温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

日奈久温泉 東湯

2016年01月23日 | 熊本県

前回記事に引き続き日奈久温泉の入浴施設を巡ります。今回は温泉街から東へ外れた住宅街の中に佇む公衆浴場「東湯」を取り上げます。浴場名の袖看板以外は自己主張を控えめにしている地味な建物を目にした時には、きっと小さな施設なんだろうなと想像したのですが、男女別に分かれた玄関を入ってみますと…



館内は意外にも広く、昭和の懐かしい面影を残す脱衣室は街中の銭湯そのもので、昭和の人間としては何となく心が和みました。男湯の場合は浴室に向かって左側に棚が並び、右側にドライヤーや扇風機、そして昔ながらのばね式体重計など各種備品が用意されています。番台のおばちゃんに湯銭を直接支払いますと、おばちゃんは明るく朗らかに挨拶してくれました。


 
脱衣室の中央にはゴザが敷かれ、その上には腰掛けが置かれているのですが、そこに貼られている注意書きによれば、この腰掛けは「ばんこ」と称するんだそうです。ご当地の方言なのでしょうね。


 
浴室も実用本位な銭湯らしい造りで、タイル張りの室内には大きな浴槽が一つ、そして壁に沿って洗い場が列をなして配置されています。天井が高くて換気状態も良好ですから、湯気篭りが無くて快適な環境でした。


 
洗い場は左右両側の壁に分かれて配置されており、計10基のシャワー付きカランが並んでいました。



洗い場の上に掲示されている「いで湯は郷土のほこり お互に大切に利用しましょう」という標語が微笑ましいのですが、そんな郷土の誇りを毎日浴びることができる地元の方に羨望の念を抱いてしまいした。


 
浴槽の寸法は測り忘れてしまいましたが、少なくとも12~3人は同時に入れそうな容量があり、縁は淡い桃色の人研ぎ石で、槽内は紺色のタイル張りです。底面には穴のあいたステンレス蓋が敷かれていましたが、泡風呂装置が稼働しているわけでもなく、吸い込みなどが行われているわけでもないので、清掃時にお湯を抜くための排水口を塞ぐ単なる蓋なのかと思われます。
凝灰岩の石材で作られた湯口からお湯がドバドバ大量に注がれており、浴槽の縁や切り欠けなどから惜しげも無く溢れ出ていました。こちらに引かれているお湯は協同組合管理の混合泉。無色透明で綺麗に澄んでおり、ほぼ無味無臭、サラッとしていてクセがない、サッパリ系で優しい肌触りの浴感です。ご当地の誇りであるクリアに澄んだお湯を、掛け流し且つ廉価で堪能できる、地域の生活に密着した素敵なお風呂でした。


日奈久温泉旅館協同組合混合泉
単純温泉 43.9℃ pH8.03 溶存物質909.2mg/kg 成分総計913.6mg/kg
Na+:270.6mg(91.10mval%), Ca++:17.7mg(6.89mval%),
Cl-:328.4mg(71.45mval%), HCO3-:213.8mg(27.01mval%),
H2SiO3:58.0mg,
(平成10年6月9日)

日奈久温泉駅より徒歩10分弱(約700m)
熊本県八代市日奈久浜町232  地図
日奈久温泉「ばんぺい湯」公式サイト内にて「東湯」も紹介されています。

6:00~10:00, 14:00~22:00
200円
ドライヤー(有料10円)・ロッカーあり

私の好み:★★
コメント (2)
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