紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

地平線にむかって北米旅行・その5

2005-05-18 14:00:55 | 8・山と旅の思い出
■グレイシャー目ざして

グラントティトン国立公園で数日過ごした後、私たちは、アメリカ北部、ロッキー山中にあるグレイシャー国立公園に向けて、旅だった。

隣接するイェローストーン国立公園のど真ん中を走り抜け、ひたすら北に向けてドライブしていくことにした。
イェローストーンでは有名な間欠泉を見たり、大草原では、バイソンの群れを見た。ほかの車がみな止まっているので、何かと思ったら、バイソンがゆっくりと群れをなして、歩いていた。迫力があった。

 

昔テレビのマンガに、「チンケンハックル」という番組があったが、たしか舞台がイェローストーンだったと思う。いかにもクマゴローに会えそうな国立公園だった。ほんとうはここでも、何日間か過ごしたいと思ったけれど、そこは特に人気が高く、ロッジは2年前から予約でいっぱいということだった。

イェローストーン国立公園を出ると、ロッキー山脈とほぼ平行な、まっすぐな道をひた走った。道はどこまでも続いていた。



この時の旅の印象から、後で本を書くときに、「地平線にむかって」というタイトルをつけた。
道は、地平線で終わっているように見えるが、ずっと進んでいくと、その先があらわれる。地球ってほんとうに丸いなあと思った。

雲の頭が、地平線上に見えてくる。どんどん進んでいくと、雲の形が見えてきて、さらに進むと、頭上に浮かぶようになり、やがて後ろへと消えていく。

走っているうちに、前の方に、灰色の雲がわいてきて、嵐がくるのがわかった。そこへ突っ込んでいくと、土砂降りの雨に降られた。そのまま進むと、やがて日がさしてきた。
後には、二重になった虹があらわれた。虹は大地から大地へと弧を描いていた。


夕方になると、通りかかった町のモーテルで泊まった。あてのない、明日はどこにいるかもわからない旅も、なかなかいいものだ。と思った旅だった。

(写真:セルフのガススタンド。ガソリンをいれている間に、手のあいているものは、車の掃除をした)

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