フォートラの旅行記で初めて見た時、衝撃を受けた梵寿綱。
東京へ行った時にはぜひとも見たいと思ってたが念願かなって梵寿綱の「ドラード和世陀」へやって来た。
早稲田大学の並木通りに面して建つこの建物は1階部分が店舗の6階建ての民間分譲集合住宅になっている。
梵寿綱自身も早稲田大学の建築学科を卒業、1974年には「梵寿綱とその仲間たち」を結成。
仲間たちは鍛冶屋・ステンドグラス作家・陶芸家・木彫造形家・ガラス彫刻家・コンクリート造形家・更に繊細な壁がきを造る浮世絵の木版画家等、日本でも最高の技術を持つ職人たちの集団なのだそう。
その「梵寿綱と仲間たち」により1984年に建てられたというこの建物。
とても26年も前に建てられたとは思えない~
自然界には直線は存在しない、人にとって安らぎを感じることができるのは曲線、
ということで有機的な曲線を使ってデザインされた建物。
こちらの入り口には床も波打つ。
壁や天井の立体的な造形もインパクト大。
エントランスで衝撃を受けるのはモザイクタイルで造られたベロを出した顔。
天井もこんな風にモザイク状に入れられた石と一緒にうねうねとしたひも状のものが貼り付く。
蝶の羽をイメージするような優雅な鍛鉄の門。
門を開けて入っていくと奥にはこれまた驚きのオブジェが!
色とりどりのステンドグラスに囲まれた空間には木製の手がぶら下がる・・
床には足をかたどったモザイクが。
天井のステンドグラスは蓮の花
そしてこれまたかわいかったのは動物が浮き彫りになったポスト。
受け口もそれぞれ違った形なのがいい!
更にもう一つ奥の居住者だけが入って行ける門。
これでもかとぐるぐると渦巻くアイアンの装飾がすごい。
こちらのエレベーター前には、竣工年とずらりと名前が書かれたプレートが。
このマンションの建設にたずさわった人たちの名前だろうか。
これも立派なオブジェとなっている。
このコーナーはややイスラーム?な雰囲気を醸し出している。
コーナーごとに雰囲気ががらっと変わるのはさまざまな職人の合作だからだろうか。
1階の店舗には散髪屋さんが入ってる。
カウディのカサ・ミラを連想させるわかめのような鍛鉄装飾も外壁に絡みつく~
所狭しと装飾で埋め尽くされた外壁・・
お尻に手が・・よく見るととても繊細な絵付けがされた焼き物のオブジェ。
これらも一つ一つ手書きで絵付けされたもののよう。
顔・顔・顔の貼りつくコーナー
ここにはマジョリカタイルも。
一つ一つ見ていくときりがないほどみどころがいっぱいで興味が尽きない建物なのだ。
後日巡った梵寿綱が店舗を手掛けたというお店のご主人話によると、
この建物を見て、最も日本的な建物だと、イギリスのBBCが日本を代表する建築家として梵寿綱氏を取り上げ、取材しに来たのだとか。