新エネルギーについては、自然エネルギー、バイオエネルギーなど幅広く開発に取り組まれているところであり、
このブログでも先日、シェールガス開発(輸入)が取り上げられたし、昨日のテレビでは、
日本で世界初のメタンハイドレート採取に成功したことを報じていた。
原発依存度を低くして、代替エネルギーを早期に開発し安定供給が出来る総合的なエネルギー戦略を
描いて行く必要がある。この時期明るい見通しのニュースだ。
もちろん地球温暖化防止には配慮がいることは言うまでもない。
ここに取り上げたのは、先日届いた会報に、渡邊信筑波大教授の記事が目に止まったからなんですが、
バイオエネルギーの一種かも知れませんが、“藻類を利用した”・・ということでご紹介しておきたくなりました。
藻類
(藻類HPから)
「藻類とは、光合成をおこなう植物のうち根、茎、葉の区別がはっきりしない生物の総称である。
藻類には、約4万種あるが、コンブやワカメのような大型の種類は少なく、大部分は顕微鏡で見なければ
わからない微細なもの。」なんだそうです。
ところが、この微細な藻類が地球の歴史で大きな役割を果たしてきたという。
「 ①約30億年前、大気中に充満していた二酸化炭素を吸収し、酸素を発生する光合成生物の出現で、
大気中の二酸化炭素が減り酸素が増加して今日のような大気が作られた。
②オゾン層を作り、生物の陸上への進出を可能とし、生態系のサイズを1兆倍にした。
③酸素を発生したことで、2価の鉄を3価の鉄にして鉄鉱石を作った。
④中東の石油の主な資源となった。
⑤二酸化炭素を炭酸カルシュウムに変換し、海中にトラップした。」
こうやって示されると改めて藻類の凄さが理解できますね。
「そして、石油代替資源としての藻類としては、トウモロコシや大豆などの食用作物や草木類を原料とする
バイオエタノールやバイオディーゼルオイルの生産におけるような直接的、間接的な食料生産と
競合することはない。 世界のいたる所で生産することができる。
しかも、藻類のオイル生産効率は陸上植物よりも10~数100倍も高い。
ここに、比較した図があるので引用することとします。」
(会報での氏の論文から)
「たとえば、世界の石油需要量は約50億トンであるので、もしトウモロコシのオイルでこれを
賄うとすると世界の耕作面積の14.3倍の土地が必要であり、一方藻類では、1.8%~4.2%で済むという事が示されている。」
「しかし、このような良い点があるが、これを燃料として使用する場合には種々の化学処理を施す必要があり、
とくに低温で凝固するという問題を解決するための技術開発のハードルは低くない。」
このような課題があるが、
「現在、下水処理場で行われている水処理の過程を利用して、光合成する藻類の培養に利用すれば、
相互効果により大幅なコスト低減が可能であるなど確認されている。」
「現在、東北復興のためのクリーンエネルギー研究開発プロジェクトがそれである。
通称“仙台プロジェクト” と呼ばれている。これが成功すれば、全世界に技術移することができる。」
こんなことは全く知りませんでした。
そして、最後の締めくくりとして、
「人類は、近代以降、エネルギー争奪のために戦争を繰り返してきたが、未来的に人類を
エネルギー制約から解放することができるのではないか。」
と崇高な思想が述べられているのでした。
渡邊信氏は、藻類産業創成コンソーシアム( http://algae-consortium.jp/ )の常任理事をされています。
ネットで発表されている論文から一部写真を引用します。
2012.10.15日経ビジネス(ここをクリック)には、このような見出し記事がありました。
やはり筑波大学の研究チームの記事でした。
~藻類の超高速増殖で日本が産油国になる? 2つの藻をハイブリッド増殖し、燃料自給が視界に~
藻バイオマスプロジェクト(日本の将来を左右する重大プロジェクト)(日刊SPAを転載)mak
ボトリオコッカスグリーンは、細胞の外にオイルを出す。
そして、光合成をおこなうため、CO2を吸収する。
オーランチオキトリウムは、細胞の中にオイルをため込むため、細胞を破壊しないとオイルを取り出せないが、ボトリオコッカスの10倍とか100倍とかのオイルを出す。
そして、光合成を行わないので、CO2を排出する。
組み合わせればどうなるか?
ボトリオコッカスグリーンが排出する酸素を含んだ空気をオーランチオキトリウムに与えることも出来、その両方の育成タンクからオイルを取り出すことが出来る、ということ。
オーランチオキトリウムとボトリオコッカスの合わせ技
このブログでも先日、シェールガス開発(輸入)が取り上げられたし、昨日のテレビでは、
日本で世界初のメタンハイドレート採取に成功したことを報じていた。
原発依存度を低くして、代替エネルギーを早期に開発し安定供給が出来る総合的なエネルギー戦略を
描いて行く必要がある。この時期明るい見通しのニュースだ。
もちろん地球温暖化防止には配慮がいることは言うまでもない。
ここに取り上げたのは、先日届いた会報に、渡邊信筑波大教授の記事が目に止まったからなんですが、
バイオエネルギーの一種かも知れませんが、“藻類を利用した”・・ということでご紹介しておきたくなりました。
藻類
(藻類HPから)
「藻類とは、光合成をおこなう植物のうち根、茎、葉の区別がはっきりしない生物の総称である。
藻類には、約4万種あるが、コンブやワカメのような大型の種類は少なく、大部分は顕微鏡で見なければ
わからない微細なもの。」なんだそうです。
ところが、この微細な藻類が地球の歴史で大きな役割を果たしてきたという。
「 ①約30億年前、大気中に充満していた二酸化炭素を吸収し、酸素を発生する光合成生物の出現で、
大気中の二酸化炭素が減り酸素が増加して今日のような大気が作られた。
②オゾン層を作り、生物の陸上への進出を可能とし、生態系のサイズを1兆倍にした。
③酸素を発生したことで、2価の鉄を3価の鉄にして鉄鉱石を作った。
④中東の石油の主な資源となった。
⑤二酸化炭素を炭酸カルシュウムに変換し、海中にトラップした。」
こうやって示されると改めて藻類の凄さが理解できますね。
「そして、石油代替資源としての藻類としては、トウモロコシや大豆などの食用作物や草木類を原料とする
バイオエタノールやバイオディーゼルオイルの生産におけるような直接的、間接的な食料生産と
競合することはない。 世界のいたる所で生産することができる。
しかも、藻類のオイル生産効率は陸上植物よりも10~数100倍も高い。
ここに、比較した図があるので引用することとします。」
(会報での氏の論文から)
「たとえば、世界の石油需要量は約50億トンであるので、もしトウモロコシのオイルでこれを
賄うとすると世界の耕作面積の14.3倍の土地が必要であり、一方藻類では、1.8%~4.2%で済むという事が示されている。」
「しかし、このような良い点があるが、これを燃料として使用する場合には種々の化学処理を施す必要があり、
とくに低温で凝固するという問題を解決するための技術開発のハードルは低くない。」
このような課題があるが、
「現在、下水処理場で行われている水処理の過程を利用して、光合成する藻類の培養に利用すれば、
相互効果により大幅なコスト低減が可能であるなど確認されている。」
「現在、東北復興のためのクリーンエネルギー研究開発プロジェクトがそれである。
通称“仙台プロジェクト” と呼ばれている。これが成功すれば、全世界に技術移することができる。」
こんなことは全く知りませんでした。
そして、最後の締めくくりとして、
「人類は、近代以降、エネルギー争奪のために戦争を繰り返してきたが、未来的に人類を
エネルギー制約から解放することができるのではないか。」
と崇高な思想が述べられているのでした。
渡邊信氏は、藻類産業創成コンソーシアム( http://algae-consortium.jp/ )の常任理事をされています。
ネットで発表されている論文から一部写真を引用します。
2012.10.15日経ビジネス(ここをクリック)には、このような見出し記事がありました。
やはり筑波大学の研究チームの記事でした。
~藻類の超高速増殖で日本が産油国になる? 2つの藻をハイブリッド増殖し、燃料自給が視界に~
藻バイオマスプロジェクト(日本の将来を左右する重大プロジェクト)(日刊SPAを転載)mak
ボトリオコッカスグリーンは、細胞の外にオイルを出す。
そして、光合成をおこなうため、CO2を吸収する。
オーランチオキトリウムは、細胞の中にオイルをため込むため、細胞を破壊しないとオイルを取り出せないが、ボトリオコッカスの10倍とか100倍とかのオイルを出す。
そして、光合成を行わないので、CO2を排出する。
組み合わせればどうなるか?
ボトリオコッカスグリーンが排出する酸素を含んだ空気をオーランチオキトリウムに与えることも出来、その両方の育成タンクからオイルを取り出すことが出来る、ということ。
オーランチオキトリウムとボトリオコッカスの合わせ技