「しのはらホテル浜膳」は、その名前からわかるように前回記事で取り上げた「浜膳旅館」の姉妹館であり、「浜膳旅館」に宿泊するとこちらのお宿でも入浴できるので、夕食後に一息ついたところで、伺ってみることにしました。単に姉妹館だから利用できるという理由の他、「浜膳旅館」には大浴場やサウナがありませんので、これらの設備を希望するお客さんのための、補完施設としての役割も果たしているのでしょう。こちらは「浜膳旅館」よりもリーズナブルに宿泊でき、外観はどちらかといえば古くて地味な感じですが…
夜になればそれなりの雰囲気が醸し出されていました。リーズナブルなお宿とはいえ、スタッフの方の対応はとて丁寧であり、入浴したい旨を申し上げますと、笑顔で親切に案内してくださいました。
エレベーターで大浴場がある5階へ上がり、貴重品をロッカーに預けて、男女別の浴室へ。
脱衣室はコンパクトですが綺麗にされており、湯上り後のクールダウンに役立つ扇風機の他、水分補給のため冷水サーバも用意されていました。こうした細かな配慮が嬉しいですね。
浴室は海側を向いており、しかも5階ですから、見晴らし良好…と言いたいところですが、私が利用したのは夜でしたから、海が望めるはずもなく、ささやかに輝く温泉街の夜景を見下ろすばかりでした。でもガラス窓が手前側へ傾斜しているため、夜間でも室内の照明の反射に邪魔されることなく夜景を楽しむことができました。もちろん昼間はさそがし気持ちの良い眺望が楽しめることでしょう。
浴室の右側に主浴槽が据えられ、左右両側に洗い場(シャワー付きカラン計5基)が配置されています。また主浴槽や洗い場がある一角の左隣には、サウナと水風呂が設けられている区画もあり、主浴槽の区画とサウナの区画の間を隔てるように機械室のような扉があったので、その構造から推測するに、両区画は元々別の浴室だったのかもしれません。
主浴槽は目測で3.5m×1.8m。槽内には肌触りの良い緑色凝灰岩質の石材が用いられています。そして石積みの壁に設けられた湯口からお湯が滝のようにドボドボと音を響かせながら落とされており、浴槽の縁から惜しげなく溢れ出ていました。掛け流しの湯使いであり、投入量が多いために、お湯の鮮度感は良好です。温泉分析表は見当たらなかったのですが、スタッフの方に伺ったところ協同組合管理の混合泉を引いているとのこと。お湯は無色透明でほぼ無味無臭、くせのないサラスベの柔らかい浴感でした。
「浜膳旅館」の各客室に付設されているプライベート感の強い小さいお風呂も良いのですが、こうした大きなお風呂でザコザコ大量掛け流しのお湯を楽しむこともやっぱり良いですね。姉妹館である2施設を利用することで、いろんなニーズに対応できる日奈久温泉の懐の深さを実感しました。
分析表見当たらず
肥薩オレンジ鉄道・日奈久温泉駅より徒歩10分(約800m)
熊本県八代市日奈久上西町335 地図
0965-38-0010
日奈久温泉旅館組合公式サイト内の紹介ページ
日帰り入浴時間要問い合わせ
500円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★+0.5