■広いキャンプ場
アメリカには「ティトンを見てから死ね」という格言があるくらい、そこはすばらしい国立公園ということだ。26歳の時、初めてアメリカ旅行をした時に、それを知って、ぜひ訪れてみたいと思った。が、交通の便があまりに悪くて、あきらめたのだった。
それから16年後。再びチャンスがめぐってきた。
その時の旅の一番の目的は、ロッキー山脈にあるグレイシャー国立公園だったが、グランドティトンから、イエローストーン国立公園を通り、ドライブして行けるのがわかったので、ティトンでも何日間か過ごすことにした。
ところが、ティトンはとても人気のある公園であるのに加え、自然を守るために、極力宿泊施設を作らない方針なので、半年とか1年前からの予約が必要ということだった。夏休みに行くことを決めた4月には、もう園内のロッジはいっぱいだった。
それでも、どうしても行きたくて、テント、寝袋を持参することにした。

グラントティトン国立公園は、映画「シェーン」でも有名な所だそうで、少年が
「シェーーン、カム バッーーーーック!」
と叫んでいるバックにそびえているのがティトン山脈ということである。
映画はずっと昔に見ただけなので、確かめたことはないのだけど。
朝一で入園し(写真上)公園内をキャンプ場目ざしてドライブする。
すると、ティトンのすばらしい山波が私たちを迎えてくれた。
ほんとうに道のりは遠かったけど、はるばる来たかいがあった、と思われる光景であった。
キャンプ場も、一台のスペースが広く、テントを二つ張っても、余裕がある。テーブルやかまども付いていて、目の前で煮炊きができるようになっていた。子ども達は、キャンプ場に泊まれて、大喜びしていた。
けれど、テント生活は楽しいことばかりではない。キャンプしていた夜、雷が鳴り、大雨が降り、夜眠れなかったこともあった。それに、かなり寒かった。
でも、そんなこともめったにできない体験。
子どもたちは、大人になった今でも、「あの時の旅行は、今までで一番楽しかった」といっている。
◆地平線にむかって北米旅行
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