蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

サンマ  (bon)

2017-09-04 | 日々雑感、散策、旅行


 先週、今年初めてサンマを食べました。 ・・秋刀魚の話です。
塩焼きにしたサンマにスダチをかけて、ダイコンおろしと一緒に食べる秋の味覚を楽しみ
ました。 近くのスーパーのチラシに、大きな広告が出ていて、そこに、小さく“入荷の
状況で、ご迷惑をおかけすることがあります。” と書かれていました。 が、幸いあった
のです。 値段の方は、大体200円超くらいだったようです。

             (ネット画像より)

 サンマ漁は昨年最不漁だったそうですが、今年はさらにそれを下回る見通しだとか・・。
水産庁の今年8月の発表によれば、『6月~7月のサンマ漁期前分布量調査の結果から漁期
全体の来遊量は前年を下回る。魚群は、東経160度付近では前年よりも多く分布しており、
これらが日本近海の漁場へ来遊する漁期前半(8月~10月上旬)の来遊量は前年を上回るが、
しかし、東経160度付近よりも東方の海域では分布量が前年よりも少なく、これらが来遊し
てくる漁期後半(10月中旬~12月)は来遊量が前年を下回り、漁模様は低調に推移する。』
 また、『魚体は、漁期前分布量調査による採集物の年齢組成から、1歳魚(おおむね
28cm以上)の割合が前年よりも低いと予測される。』 とありました。サンマの成魚は、
1歳魚ですから、これが少ないということは、小型(のサンマ)が多くなるということなん
ですね。

  
    (農水省HPより)

 漁獲の動向は、(ちょっと見ずらいですが、じっくりと見ていただくと)上図のグラフの通り、
漁獲量は5万トンから60万トンの間を10~20年周期で変動していて、過去最高値は2008年
の60.6万トン(世界で)とあります。 しかし、それ以降は40万トン台で推移して、
2013年の漁獲量は40.4万トンです。 
 全漁業国の漁獲量に占める日本の割合は低下して行き、2003年以降は60%を下回る年が
多くなり、2010年以降は50%を下回ってしまい、2013年には36.6%に低下しています。

 

 このまま各国が自国の利益を優先して野放図な漁を続ければ、遠からず資源が枯渇する
との危機感から、2017年7月13~15日、 札幌で開催された「第3回北太平洋漁業委員会」
(8か国・地域が参加)では、日本から、過去数年の実績に基づく、サンマの国・地域別
漁獲枠」(割当量)の新設を提案しました。しかし、この漁獲枠の新設には中国、韓国、
ロシアが反対して合意できず、深刻な溝が出来てしまったそうです。交渉が決裂したことで、
三陸沖の公海では今秋の漁期も「ルールなき操業の展開」(水産庁)が避けられまいと
見られています。  

 ただ会合では、違法操業の取り締まり強化と、中国などの遠洋漁業国がサンマ漁船許可
数の増加を1年間に限って禁止することでは一致したことは、唯一の“ささやかな成果”
であったとありました。


 日本の提案というのは、『北太平洋の年間漁獲上限を56万4000トンとし、主要国
では日本に24万2000トン、台湾に19万1000トン、中国に4万7000トン、
ロシアに6万1000トン、韓国に1万9000トンを割り当てる。』内容でしたが、
既に中国などは、昨年6万トンを超えており、強く抵抗し、韓国、ロシアなども “時期
尚早”などと指摘したといいます。制約が緩やかな、台湾や米国、カナダは日本案を支持
したとありました。

 なぜサンマが不漁となったのか、その原因は何か?
 日本のサンマ漁は伝統的に沿岸漁業で、ほとんどが排他的経済水域(EEZ)内で行わ
れてきたそうですが、近年の水温上昇により、サンマ漁場は、より遠くに移動し、これ
までの漁場のサンマそのものが減少しているというのが挙げられています。
 しかしそれと共に近年、中国や台湾は、どこの国の規制も及ばない公海に積極的に進出
して漁獲するようになり、日本のEEZぎりぎりで操業する例も少なくないという。
 このうち台湾は成長産業と位置づけて漁獲量を増やし、4年前からは年間漁獲量で日本
を上回り、世界で最もサンマをとっているのです。さらに、中国もここに来て、漁獲量を
急増しているのです。

 台湾や中国のサンマ漁船は1000トン級の大型船で、大型冷凍庫を搭載して、公海上で
漁獲したサンマで冷凍庫が満杯になると、引き取り船に積み替えて、漁船はそのまま漁を
継続するという巧妙なやり方をしているそうです。 つまり、海流や水温変化で日本の
漁場にサンマが少なくなった上に、公海上で、サンマが 大量に“先取り”されている訳
ですから、このままでは、年々減少が続いてしまうことになるのですね。

  今年の「目黒のさんま祭り」は9月10日ですが、無事調達できるでしょうか。
          (目黒さんま祭りHPより)


 サンマもそうですが、このところ、うなぎ、クロマグロなどもなかなか口に入りにくく
なってきましたが、あまり知られていないホッケやイカなども減少して来ているようです。
昔は、クジラなどもよく食卓に出て来たモノですが・・。

       (農水省HPより)

 

 

 

 

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