昨日(2/12)の朝刊トップ記事の「重力波を初観測」に目が吸い付けられました。
わが浪漫倶楽部としては、見過ごしてしまう訳には行かないと思い、記事アップした次第です。
しかし、私の知識、理解力の限界の外にあるため、理解できていないまま記事アップする非礼を、
先ずもってお許しいただかねばなりません。 そして本件についてご支援くださる方がおられましたら、
どうかご教授賜りますようお願いする次第です。
以前にも、重力波の話を聞いて、その時に少し調べてみたのですが、どう言うものなのか?
光、電磁波のように基本的な重要な現象であるようですが、今一つ具体的なイメージがつかめないまま
時が過ぎてしまいました。
そんな状況にいたところに、このトップ記事が飛び込んできて、ノーベル賞クラスの快挙だと報じられて
いて、新聞の解説を何度も読み返しましたが、“池の外側を回っているような”感じで、その水は冷たいのか?
底は深いのか? 何か生物はいるのか?・・何一つつかめないもどかしい思いでいます。 得意のネットに
頼るしかない・・という思いで、片っ端からネット記事をあさって見ましたが、どうも基本となる出所が
同じでは? と思われるような記事内容ばかりで、親切心もなく、“まる写し?”みたいな感じで
がっかりしました。やはり安直ではだめなんですね。
質量の重い物体が衝突などを起こした時に、“時空の揺らぎ”が発生し、それが“さざなみ”として
光速で拡散する。その波(重力波)が今回、地球上で観測されたというのですが、簡単に“時空の揺らぎ”
というのが、具体的にどのようなことなのでしょうか?
池に石ころを投げると、ポチャッと音がして、さざ波が周囲に拡散(伝搬)して行きますね。
水面つまり空間に歪が生じ、時間と共に拡散して行きます。これは波動であって、重力波もこの波動現象では
ありますが、さらにこれとは違う特徴を持っているというのです。 重力波は“時空の揺らぎ”
と言っていますから、時間の揺らぎが伴うのですね。つまり、時間が早く進んだり、やや遅く進んだり
しながら拡散して行くのですね。 以上から、重力波というのは、それが発生すると空間に波面のような
ものが出来、それが時間が早遅の歪を伴いながら拡散すると理解してよいのでしょうか?
観測装置・・装置といっても今回観測に成功したアメリカの「LIGO」は、長さ4kmもある2本の
真空パイプを直角に設置して、そこにレーザー光線を照射して、各々200回往復させるという巨大なもの
だというのです。真空パイプの遠端に鏡を置き、レーザー光線を反射させるのですが、直角に設置された
両パイプの基点では、通常はこの両レーザー光の位相がちょうど打ち消すように調整されていて、
もし、重力波の歪が生じた時は、両真空パイプの長さが変化し、両レーザー光の位相のずれが基点で
測定できるとしたものだそうです。 なるほど・・。これだと微小な変化も測定可能であるでしょう。
ところで、この現象は、重力波の歪により長さ4kmの真空パイプが、直角に設置された一方で縮み、
他方が延びる・・というのはどうしてでしょう? 重力波は時間と空間を歪ませるというが、空間の中には
物体自体も含まれることになるのですね。 また、直角に設置しているのは、押し寄せる波を感知するためなんですね。(腕の長さが4kmというのは、これ以上だと地球が丸いため、光が直進できないから)
この歪の大きさは、ごく微小であるらしい・・ので、これまでは技術的に観測出来なかったのですが、
どの記事を見ても、太陽~地球の距離(1億5000万km)でも、わずか1億分の1cm変化させる程度だと
述べられています。 4kmのパイプ、往復で8km、それを200回繰り返すと、 8000m×200=1600000
ですから、センチでいえば、1億6000万となり、十分 センチ単位の観測が可能であることが分かります。
しかし、この重力波は、どこで起きたのでしょうか? 太陽とは無関係で、もっともっと遠いところで
起こるのですね。
このような観測所は、アメリカの「LIGO」の他、イタリアの「VIRGO」、そして、日本の「KAGRA」が
あるのですね。KAGRAは、Kamioka GRAvitational wave からつけられた、大型低温重力波望遠鏡で、
日本らしく「神楽」をイメージした命名だそうですが、現在岐阜県神岡に建設中で、来月(3月)
には、
試運転が開始され2017年度には観測運用に入るそうです。この点から言えば、一歩先んじられた感は
否めませんが、KAGRAは、地下200mに建設(真空パイプは3kmで、やはり直角に設置)され、振動の軽減や
反射鏡の冷却による熱雑音の軽減の点でより優位な条件であるのだそうです。新しい発見が期待されるところです。
KagraHP (http://gwcenter.icrr.u-tokyo.ac.jp)にもいろいろと解説がなされていました。
ちょうど100年前、1916年にアインシュタイン博士が提唱した「一般相対性理論」で予想されていて
「最後の宿題」とまでいっているこの“重力波”の観測に成功したということは、人類が初めて新しい
“観測手段”を手に入れたことに大きな意義があるのだと理解できるのです。 つまり、人類は、
もともと可視光でしか自然を観察することが出来なかったですが、19世紀になって電波やX線が発見されると、
遠くに情報を伝えたり、人体や物質の内部の様子を観察することが出来るようになりました。つまり、
次々と新しい観測手段が発見されると、それまで未知であった世界への扉が開かれ、人類の知識の増大、
そして新しい可能性へと期待が広がるのです。ここに、今回の観測成功の最大の意義があるのだと思います。
すぐに何かの役に立つ・・とか、そのような可能性ではなく新しい手段が手に入ったことによるもっと広い、
今まで想像もつかなかったような可能性が期待されるのですね。
KAGRAポスター
(KAGRA HPより)
KAGRAホームページには、
「科学者たちが期待しているものは、
・アインシュタインの一般相対性理論の検証
・宇宙誕生のより初期の情報の取得、および宇宙重力波背景放射の検出
・非常に強い重力場での物理現象の観察 」
とされていますが、更に広く我々にも関連した新しい発見や実現があるかもしれません。
当ブログに「宇宙の謎 解明に挑む」(2014.1.7)の記事アップをしていますが、この時は、従来型の
観測手段である電磁波を用いた、新しい観測能力として、TMT(直径30mの電波望遠鏡)の建設でした。
この望遠鏡により、134.4億年前の「宇宙の夜明け」くらいまで観測可能とされていますが、今回の重力波に
よればさらにその先「宇宙の晴れ上がり」(ビッグバンから38万年後)あたりまでも観測・解明されるかも
しれません。つまり、「宇宙の暗黒時代」が解明されるかもしれないのですね。
この時に、参照しました図を再掲しておきます。
消化不良のままの駄文を長々と辿っていただきまして恐縮です。さわやかな音楽でスッキリとされてください。