大型の強い台風18号「タリム」は、九州に上陸した後、列島を斜めによぎり各地に
大雨、暴風による被害を残して、今朝8時には時速80kmの速度で秋田沖沿岸を北上して
いるという。 臨時国会開会冒頭(28日)にも、衆議院を解散する動きが出てきましたが、
先月3日に第3次改造内閣を発足したばかりというのに、野党、新党の動きを睨んだ
政党戦略を露わにしました。
ヒガンバナは、これまでも何度かこのブログに出現して来ていますが、主役で取り上げた
ことがありませんでした。で、今回、ちょっと深めの事柄を調べてこれをメインに、記事
アップしてみました。 墓地などにたくさん咲いて不吉、不気味としたり、球根に毒性が
あるなどから忌み嫌う方もおられますが、ご容赦お願いします。
秋のお彼岸の頃に咲くので、「ヒガンバナ」と呼ばれています。ヒガンバナ科ヒガンバナ
属の多年草です。学名を Lycoris radiataといい、リコリス、曼珠沙華などともよばれて
います。この花の呼び方は、1000以上もあるそうです。
また、リコリスは、甘草の Licorice(リコリス、マメ科カンゾウ属)と同じ発音ですが、
まったく違う植物で紛らわしいところです。 ヒガンバナのリコリスLycorisは、ギリシャ
神話の女神・海の精の一人の名前で、radiata(ラジアータ)は、放射状を意味し、花の形
からこのように呼ばれているのですね。英語は、Spider lily で、やはり形から。
名前のことばかりが続きましたが、もともと日本の自生ではなく、中国から渡来したもの
と考えられていて、土に穴を掘る小動物を避けるために有毒な鱗茎(球根)をあえて持ち込
んで、畦や土手に植えたのではないかとされているようです。 ヒガンバナは、三倍体で
あるため一般に種子で増えることができないため、もっぱら球根で増えて来ているのです。
土砂による埋没には大変強く、10cm位の土壌が新たに被さっても、簡単に球根を
上方に移動させてしまう能力があり、繁茂に強い性質があるようです。
下の写真にあります、ベランダの鉢植えヒガンバナは、数年前に園芸友の会でいただいた
球根2球が、次々と増えて来ているのです。 普通の植物は、大体、春に植えて成長して
夏から秋頃 花が咲くのが一般的ですが、このヒガンバナは、秋の花が終ると緑濃い葉っぱが
延びて冬中 葉が茂り、春温かくなると葉が枯れてしまい何もない状態となります。そして
また秋になると、何もないところから、いきなりニュッと花茎がのびて、葉もなく枝も節も
なく、ただその茎に花が咲く・・そんな変わりものなんですね。
ベランダに咲くヒガンバナ(一昨日16日の撮影です。)
(台風の影響で、この花もいくつか花径が折れてしまいました。)
ヒガンバナは、『全草有毒で、特に鱗茎(球根)にアルカロイド(リコリン等)を多く
含む有毒植物で、経口摂取すると吐き気や下痢を起こし、ひどい場合には中枢神経の麻痺を
起こして死に至ることもある。』(ウイキペディア)とあります。これを、水田の畦や墓地
に植えて、ネズミ、モグラ、虫など田を荒らす動物などを避けるため、また、墓地などでは、
昔は土葬がありましたから、虫よけの他死体が動物などに荒らされるのを防ぐために植えた
ようです。
毒性があり、普通の植物とは違った花の咲き方をするなど、ちょっと独特なところがあり、
不吉ともとらえられるところから、名前が(地方によっても)数多く付けられている理由だ
というのです。その一例がありましたので、一部を紹介します。
地獄花(じごくばな)、死人花(しびとばな)、幽霊花(ゆうれいばな)、剃刀花(かみ
そりばな)、狐花(きつねばな)、捨子花(すてごばな)、毒花(どくばな)、痺れ花(し
びればな)、天蓋花(てんがいばな)、狐の松明(きつねのたいまつ)、狐花(きつねば
な)、葉見ず花見ず(はみずはなみず)、雷花(かみなりばな)など異名があります。
不吉な名前が多い中で、曼珠沙華は、「赤い花・天上の花」の意味で、めでたい兆しと
されるところもあるのですね。
また、有毒な鱗茎はデンプンが豊富で、戦時や非常時において食用とされたこともあると
あります。この場合は、有毒成分であるリコリンは水溶性なので、長時間水に曝して無害化
でき救飢植物として利用されたそうです。 また、鱗茎は石蒜(せきさん)という名の生薬
でもあり、利尿や去痰作用があるともあり、さらに、毒成分の一つであるガランタミンは
アルツハイマー病の治療薬として利用されているなど期待すべき面も持ち合わせているので
すね。
欧米では特に不吉な意味合いは無く、園芸品種が多く開発されているそうです。園芸品種
には赤のほか白、黄色の花弁をもつものもあります。
余談ですが、上の異名で「葉見ず、花見ず」とあるのは、「花と葉が同時に出ることは
ない」という特徴から付けられていますが、これを、「葉は花を思い、花は葉を思う」と
いう意味から「相思花」とロマンチックに呼ぶこともあるそうです。
花言葉は、情熱/独立/再開/あきらめ/悲しい思い出/思うはあなた一人/また会う日
を楽しみに と種々あり、色や形からそれらしく思えるのもありますが、なぜそのように
なるか想像できないのもあります。
『ヒガンバナは江戸以前の古典や文献には登場しない。』とありますから、それほど古く
からのものではないのかもしれません。はっきりしているのは、江戸中期の俳人、画家の
与謝蕪村の句「曼珠沙華 蘭に類いて 狐鳴く」が最初とされているようです。
埼玉県日高市の巾着田には500万株のヒガンバナの群生があり人々を集めています。
かって訪れましたが壮観でした。
長くなりましたが、この時季、シクラメン原種(ネアポリタナム)が、6つほど花をつけ
てきました。
シクラメン原種(ネアポリタナム)
この台風で、ベランダの花木や花たちは、なぎ倒され見事に荒れてしまいました。