昨夜は、雨風が吹きまくっていました。低気圧が急激に発達したそうですが、
我が家の実感では、今年発生した台風のどれよりも、強い風であったようでした。
木の葉が散って荒れたベランダでは、花木など何本か倒れていました。
5年ごとの10月1日を基準とした、国の人口、世帯等についてのセンサスですが、今年初めてオンライン
(インターネット)による調査回答が実施されました。 オンライン調査は、9月10~20日に実施され
ましたが、パソコンのほか、スマホからも回答できるのでした。 そのための周知とともにパスワードが
郵送されてきました。 私は、パソコンからネット解答しましたが、簡単にアッという間に終わりました。
25年前の第15回国勢調査の時は、ちょうど社宅の寮長にあたっていた年で、わずか24世帯でしたが、
実施方法指導や調査票授受等で何度か当局に足を運んだり、とくにプイライバシー厳守を意識しながら
でしたが、住人からは実施に快い感じを持たれていないなどから、すべてを担当していた家内は、
かなり緊張し 疲れたようでした。多くの人手と時間と心労を費やした調査も、ネットではいとも簡単で
楽々・・という感じでした。システム構築、セキュリティ対策などの課題はあるでしょうが、やはり簡便で
効率的だと思います。
この、オンライン調査を実施した人は、総務省によると、1917万5769件で、ネット回答率(想定)は
36.9%だったそうです。 総務省では、ネット解答率が予想を上回っていたとして好結果であると評価して
います。 都道府県別では滋賀の48・4%が最も高く、次いで富山45・7%、岐阜45・4%で、
最低は沖縄の22・7%で、高知25・1%、東京26・0%が続いたとありました。
ネット解答以外の人は、従来通り人手を介した調査に入っているそうです。
そもそも、いつ頃から国勢調査は行われていたのでしょうか?
明治35年(1902年)に制定された「国勢ニ関スル法律」から18年後の大正6年(1917年)に制定され、
その後予算化されて、大正9年(1920年)に第1回の国勢調査が実施される運びとなったとあります。
統計先駆者たちの努力が偲ばれます。
第1回調査ポスター(総務省HPより)
節目の調査結果から人口を見てみますと、調査を始めてから人口は倍以上に増加していますが、
その伸び率は鈍化していることが分かります。
第1回(大正9年、1920年) 国勢調査による人口:55,963,053人
第5回(昭和13年、1940年)国勢調査による人口:73,114,308人 (1.31倍)
第10回(昭和40年、1965年)国勢調査による人口:99,209,137人 (1.35倍)
第15回(平成2年、1990年)国勢調査による人口:123,611,167人 (1.25倍)
第19回(平成22年、2010年)国勢調査による人口:128,057,352人 (1.04倍)
以下に、代表的と思われる統計を、今後の推測も含めていくつか眺めてみました。
主要圏人口比率推移
(Garbage NEWS.comより)
大阪、名古屋圏は横ばいに対して、東京圏だけが増加しています。
地域的人口変移
(Garbage NEWS.comより)
2005年と2050年を比較していますが、それぞれの地域で、人口の全国比を見てみますと、
2005年 2050年
首都圏 33.17 38.13 (全国比%)
中部圏 13.48 14.28 ( 〃 )
近畿圏 16.35 15.80 ( 〃 )
で、やはり、首都圏は伸びると推定されています。近畿圏は、逆に減少するのですね。
次に世帯数の推移および世帯内訳の推移を見てみます。
世帯数推移(~2030年)(東急住生活研究所より)
世帯数全国では、2020年がピーク(首都圏も同じ)となりますが、近畿圏では2015年がピークとなっています。
また、65才以上世帯の増加(比率)は、顕著です。
世帯内訳推移 (東急住生活研究所より)
世帯内訳では、子供のいる世帯比率が単身世帯比率を下回る(クロスする)年次は、全国では2025年と
見込まれていますが、首都圏ではそれが2015年とかなり早く、近畿圏でも2020年と見込まれています。
また、労働力人口では、2010年の30歳代人口が、後年では極端に減少すると見込まれています。
そして、労働力人口の高齢化する方向にシフトしていることが分かります。
労働力人口推計(加藤久和氏 明治大学 論文 「労働力人口の動向」より)
話は少し飛びますが、ローレンツ曲線、ジニ係数については、2013.10.6のブログに解説していますが、
総務省HPから、これらを引用しますと、ジニ係数は20年毎の数値で確実に上昇しており、このローレンツ
曲線では、それだけ曲線が下方にたるんでいます。つまり、これらから見る限り明らかに格差は拡大している
と考えられるのです。新しい「三本の矢」の中に、「一億総活躍社会の実現」が挙げられていますが、これらの格差を踏まえた種々の具体的な政策がどのように推進されるか今後に期待するところです。
ジニ係数(総務省HPより)
ローレンツ曲線(総務省HPより)