紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

地平線にむかって北米旅行・その7

2005-05-23 06:41:06 | 8・山と旅の思い出
■ゴーイング・トゥー・ザ・サンロード

大陸分水嶺と出会う、ローガンパスという峠に向かって、高度をあげてゆき、峠まで登り切ると、そこからまた、ふもとに向かって下ってゆく。
そのドライブウェイを「ゴーイング・トゥー・ザ・サンロード」(太陽へ続く道)という。
名前から想像しただけで、わくわくした。どんな風にロッキー山脈につけられた道を登って行くのだろう。

ところが、全く残念なことに、その峠越えの日、天候はくもり。あたりにはガスがわいていた。
(写真:峠に行く途中)

それでも、荷物をまとめ、出発した。高度を上げ、車が峠に近づくにつれ、ますますガスは濃くなり、峠に着いた時には雨が降っていた。ついてない。


ロッキー山脈の、おそらく岩っぽい山の景色は、ガスでかき消されている。車を駐車場にとめ、少し歩いてみることにした。



歩きながら、この雨は、一体太平洋に向かって流れていくのだろうか、大西洋に向かって流れていくのだろうか、と考えた。ほんの数メートルしか離れていないところに降っても、雨は、全く別の流れに乗って、はるかに離れた海へと運ばれるのだ。人の運命も、何かの境の時には、こんな風に、その後の人生ががらりと変わってしまうこともあるだろう。

しばらく行くと、道はヒドゥンレイクに向かって下っていた。
ガイドブックによると、そこから湖を囲むロッキーの山々が眺められると書いてあるが、深いガスでおおわれている。仕方なく、来た道をもどったが、帰りにマーモットが見られたのは嬉しかった。写真ではわからないが、リスの4倍ほどの大きさがある.

一番来たかったこの峠を越えると、旅も終わりに近づいていた。

今、旅のことを書いていて思うのは、いつかまたぜひ晴れた時に、ゴーイング・トゥー・ザ・サンロードを走ってみたい。その時には、ロッキー山脈のいろいろな山に登ってみたい。


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