朝倉彫塑館の後は、同じ最寄り駅の旧安田楠雄邸庭園へ訪れた。
旧安田楠雄邸庭園は、1919年に「豊島園」の創始者である実業家、藤田好三郎により造られ。1923年には旧安田財閥の創始者、安田善次郎氏の娘婿、善四郎氏所有に。
現在は寄贈され、ナショナルトラスト所蔵となり、修復維持され一般公開されている。
この日は、能登半島震災で被害を受けた七尾市に伝わる「花嫁のれん」展が開催中で、通常なら館内を撮影できるところ、
なんとこの日は館内は一部ののれん以外は撮影禁止に・・建物を見に来たのに無念・・
庭の方は良いみたいなので、、
近代和風建築の邸宅内には、唯一洋室の応接間があり、家具調度品が残され、
洋室に付属するサンルームには、初めて見るはめ込み式のゴムタイルというものが床に貼られていた。
パズルのような形のゴムタイル、おもしろいなあ。
当時は新素材として注目の製品だったとか。
建物は、雁行して建てられていて、各部屋からの庭園の眺めがそれぞれ違っていて美しい。
どの部屋からも庭の緑が目に入るのは良いなあ。
旧安田楠雄邸庭園を後にし、文化財ウィークで公開中の、小石川後楽園得仁堂へ向かう。敷瓦が見れると教えてもらっていたので。
途中、千代田線の新御茶ノ水駅のホームのモザイクタイルが目に留まり、思わず下車。
細かなガラスモザイクタイルは、カレンダーのように1月から12月まで表されている。
3月
春になって花が咲き乱れるような華やかな4月。
各月、和名もそえられている。
月と月の間には、日にちもモザイクタイルで描かれていて、本当にカレンダーのようだった。
秋の彩りの10月。
11月は、北風と共に冬がやって来たイメージ?!
ブルーからグリーンのグラデーションが美しいモザイク。
12月は、枯れ木と雪のイメージかな。
この月の色合いが最も好き。
一枚一枚、かなり凝ったガラスモザイクタイルで彩られた駅、とても素敵で堪能~途中下車してよかった。
そしてやってきた小石川後楽園。
広大な庭園は、江戸初期に完成されたもので、都内に現存する最古の大名庭園だそう。
その中にある敷瓦が見られる得仁堂は、徳川光圀が寛文年間(1661〜1673)に司馬遷の「史記」に登場する伯夷、叔齊の物語に感銘を受け、その二人を祀る為に建てたものだそう。
園内最古の建物でもある。
小さなお堂に人だかりが。
堂内を覗くと、床には、びっしりと敷き詰められたクリーム色の敷瓦が。
おなじみの印花文様が浮かび上がる。
時を経て、所々掠れたような部分もあるようだが、床一面きれいに敷かれていた。
こちら、INAXで修復用に復元された敷瓦の見本も展示されていた。
大江戸線の飯田橋駅。
近未来感のある入口のオブジェがインパクト大。
葉がモチーフになっているとか。
ホームへと続くエスカレーターと階段の頭上には、緑のパイプが縦横無尽に走る。
緑のパイプの所々に蛍光灯が灯っている。
泉岳寺駅だったかな?
ブルーのモザイクタイルに扉も合わせて
壁面は、白のドット型モザイクタイル。
植物が型押しされた陶板が並ぶ。
前日に公開日と間違ってやってきた、ヴォーリズ建築のフレンズセンター。
この日はリベンジに。扉が開いてるのを見てほっとした。
1922年に建てられた宣教師一家の住宅。
ヴォーリズならではの計算し尽くされたという採光や、洋間に和風欄間や襖、網代天井、板の間に一部畳敷きなどの和洋折衷デザイン、軽井沢彫が緻密な家具も見応えあった〜
内部は、撮影禁止だったが、ヴォーリズらしい工夫のある建物を味わえた。
現在は、会員の研修や宿泊施設として活用されている。
深川東京モダン館へやって来た。
こちらの建物は、1952年に建てられた旧東京市深川食堂をリノベーションした建物。
関東大震災の復興事業の一環として設置された16か所の市設食堂のひとつで、
低所得者のために安くて栄養のある食事を提供する施設であったという。
現在は、観光協会として、展示、カフェ営業などが行われている。
入口を入ると、床には六角形の無釉モザイクタイルが敷き詰められ、
一部は、補修跡か、カラフルな色のモザイクタイルが貼られてた。
階段蹴込み部分にも市松状にモザイクタイルが。
壁面もタイル貼り。
内部は改装され、新しくなっていたが、食堂時代のステンドグラスが復元されているようだった。
最後にやって来たのは、京王プラザホテル。
前回東京に来た時に、おすすめスポットと教えてもらっていたので。
車寄せの床に貼られているタイル。
三角形、台形の様々な形のタイルがランダムに散りばめたような感じがいいな。
規則性があるようでないような・・
ロビーの照明は、まるでタイルとリンクするかのようなデザイン。
エントランスのこちらの陶板も素敵だった。
これにて二日間の東京建物&タイル巡りが終了。
今回も「東京へ来たら行きたいリスト」から少しずつでもつぶしていくことができて満足。
まだまだ見てない建物や再訪したい場所もたくさんあるが。
この日は、新幹線で帰途へついた。