紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

あきらめないが勝ち?

2005-05-08 15:06:02 | 3・山の日記
甲斐駒に登るのを断念して、駒津峰までもどると、そこでのんびりと写真を撮った。
前の日の仙丈岳では、登頂したのがビリから4番目。日はかたむきつつあったので、10分間山頂風景を眺めただけ。もっと山の上にいたかったなあと思った。

それで、駒津峰では、10時頃までのんびりしようということになった。
私たちがゆっくりしていると、もう一人男性が同じようにゆっくりと写真を撮っていた。その人は、前日の仙丈で、私たちよりおそくに登ってきた4人のうちの一人。見覚えのある人だった。

それを思い出したので、駒津峰では声をかけて、お互いに写真を撮り合った。
さて、下ろうとすると、男性は、これから甲斐駒に登る。急がないと最終のバスに間に合わないという。その時すでに10時。その時間に甲斐駒の頂上にいても、やっとバスに間に合うかどうかという時間である。駒津峰から甲斐駒往復するのに、約3時間かかる。

「えーっ、それはかなり厳しいんじゃないの。」というと、万が一ダメならもう一泊長衛荘に泊まるといって、あわてて甲斐駒目ざして登っていった。

私たちは、また長衛荘まで3時間下り、それから1時間40分林道歩きをし(長かった!)バスに乗って、ふもとのバス停に着いた。
そして、温泉から出てきた時だ。ばったりその男性と出くわした。
「あんな時間に登って、よくバスに間に合ったね!」と驚いていった。

すると、もう間に合わないので、長衛荘にもう1泊しようとしていたら、なんと長衛荘の人が、軽トラで荷物だけ運んであげるといってくれたそうだ。しかも、一人で急いで歩いていると、その軽トラが追いついてきて、少しだけ乗せてくれたのだという。そして、最終の中でも最終のバスに乗り込むことができた。
う~ん、そんな手があったのか。といっても、これはいつでもそうしてくれるわけじゃないので、あてにしてはいけない。

写真:駒津峰からながめた日本で2番目に高い北岳。そして、私の後ろあたりには、荒川三山などが連なっているだろうか。帰ってくれば、思いは夏山へと飛んで行く。夏はホイッスル山の会で赤石岳、荒川三山を目ざす。