梵寿綱シリーズから少し離れて・・
近代建築散歩を見ていてぜひ見たいな、と思ってた建物、王子にある国指定重要文化財、渋沢資料館の「晩香蘆」と「青淵文庫」へ。
内部公開は土曜日午後だけだったので初日にやってきた。
こちらの晩香蘆は、渋沢栄一の喜寿を記念して合資会社清水組(現清水建設(株))四代目当主が贈り大正6年に建てられた建物だそう。
軸組みは栗材、屋根は赤色の塩焼き瓦で葺いた木造瓦葺平屋建の建物。
見た目山小屋風でもあって、晩香蘆という名前は英語のバンガローからきているともいわれてる。
晩香蘆は内外の賓客を迎えるレセプションルームとして利用されていたそう。
この建物の内装がとっても素敵だったのだ~~
内部は残念ながら撮影禁止と調べていたので、外から内部をちょこっと撮ってみたが・・
この写真では全く美しさは分からないと思うけど、暖炉周りには黒に近いようなこげ茶のタイルが張り巡らされ、正面には「壽」の字の模様、
両側の小窓にはその薄緑色のステンドグラスが入れられている。
こげ茶と薄緑の色の対比がとても上品で美しい~
萩の茎の腰張りは繊細な和風。
天井は洋の雰囲気があって船底型で石膏のレリーフが施され、天井から下がる照明器具は真鍮の枠に光沢のあるあわび貝の薄片がはられたものでこの部屋に感動的にベストマッチしている。
和と洋が美しく上品に調和した素敵なお部屋だ。
ここは自分が今まで見た好きな部屋の内装ベスト5?に入ると思った・・
設計は当時清水組技師長だった田辺淳吉だそう。
玄関の照明
内外壁は錆入りの西京壁が塗られ、外壁の四隅は黒紫色のタイルが張られていてとてもシック。
外から見た暖炉横の小窓。
エメラルドグリーンがきれいなステンドグラス。
青淵文庫は渋沢栄一の傘寿(80歳)並びに男爵から子爵への昇格を祝い、当時の竜門社の会員が栄一に贈ったといわれるもの。
同じく田辺淳吉設計の建物で二階は書庫、一階は閲覧室となっていたが、こちらも賓客接待の場として使われていたという。
こちらも内部撮影禁止だったが一階の閲覧室と階段周りがとても美しい。
こちらのステンドグラスが四つ入れられている部屋が閲覧室。
渋沢家の家紋をもとにしたデザイン「柏」とお祝いを表す、「壽」、贈り主である竜門社の名前の由来である「登竜門」から「登り竜・下り竜」がデザインされている。
こちらは閲覧室の内部にも繰り返し使われていた「柏」の葉とどんぐりをデザインしたタイル。
タイルの周りを更に縁取っていた装飾。
「壽」文様のテラスの柵。
玄関に敷かれたモザイクタイル。
螺旋階段もシンプルでとても美しいものだった。
丸く出っ張っているところが外から見た螺旋階段部分。
この二つの建物を見て、田辺淳吉設計のものをもっと見てみたい!と思ってしまった。