※残念ながら閉館しました。
※箱根山の火山活動活発化に伴い、大涌谷からの温泉供給がまだ完全復旧していない影響なのか、2015年12月現在で長期休業中のようです。本記事の内容は2015年6月時点のものです。
前回記事に引き続き、大涌谷の造成泉を引いている温泉入浴施設を巡ります。前回取り上げた「いこいの家」は、基本的に箱根町民の公共福祉を目的としたお風呂であるために内湯のみの実用的な造りでしたが、今回訪れる「南甫園」は民間の日帰り入浴専門施設であり、露天風呂もありますので、箱根で手軽に濁り湯の露天風呂を楽しみたいときにはもってこい。
一見すると宿泊施設のようであり、おそらく以前は宿泊業(あるいは保養施設)だったのかと思いますが、現在は日帰り入浴のみとなっており、私が訪れた時点では食堂営業も休業していました。
玄関入って右に折れた先にある小さな受付で料金を支払い、さらに奥にある下足場で靴を脱いで、廊下を歩いて男女別の浴室へと向かいます。途中には有料の休憩室があったのですが、今回は利用しておりません。館内にはひと昔前の旅館のような空気感が漂っており、貼りっぱなしで放置されている手書きの各種張り紙が、余計に哀愁を醸し出していました。
時代錯誤感のある廊下とは対照的に、脱衣室は広々しており、庭園に面した窓から燦々と降り注ぐ陽光のおかげでとっても明るく、使い勝手も良好です。
内湯はワインレッドの御影石を多用した造りで、洗い場にはシャワー付きカランが5基並んでいました。
内湯のお湯は真湯の循環沸かし湯であり、しっかり消毒されているため、室内には塩素臭が充満していました。浴槽自体はU字型で、最も長い部分で3.5m×2m弱。窓側ではジェットバス装置が稼働しており、ちょっと騒々しいかも。
大涌谷の濁り湯が張られているのは、池を擁する日本庭園に臨む露天風呂です。庭に面する軒先に岩風呂を設けたような感じで、キャパとしては7~8人サイズ。浴室の建物と庭の灌木に挟まれた環境は決して広くなく、むし若干の狭さすら覚えますが・・・
庭木の間からは池が覗け、大きな石灯籠も配置されており、開けっぴろげな露天風呂が少ない箱根では、なかなかの開放感が味わえます。私の入浴時、池の石灯籠の上にはカモが載っかってこちらの様子を窺っていました。
岩の隙間から顔を覗かせる塩ビの配管より熱めのお湯がチョロチョロと注がれており、湯船はまるでセメントを溶かしたかのような明るいグレーに濃く濁っていました。透明度は10cm程度であり、槽内の様子は全く目視できません。館内表示によれば加温加水循環消毒の無い放流式の湯使いとのことですが、浴槽縁からの溢れ出しは見当たらなかったので、槽内に排水口があるのかもしれません。
また浴槽の大きさに対してお湯の投入量は少ないように思われ、その影響なのか湯船では40℃前後の長湯仕様の湯加減となっていましたが、正直なところお湯の鮮度感が落ちているように感じられ、この投入量では週末の混雑時にはお湯の鮮度がますます鈍ってしまうのではないかと、余計な心配をしたくなりました。
湯口のお湯を口に含んでみますと、柑橘類を思わせるフルーティーな収斂酸味と弱い鉄味、渋味、そしてほんのりとした甘みが感じられ、湯面からは酸っぱい匂いのほか、刺激を伴う硫化水素臭、そして軟式テニスボールのようなゴム臭が漂っていました。湯船に入った瞬間は酸性泉らしいピリッとくる感覚があり、その後は弱いヌメリとシットリ感が全身にまとわりついてきました。また、ぬるめながらも硫黄の血管拡張効果のおかげか、湯上りはしっかりと温まり、長い時間にわたって全身のホコホコが続きました。箱根らしい料金設定がちょっと気になりますが、五感を通じて大涌谷のお湯らしい特徴がしっかりと伝わってくる、味わい深いお風呂でした。
大涌谷温泉 蒸気造成混合泉2号泉(仙石原方面)
酸性-カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉 64.1℃ pH2.0 成分総計1.148g/kg
H+:10.1mg, Na+:36.4mg, Mg++:32.9mg, Ca++:91.9mg, Fe++:7.70mg, Al+++;12.4mg,
Cl-:236mg, HSO4-:147mg, SO4--:440mg,
H2SiO3:120mg, H2SO4:3.53mg, H2S:0.38mg,
(平成21年8月14日)
加水・加温・循環・消毒なし(露天風呂)
(内湯は真湯の循環)
箱根登山バスの桃源台線で「仙郷楼前」下車、徒歩1分
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原934 地図
0460-84-8591
※残念ながら閉館しました
平日12:00~19:00、土日祝10:00~19:00(各曜日とも最終受付18:00)、水曜定休、ただし冬季(1月~3月中旬)は水・木・金定休
1000円
ロッカー(有料100円)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★
前回記事に引き続き、大涌谷の造成泉を引いている温泉入浴施設を巡ります。前回取り上げた「いこいの家」は、基本的に箱根町民の公共福祉を目的としたお風呂であるために内湯のみの実用的な造りでしたが、今回訪れる「南甫園」は民間の日帰り入浴専門施設であり、露天風呂もありますので、箱根で手軽に濁り湯の露天風呂を楽しみたいときにはもってこい。
一見すると宿泊施設のようであり、おそらく以前は宿泊業(あるいは保養施設)だったのかと思いますが、現在は日帰り入浴のみとなっており、私が訪れた時点では食堂営業も休業していました。
玄関入って右に折れた先にある小さな受付で料金を支払い、さらに奥にある下足場で靴を脱いで、廊下を歩いて男女別の浴室へと向かいます。途中には有料の休憩室があったのですが、今回は利用しておりません。館内にはひと昔前の旅館のような空気感が漂っており、貼りっぱなしで放置されている手書きの各種張り紙が、余計に哀愁を醸し出していました。
時代錯誤感のある廊下とは対照的に、脱衣室は広々しており、庭園に面した窓から燦々と降り注ぐ陽光のおかげでとっても明るく、使い勝手も良好です。
内湯はワインレッドの御影石を多用した造りで、洗い場にはシャワー付きカランが5基並んでいました。
内湯のお湯は真湯の循環沸かし湯であり、しっかり消毒されているため、室内には塩素臭が充満していました。浴槽自体はU字型で、最も長い部分で3.5m×2m弱。窓側ではジェットバス装置が稼働しており、ちょっと騒々しいかも。
大涌谷の濁り湯が張られているのは、池を擁する日本庭園に臨む露天風呂です。庭に面する軒先に岩風呂を設けたような感じで、キャパとしては7~8人サイズ。浴室の建物と庭の灌木に挟まれた環境は決して広くなく、むし若干の狭さすら覚えますが・・・
庭木の間からは池が覗け、大きな石灯籠も配置されており、開けっぴろげな露天風呂が少ない箱根では、なかなかの開放感が味わえます。私の入浴時、池の石灯籠の上にはカモが載っかってこちらの様子を窺っていました。
岩の隙間から顔を覗かせる塩ビの配管より熱めのお湯がチョロチョロと注がれており、湯船はまるでセメントを溶かしたかのような明るいグレーに濃く濁っていました。透明度は10cm程度であり、槽内の様子は全く目視できません。館内表示によれば加温加水循環消毒の無い放流式の湯使いとのことですが、浴槽縁からの溢れ出しは見当たらなかったので、槽内に排水口があるのかもしれません。
また浴槽の大きさに対してお湯の投入量は少ないように思われ、その影響なのか湯船では40℃前後の長湯仕様の湯加減となっていましたが、正直なところお湯の鮮度感が落ちているように感じられ、この投入量では週末の混雑時にはお湯の鮮度がますます鈍ってしまうのではないかと、余計な心配をしたくなりました。
湯口のお湯を口に含んでみますと、柑橘類を思わせるフルーティーな収斂酸味と弱い鉄味、渋味、そしてほんのりとした甘みが感じられ、湯面からは酸っぱい匂いのほか、刺激を伴う硫化水素臭、そして軟式テニスボールのようなゴム臭が漂っていました。湯船に入った瞬間は酸性泉らしいピリッとくる感覚があり、その後は弱いヌメリとシットリ感が全身にまとわりついてきました。また、ぬるめながらも硫黄の血管拡張効果のおかげか、湯上りはしっかりと温まり、長い時間にわたって全身のホコホコが続きました。箱根らしい料金設定がちょっと気になりますが、五感を通じて大涌谷のお湯らしい特徴がしっかりと伝わってくる、味わい深いお風呂でした。
大涌谷温泉 蒸気造成混合泉2号泉(仙石原方面)
酸性-カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉 64.1℃ pH2.0 成分総計1.148g/kg
H+:10.1mg, Na+:36.4mg, Mg++:32.9mg, Ca++:91.9mg, Fe++:7.70mg, Al+++;12.4mg,
Cl-:236mg, HSO4-:147mg, SO4--:440mg,
H2SiO3:120mg, H2SO4:3.53mg, H2S:0.38mg,
(平成21年8月14日)
加水・加温・循環・消毒なし(露天風呂)
(内湯は真湯の循環)
箱根登山バスの桃源台線で「仙郷楼前」下車、徒歩1分
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原934 地図
0460-84-8591
※残念ながら閉館しました
平日12:00~19:00、土日祝10:00~19:00(各曜日とも最終受付18:00)、水曜定休、ただし冬季(1月~3月中旬)は水・木・金定休
1000円
ロッカー(有料100円)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★