浴ゾーンも広いスペースが確保されており、室内へ入った途端に津軽平野の温泉でよくみられる臭素臭が香ってきました。室内にはなぜか浴槽が2つ据え付けられているのですが、両浴槽の間にはパーテーションがあり、サッシのレールらしきものも残っていますので、その造りから察するに、元々は片方が露天風呂だったのか、あるいはそのようにする構想があったものと思われます。浴室の窓直下に玉砂利が敷かれているのも、そこを坪庭っぽくするためだったのでしょう。



洗い場にはシャワー付き混合水栓が1基設置されており、お湯は源泉が出てきます。


 
手前側の浴槽は、縁は御影石貼りで槽内はタイル貼りです。貸切風呂には、利用の度にお湯を張り替えるタイプと、常時お湯を張りっぱなしにするタイプがありますが、こちらは後者となっており、温泉成分の付着によって白く覆われた水栓より源泉が絶え間なく注がれ、常時浴槽よりお湯がオーバーフローしています。


 
奥側の浴槽も手前側とほぼ同じ形状および大きさとなっており、横に配置していたものを縦に変えたような感じで据え付けられていました。手前側の浴槽はお湯・水ともにコックがあるので、利用者が各自で湯加減を調整することができますが、こちらの湯口では調整ができず、源泉がひたすらストレートに注がれるだけとなっていました。

お湯はちょっぴり緑色を帯びているように見える黄褐色の透明で、湯面はもちろん湯口からも明瞭にカーボンのようなアブラ臭や津軽平野の温泉らしい臭素臭が漂ってきます。お湯を口にするとしょっぱく、出汁味も効いており、それでいて僅かなほろ苦さも具有していました。入浴中はツルスベ浴感が気持ち良いのですが、湯上がりには食塩泉のパワーが発揮されて強力に火照り、汗がなかなか引きません。

1時間で平日なら1400円、土日なら1600円という料金設定ですから、それこそ3~4人かそれ以上で利用すればコストパフォーマンス的にも文句はないかと思いますが、さすがに今回の私のように一人で利用するにはちょっとお値段が高すぎるかもしれません。またこの料金でありながらお風呂にシャンプーやボディーソープが備え付けられていないのも残念です。
しかし、お湯の鮮度感やコンディションは公衆浴場より遥かに優っていますし、なにしろゆとりのあるお風呂で他人を気にせずゆっくりのんびり入浴できる贅沢って、なかなか得がたいものがありますので、もしお財布に余裕があるとき、あるいは複数人で他人を気にせずお風呂に入りたい時にはもってこいですね。


藤田源泉(再分析)
ナトリウム-塩化物温泉 59.5℃ pH7.51 湧出量測定不可(動力揚湯) 溶存物質10.23g/kg 成分総計10.28g/kg
Na+:3425mg(96.07mval%),
Cl-:4863mg(84.48mval%), Br-:18.7mg, I-:1.5mg, HCO3-:1424mg(14.37mval%),
H2SiO3:151.4mg, HBO2:75.2mg, CO2:54.6mg,

五能線・木造駅より徒歩20分(1.7km)、もしくは五所川原駅より弘南バスの鰺ヶ沢線・出来島線・南広森線・稲垣線で「木造青銀前」バス停下車徒歩7分(550m)
青森県つがる市木造藤田28  地図
0173-42-3232

平日12:00~21:00(受付終了)・1400円/1時間(以降30分延長で700円)
土日10:30~21:00(受付終了)・1600円/1時間(以降30分延長で800円)
ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
コメント
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