いよいよ4月から電力の自由化が始まり、小売電力事業者は、253社(資源エネルギー庁 3月18日現在)が
新規参入したとあります。(この他、これまでの電力会社は全国10社あります。)
このテーマについては、横目で見過ごそうと思っていましたが、思い直してちょっと日記風に残して
おこうと思いました。
昨日(3/24)NHKテレビの「あさイチ」でも取り上げていまして、番組ディレクターとしては、
自由化に際して“電気代”がどれほど安くなるか? その会社はどこか? を基調にシナリオ展開されて
いましたから、やはり“電気代”が最も一般関心事なのでしょう。
そもそも、電力の自由化の目的は、これまで地域独占(自然独占)であった電力市場に新規参入規制を
緩和し、市場競争を導入して電気料金の引き下げ、資源配分の効率化を進めることにありますから、
電気代が安くなることは歓迎です。
で、電力供給の仕組みは、資源エネルギー庁のページを参照しますと、
・発電部門 水力、火力、原子力、太陽光、風力、地熱などの発電所を持ち電気を作る部門
・送配電部門 発電所から消費者(家庭等)までつながる送電線・配電線などの送配電ネットワークを
管理し、物理的に電気を家庭等に届ける部門です。
また、ネットワーク全体で電力のバランス(周波数等)を調整し、停電を防ぎ、電気の安定供給を守る
部門でもあります。
・小売部門 消費者(家庭等)と直接やりとりをし、料金メニューの設定や、契約手続などのサービスを
行い、消費者が必要とするだけの電力を発電部門から調達する部門です。 今回、電力小売全面自由化により、
この部門に事業者が自由に参入できるようになったのです。(大規模工場などの大口電力消費者には、
これまでも自由化されていました。)
ここで、発電部門 は、すでに原則参入自由となっていますが、「送配電部門 は安定供給を担うため、
電力小売全面自由化後も引き続き、政府が許可した企業(各地域の電力会社“東京電力、関西電力等”)が
担当します。
そのため、「どの小売事業者から電気を買っても、これまでと同じ送配電ネットワークを使って電気は
届けられるので、電気の品質や信頼性(停電の可能性など)は変わりません。 なお、電気の特性上、
電気の需要(消費)と供給(発電)は、送配電ネットワーク全体で一致させないと、ネットワーク全体の
電力供給が不安定になってしまいます。 そのため、もし小売部門の事業者が、契約している消費者が
必要とするだけの電力を調達できなかった場合には、送配電部門の事業者がそれを補い、消費者にきちんと
電力が届くように調整します。」とあり、今回の自由化により、新しい参入会社に移行しても、
これ迄と同じ品質で、安定に受電できることが保証されているのですね。
ここで、最後に述べられていることは、新規参入会社が、契約需要家の必要とする電力を調達できなく
なった場合でも、送配電部門でそれを補って、エンドユーザには迷惑がかからないといっているのです。
つまり、不足した電力は、小売会社と発電会社との双方の決済により解決されるというのです。
電力供給の仕組み
(資源エネルギー庁)
ここで、新しく契約会社を変更した時の具体的な電力供給の仕組みがどのようになっているか?に
ついては、ネット調べでは確認できなかったので、推測でしかありませんが、おおよそ以下のように
考えられます。
すなわち、新しい参入会社Aと契約したとすると、受電メーター(スマートメーター)のところに、
契約社Aが記録され、私が消費した電力は、このメーターから契約社Aから購入したことになります。
実際の電気は、これまでと同じように供給されていますが、受電メーターのところで、A社と判別される
のです。これらの消費者を合算したものが、会社Aが販売した総電力量となります。そして、会社Aは、
発電会社と契約(仕入れ)した購入電力量との差に応じて決済される。 仕入れ量=販売量が理想で
ありますが、通常は差が生じると思われ、差がマイナス つまり、仕入れ量より販売量が上回った場合は、
ペナルティ料金で割高料金が加算される。ここで、会社Aが、自家で発電部門を持っているか、複数の
発電会社と契約した場合の事例があればより分かりやすいのですが、この部分の例示が見つけられません
でした。 会社Aは、自ら電力送電網に供給する電力がその接続点で計測されており、その分が相殺される
仕組みがとられていると思われます。複数の発電部門と契約している場合も同様にして、消費量に応じた
比例配分?などで区分されるのではないかと想像できます。
チョット違った例ですが、たとえば銀行で送金する場合、送金したお金が、そのまま相手に届けられる
のではなく、送金点で引き落とされて、相手の口座に振り込まれる・・当り前ですね。他行に跨る場合は、
銀行同士が接続している関門点で差し引きされる。お金にしるしが付いていませんから出し入れされる
情報だけがやり取りされ、実際のお金(電気の場合は電力)は、それぞれネットワーク上にある
(送電線上にある)お金(電力)が供給されるのですね。 また、鉄道の乗り入れで、ICカードで自由に
乗り継ぎ出来ているのも同じような仕組みなのでしょう。
番組「あさイチ」では、新しく契約したい会社の選択の例をやっていました。
ネットの検索サイトに、領収書等から、契約アンペア数、電気料金、生活のライフスタイル(家族、夜型?
など)を入力すると、複数の会社がリストアップされ、各会社の電気料金(割引額)、契約内容などが
表示され、その中から選択すればよい ということになるのです。 この時、割引内容には、電力
そのものの料金の他、自社が提供するサービス(ガス、携帯電話、ケーブルテレビなど)などとの
セット割引されていることがあり、どの部分の料金が割り引かれているかをチェックしたり、契約解除時の
解約金の額なども把握しておく必要があると解説されていました。これらの条件や料金から、自家の
消費電力の量やライフスタイルに合った会社を選択することが大事であると・・。 単位電力料金が
消費電力の大きさで段階的に設定されていることが多く、一人住まいなどの消費量が少ない家庭では、
電気料金が現状よりも高くなるケースもあるようです。
しかし、電気料金が安くなるということだけで新しい契約会社を選択するという人ばかりでなく、
エコや脱原発などを重視する人は、料金が現在よりも高くなっても、再生可能エネルギーを供給してくれる
会社を選定するケースも紹介されていました。
電力自由化の概要は以上の通りですが、電力需要の盛んな夏場などを無事に乗り切れるか不安が無い
わけではありません。いずれにしても、節電に努めることは大事なのですね。
長くなりましたが、最後に、私自身はどうしたか? については、いとも簡単に、ごく最近、
ネット検索も何もしないで、これまで利用している“ガス会社”に移行申請しました。
安くなるか? ではなく、これまでの電力会社から離れる・・との意から、どちらかといえば感情?的な
面からかもしれません。 なぁ~んだ!