
町中のタイルを一通り見て、満足したところで、ランチにやって来たのは
アレンテージョ会館。
17世紀に貴族の館として建てられた建物はその後カジノにやホテルとして使用され、現在はアレンテージョ地方の料理が頂けるレストランとして活用されている。
ランチもやってるというので、ランチタイム時間にやってきた。

外観を見ると、印象の薄い建物なのだけど、中には驚くべき濃密な空間が広がっていたのだ。

ステンドグラスの扉の入口に迎えられて中へ。
中へ入るとすぐ目の前には階段があり、


階段を上りきると、そこにはムーア様式の中庭が広がっている。

中庭の中央には噴水があり、

ふんだんなイスラムタイルも!
ポルトガルはスペイン同様、イスラム王朝に支配されていた歴史があるので
文化や芸術などイスラムの影響も大いに受けているという。

壁面や家具には緻密なアラビア装飾が見られ、アラビア文字装飾も。

イスラムタイルはパターンを変えつつ、壁面を埋め尽くしている。

天井の木彫りの装飾も緻密。


床には打って変わってデルフト風?手描きのタイルが貼られてて、動物柄や家、壺などが描かれているのだけど、

動物のタイルがよく見るとめちゃ可愛い。
この子は子ヤギかなあ。

子犬!?
他にも豚や鶏、ウサギ、馬・・様々な動物が描かれてた。

回廊の床にもびっしりと。


大理石の柱に、柱頭飾りも丁寧に彫り込まれている。

そして、12時開店後、この先のレストランへ。
レストランへの階段もびっしりとイスラムタイル尽くしの空間。

階段に沿ってタイルは貼られ、大理石の階段の蹴込み部分にもタイルが連なる。

まばゆいばかりのタイル、

吹抜けの階段ホールは左右対称に階段がついていて、ステンドグラスの窓が並び、もうアラブ感満載!!

ステンドグラスを通して入る光は明る過ぎず、暗過ぎず、程よく階段ホールを照らしていて、独特な雰囲気に包まれている。


親柱の装飾、階段の手すりにも細かく装飾が入れられいる。

三階に上がると、左手には豪華絢爛なパーティーホール。
こちらはイスラム様式とはうって変わって、ヨーロッパ風。
フランスのルイ16世様式で装飾されているという。
ちょうど修復中で、ハシゴの上で作業されてる職人さんがおられた。

天井装飾やシャンデリアも豪華

小さな舞台もあった。

こちらはブルーのタイル絵が美しいホール。



そして、こちらの食堂もタイル絵が圧巻。

ポルトのサンベント駅の壁画の作者と同じ、ジョルジェ・コラソの作品だそうで、
農業が盛んなアレンテージョ地方の農民の姿が描かれているという。

タイル絵を近くで見ると、布目のような地模様が見える・・
まるでキャンバスのような質感。

タイル絵とは思えないような写実的な絵画。
こられのタイルに囲まれてランチができるなんて至福。。。

満員だったらいけないので開店時間に合わせてきたのだけど、
私以外誰一人としてランチしてる人がいなかった・・
後ほど、一人二人ぽつぽつと。

ランチセットもあったのだけど、名物のバカリャウ(干しダラ)料理を食べたいと思っていたので、
聞いてみると、おすすめされた料理。
たっぷりのオリーブ油で丸ごとのジャガイモとパプリカ類を一緒に炒め煮込み?したもので、ほくほくしたじゃがいもとバカリャウがマッチして美味しかった~
じゃがいもがかなり多かったので、これ一皿で大満足。

更に奥の部屋はブルーのタイル絵が美しい部屋。
昼間はお客さんがいないからかスタッフの控室的な部屋になっていた。

イスラム様式こてこて装飾の照明も面白い。


三階から中庭を見下ろす。
コテコテのイスラム様式とヨーロッパ風が混じりあった建築に興味津々で、
満喫することができた。