※今回の記事に温泉は登場しませんのであしからず
台湾中部の埔里滞在中は宿で自転車を借りて埔里の街や近郊を周遊してみました。ガイドブックではあまり詳しく取り上げられることのない街ですが、実際に巡ってみたら、実に魅力的で見所が満載、短期の滞在では全くまわりきれないほど観光ポイントが多い街でした。しかも街からちょっと離れたら、まるで絵画の世界に紛れこんだかのような麗しの田園風景が広がっており、風光明媚な景色の中でのんびり佇んでいたら、心の隅々まで洗われるようでした。
まずは台湾屈指の規模を誇る道教の廟「地母廟」へ行ってみます。
●地母廟
廟への参道にはいくつかの門を潜ります。これは大通りとの十字路に立っている一つ目の門。
二つ目の門は乾坤門。参道沿いにはマコモダケの田んぼが広がっています。
3つめの門が廟の核心エリアの入口に当たるもの。門前にはお供え用の造花などを売る屋台が並んでいました。平日の朝だからか、参拝客はまばらで、お店の人もやる気ゼロ。
門を潜った正面で頭を出しているのは九龍神。
山の斜面に建てられているためか、廟は多層的な構造になっており、すべてを巡ろうとするとかなりの階段を登り降りしないといけません。
さほど段を登らずとも参拝できるお宮。広場ではお兄さんが太極拳の真っ最中。
境内からは絶えず一定リズムで太鼓や鐘の音が響いてくるのですが、その太鼓をよく見てみると、なんと機械仕掛けで鳴らされていました。
神農殿。中華圏らしい鮮やかな色使いが印象的。
テラスからは埔里の街並みを俯瞰することもできました。展望もさることながら、廟の緑色した瓦屋根が独特な景観をつくりだしています。
●18度C巧克力工房(18℃チョコレート工房)
続いて台湾女子のハートを鷲掴みにしている18℃チョコレート工房(ホームページ)(台湾ナビ内記事)へ。おっさんのくせに甘いものに目が無い私は、ここを訪れることが楽しみで仕方ありませんでした。人気を集めている繁盛店らしく、この時も観光バスで来店する団体客や、何台かの車に分乗してやってきた大学生らしきグループが駐車場で思い思いにお店のスイーツを頬張っていました。こちらの主力商品は生チョコレートですが、ちょうど太陽が頭上で燦々と輝き始め、肌に汗が滲み始めてきた頃だったので、私はジェラートをいただくことに。
日本の店舗デザインや接客スタイルを取り入れているというこちらのお店は、スタッフの方も常に笑顔です。若いスタッフばかりなので片言の英語も大丈夫。ジェラートは甘さ控えめで素材の味を存分に引き出しており、とっても美味くて大満足です。
●台湾地理中心
埔里は台湾島の地理的な中心なんだそうです。紙に台湾島の輪郭を印刷し、それをはさみで切って重心を求めたら、そのポイントがちょうど埔里にあたるのでしょう。そんなわけで当地には地理中心を記念した公園があるので行ってみました。
これが台湾地理中心の碑。
園内には壺から水が注がれるモニュメントがありました。説明を発見できなかったので意味はわかりかねますが、埔里は名水の産地でもあるので、けだしその関係ではないかと思います。
更に奥に立っているのが「山清水秀」碑。地理中心に関して説明している碑文がはめ込まれています。
実際に地理中心があるのは公園内ではなくて、そこから山道を延々登った先にある虎子山の東経120度58分22秒・北緯23度58分32秒地点。山を自転車で登っても良いのですが、脆弱な私は公園で満足することに。でも実はこの日の朝、ゲストハウスプリのオーナーさんのバイクにニケツして山の上に広がるハンググライダー場へ連れて行ってもらっていました。ここからは盆地状になっている埔里の街を一望することができ、市街の観光名所の場所を把握することができるのです。この景色を地図を見比べ、ここが●●で、あそこが△△、という感じでオーナーさんから説明を受けてから、この日サイクリングを実行しました。御蔭で道に迷うことはありませんでした。
●ビーフンでランチ
埔里はビーフンの名産地でもあります。私はビーフンに目が無いので、この日のランチはビーフンの専門店へ。場所は次に紹介する「埔里酒廠」の傍です。
店内には袋詰めの埔里米粉が陳列されていました。ここではワンタン入りスープビーフン、そして韮とモヤシのボイルを注文。日本の外食に慣れていると、埔里のお店の味は若干薄く感じてしまうかもしれませんが(逆に、台湾人は日本の味付けを塩辛いと表現することが多いようです)、素材の持ち味がとてもよく引き出されているため、じっくりゆっくり味わうと旨みがしっかり伝わってきて、飽きが来ない後味の良い美味さが楽しめました。思わず舌舐めずりしたくなるほど美味しかった!
●埔里酒廠
水が清らかな埔里は紹興酒の名産地でもあります。ビーフンを食べた後、店の斜め前にある酒造工場「埔里酒廠」に行ってみました。
エスカレータで2階へ。無料で入場できます。館内に入った途端、紹興酒の匂いが鼻を突いてきました。館内は資料展示が中心でして、当地における醸造の歴史や製造過程を学ぶことができます。
日本の統治下で本格的な醸造工場として発展したため、展示物には日本時代の資料や固有名詞がたくさん登場していました。
紹興酒の甕を展示。同じように見える甕にもいろんな個性や識別があるんですね。
甕を積み上げて造られたトンネルは圧巻です。
酔酒体験室。床が斜めになっているなど、ブース内に入ると泥酔して平衡感覚が失った状態を体験できるみたいですが、実際に入ってみても大して…(以下省略)。やっぱり泥酔状態ならば、頭痛や嘔吐が伴わないとね…。
次回に続く・・・