■グレイシャー国立公園■
たびたびとぎれますが、また旅の話しの続きを。
地平線に向かって旅を続け、グレイシャー国立公園に着いた。
その名の通り、氷河をいだいたロッキーの高山がそびえる国立公園である。
ところが、やっと着いてみると、山の上はガスに隠れてしまっている。しかも、すごく寒い。8月の中旬、ここにはもう秋が訪れていた。
この国立公園は東と西に入り口があって、ロッキー山脈の峠、ローガンパスを通る道によって結ばれている。私たちは東から入って、ロッキーを越えて西に行くことにした。
峠を通る道には、「ゴーイング・トゥー・ザ・サンロード」(太陽へ続く道)という名前がつけられている。誰がつけたのか、ほんとうにすごくいい名だ。
■グリンネル氷河ツアー
峠を越える前に、レインジャー(公園監視員)が案内してくれるグリンネル氷河を見にゆく山登りツアーに申し込んだ。その氷河は園内最大ということだ。
朝6時起きると、今にも雨が降りそうだった。こんな天気でも山に登るのかなあと思いながら、朝食をすませ、雨具の用意をし、みんなで集合場所にいった。山の上の方は、すっぽりとガスでおおわれている。
湖の船着き場が、集合場所であった。着いた時には、雨が降り出していた。
そこで初めて案内をしてくれる女性のレインジャーに出会った。
「雨が降っているけど、氷河には行くんですか?」
と聞いてみた。申し込みはしたものの、こんな雨の中、山なんかに登りたくないなあというのが正直な気持ちだった。
すると、レインジャーは答えた。
「それはあなた達が決めることです。私は氷河に行く人が一人でもいたら、案内するのが仕事ですから。」
目からウロコ。雨でも登りたければ登る。雨の中登りたくなければ、やめる。仲間のうち、誰かが登れなくなったら、そのグループの人が面倒をみる。
つまり、みんな、それぞれ自己責任で登りましょう、というわけだ。
私たち5人は、どうするか相談した。そして、一生のうちでも、グリンネル氷河を見る機会は、二度と巡ってこないだろうから、登ることにした。
船で湖を横断したところから、山道は始まった。
雨の中、大氷河目ざして、ひたすら歩く。登る。遠くに氷河が見えてくると、心がはやる。

レインジャーは、要所要所で、氷河のなりたちやら、ここらの岩はどうやってできたというような説明をしながら、登っていく。まことに残念ながら、専門用語であまりよくわからなかった。
知識も豊富だし、体力もあるし、すてきな女性だった。
そうして、やっと、氷河の真ん前に着いた。

そこで昼ご飯を食べたり、氷河の氷にさわったり、岩壁をかけ下ってくるビッグホーンシープを見たりした。
そして、驚いたことに、氷河の前で、ツアーは解散した。下りは自分たちでおりてくださいという。ただし、最後、船の時間があるので、時間におくれないようにと、レインジャーはいった。
往復するのに約8時間かかった。あとあと思い出しても、登ってほんとうによかった。すばらし体験ができた山旅だった。
◆地平線にむかって北米旅行
その1・その2・ その3・その4・その5・その6・その7・その8・その9
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その名の通り、氷河をいだいたロッキーの高山がそびえる国立公園である。
ところが、やっと着いてみると、山の上はガスに隠れてしまっている。しかも、すごく寒い。8月の中旬、ここにはもう秋が訪れていた。
この国立公園は東と西に入り口があって、ロッキー山脈の峠、ローガンパスを通る道によって結ばれている。私たちは東から入って、ロッキーを越えて西に行くことにした。
峠を通る道には、「ゴーイング・トゥー・ザ・サンロード」(太陽へ続く道)という名前がつけられている。誰がつけたのか、ほんとうにすごくいい名だ。
■グリンネル氷河ツアー
峠を越える前に、レインジャー(公園監視員)が案内してくれるグリンネル氷河を見にゆく山登りツアーに申し込んだ。その氷河は園内最大ということだ。

湖の船着き場が、集合場所であった。着いた時には、雨が降り出していた。
そこで初めて案内をしてくれる女性のレインジャーに出会った。

と聞いてみた。申し込みはしたものの、こんな雨の中、山なんかに登りたくないなあというのが正直な気持ちだった。
すると、レインジャーは答えた。
「それはあなた達が決めることです。私は氷河に行く人が一人でもいたら、案内するのが仕事ですから。」
目からウロコ。雨でも登りたければ登る。雨の中登りたくなければ、やめる。仲間のうち、誰かが登れなくなったら、そのグループの人が面倒をみる。
つまり、みんな、それぞれ自己責任で登りましょう、というわけだ。
私たち5人は、どうするか相談した。そして、一生のうちでも、グリンネル氷河を見る機会は、二度と巡ってこないだろうから、登ることにした。
船で湖を横断したところから、山道は始まった。
雨の中、大氷河目ざして、ひたすら歩く。登る。遠くに氷河が見えてくると、心がはやる。

レインジャーは、要所要所で、氷河のなりたちやら、ここらの岩はどうやってできたというような説明をしながら、登っていく。まことに残念ながら、専門用語であまりよくわからなかった。
知識も豊富だし、体力もあるし、すてきな女性だった。
そうして、やっと、氷河の真ん前に着いた。

そこで昼ご飯を食べたり、氷河の氷にさわったり、岩壁をかけ下ってくるビッグホーンシープを見たりした。
そして、驚いたことに、氷河の前で、ツアーは解散した。下りは自分たちでおりてくださいという。ただし、最後、船の時間があるので、時間におくれないようにと、レインジャーはいった。
往復するのに約8時間かかった。あとあと思い出しても、登ってほんとうによかった。すばらし体験ができた山旅だった。
◆地平線にむかって北米旅行
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