ジャズについては、若い頃ジャズ喫茶に出入りしたりして、よく聞いていましたが、
スイングジャズとかモダンジャズという言葉や、ニューオーリンズやシカゴがその発祥・・など、
それこそ断片的な知識しかなく、また、アーティストなども結構名前が出てきたりしますが、
それらの関連付けが出来ていない・・と常々思っていました。
まぁ、音楽は、理屈ではなくハートで聴くものだから、そんなことはどうでもいいかもしれない・・。
それが、先ごろ送られてきた会報に、“ジャズを楽しむ”(長谷川 晃、阪大名誉教授)という記事が目に止まり、
ちょっと長めでしたが一気に読んでしまいました。
前置きが長くなりましたが、そういうことで、内容をかいつまんでご紹介したいと思いました。
著名な事柄なので、先刻皆様はご存じのことと思いますが、u-tube なども取り入れて掲載してみます。
何かコメントがありましたら、ご教授のほどよろしくお願いします。
以下に、記事から抜粋して抜き読みした内容を記します。
まず、“ジャズの概要” というのがあって、ジャズの音楽的な基本は、2拍目と4拍目を強調する(オフビート)
4拍子のリズムを持つブルースコードとそれをベースとした即興演奏である。 と定義づけられ、
ここで “ブルースコード” というのが出てきましたが、これは基本的には “長調” ですが、例えば
“ミ” の音を時折半音下げるので、“短調” のように聞こえるけれども短調ではなく、
ジャズの音階は演歌と違って、涙の枯れた(乾いた)メランコリーなものとなっている。とあります。
日本の有名な流行歌に “別れのブルース” (服部良一作曲)があるが、この曲は珍しく24小節の曲
(ほとんどの歌謡曲は32小節)で、ジャズのブルース曲12小節の繰り返しに似た形式をとっているので、
ブルースの形式といえるけれどもコード進行は短調である。
ジャズの代表的なブルース曲 “Saint Louis Blues” のはじめの16小節は、短調のメロディーで始まっている。
“別れのブルース”は、この初めの16小節のコード進行に似ている。
次に、ジャズの歴史について詳細に記述されているのですが、簡潔にまとめてみたいと思います。
ジャズはもともと、黒人の音楽に西洋音楽の影響が加わって、主として管楽器で合奏するのがはじまりのようです。
その編成は、トランペット、クラリネット(後にサックスも)、トロンボーン、ドラム、バンジョー、チューバ、後にコントラバスやギターなども加わる。
このような編成でのジャズが1930年代半ばまで続くが、これを “デキシーランドジャズ” と呼ばれているもので、
トランペットのLouis Armstrongは超有名だ。
一方、白人の演奏するジャズも盛んで、当時は主にダンスバンドとして踊りの伴奏が主だったが聞くジャズとして、
Bix Beiderbecke がいる。 Louisら黒人のデキシーを New Orleans Jazzと呼ばれるのに対して、
BixのそれをChicago jazzともよばれている。
1930年代半ばには、それまで主にダンスバンドの役割をしていたジャズが、聴く音楽として楽しまれようになり、
デキシーランドジャズは廃れ始める。(1950年代に再度復活する。)そして、聞いていて体がスイングする
新しいジャズ スイングジャズが誕生する。
スイングジャズの全盛時代、1938年頃、白人のBenny Goodmanが黒人のジャズメンと共演したり
大きな盛り上がりを見せた。 なかでもsing sing singは歴史に残る名演奏であるという。
推奨のものではありませんが、
スイングジャズでさらに有名な2人がいる。Duke Ellington とCount Basie だ。
Duke Ellingtonは1920年代からハーレムあたりで演奏を始めていたが、著者いわく “その、重苦しく、
うめくような演奏” がますます冴えて、自作自演の曲も多い。
Ellingtonのテーマソング Take the“A”Trainはあまりにも有名である。
もう一方の巨頭、Count Basieは、著者評は “まさにスイングするジャズで、かみつくようなフルバンドの
合奏の合間にBasieのピアノソロが素晴らしい” とある。
名だたる名前がポンポンと出てくるが、まずはこれも聴いてみよいう。
著者推奨のアルバムではありませんが、
スイングジャズとして、映画にもなった(このブログにも取り上げました)Glenn Millerのバンドがあるが、
ハーモニーを重視しすぎて良いソロが聴けないのでジャズの主流とはみなされていない・・といっている。
第2次世界大戦も終わり世の中が落ち着いてきたころ、前衛的なDizzy Gillespie やCharlie Parkerらが
出現して、非常に複雑なコード進行と速いテンポのビーバップとよばれるジャズを生み出した。
このスタイルが、現在まで続いているモダンジャズと呼ばれる流れに繋がっている。
1950年代半ばには、若手のジャズメンが多数誕生していたが、なかでもトランペットのMiles Davisは、
ビーバップの手法を取り入れながら静かでしかも情熱的な演奏をするクールジャズと呼ばれる新しいスタイルの
演奏を始めた。後に、モダンジャズのテナーサックスのお手本のような存在となるJohn Coltraneもその一人で、
Milesと共演している。
Milesとゆかりのある黒人ミュージシャンは多数あり、ピアノのHorace SilverやThelonious Monk、
テナーサックスのSonny Rollinsなど・・。 また、ピアノのOscar Peterson、ベースのCharie Mingus、
トランペットのClifford Brownなどモダンジャズの巨匠たちの名前が次々と出てくる。
この他にも、優れた演奏をするグループがあるが、なかでも著者が好んだというビブラホーンのMilt Jacksonがいる。
会報の記事は、読むだけですが、ブログでは次々と、曲をアップしヘッドフォンで聴きながら楽しいひと時を
過ごしてしまいました。
皆様はいかがだったでしょうか?
記事には、さらにジャズボーカルなどについても触れられていますが、ここでは割愛して、
最後にまとめられている部分を紹介して終わりにします。
“デキシーランドジャズがほぼ20年、スイングジャズもほぼ20年続いたのに対し、モダンジャズは未だにモダンジャズとして60年も続いている。 モダンジャズでは、白人も素晴らしい活躍をしている。”
著者はさらに多くの演奏家を挙げていますが、最後に、ユニークな存在として挙げられている “Take Five”。
これを作曲した Dave Brubeck(ピアノ)とアルトサックスを吹くPaul Desmondらによる演奏をお聴き下さい。
私も大好きな曲の一つです。