関東はこのところ10日も雨知らずで、暖かで やや強い風も冷たくなくまるで
春のような日々が続いています。新型コロナは、急に増加して過去最多を更新
しています。 今一度、一人ひとりの行動を慎重にするときですね。
立て続けにオードリー・ヘップバーンの映画を観ました。 あの楽しい、グレ
ゴリー・ペックとの「ローマの休日」ではなく、「昼下がりの情事」と「ティフ
ァニーで朝食を」の二つです。 それと、先月21日には、「慕情」も観ました。
「昼下がり~」は、ずっと昔、高校生の頃?に観たようでした。当時の印象は、
あのような情景は、人目を忍んでするもので、ムードを盛り上げるために4人の
楽師たちをお抱えにして、傍で演奏させる・・そんな世界もあるのかな? なん
て思っていたようです。 映画の冒頭では、セーヌ川の両岸、公園で抱き合って
いる二人が次々と映されて、最初からそのノリだったんです。当時は、ちょっと
刺激が強すぎたようでした。
世界を股にかけて事業を展開するアメリカの大富豪でプレイボーイ(ゲイリ
ー・クーパー)の大人のあしらいと、私立探偵(モーリス・シュバリエ)を父に
持つ好奇心盛んな娘(ヘップバーン)の背伸びした恋が織りなすロマンティック・
コメディ映画でした。
父親の探偵ファイルから盗み読みした大人の世界を巧みに駆使するおちゃめな
彼女に、さすがの熟年シルバーグレーの大富豪も参ってしまい、父親の探偵(と
は知らずに)に彼女の正体を調査依頼する羽目になるのですね。
調べて行くうちにそれがわが娘と知り、むしろ歓迎するも、大富豪に「あの婦
人は箱入り娘で当人の言ったことは全部作り話で、愛しいと思ったらパリを離れ
ることだ」と報告する。『調査費用はいくら?』『そんなものはいらない』『そ
んなわけには行かない、その理由は?』『その婦人はわしの娘だ!』 そんなや
り取りも面白いところでした。
(ネット画像より)
大富豪の名前はフラナガンといい、ヘップバーンのちょっと鼻にかかった声で
“Mr. Flanagan⤴” と呼びかけるシーンは当時も印象に残っていました。 で、
結局彼はパリを去るのですが、荷造りをしている部屋に、彼女がやってきて相変
わらずプレイガール風を装い、駅まで彼を見送りに来て、汽車が動き出してもホ
ームを追いかけるその姿に、彼はついに抱きかかえ汽車に乗せてしまうところで
END.
音楽「魅惑のワルツ」Fascination はあまりにも有名ですね。
「ティファニーで朝食を」は、原題 Breakfast at Tiffany’sで、NY 5番街、
57丁目に面した宝石店ティファニー(1837年創業)で「朝食をとる」との上流社
会を意識した憧れの言葉で、もちろんティファニーには食事をするような場所は
ありませんが、この映画の影響で(ずっと後ですが)2017年にダイニングスペー
スがオープンしたとありました。
この映画でヘップバーンは、働かず金持ち男性と交際することで生活している
ニューヨークのカフェ・ソサエティ・ガール(アメリカン・ゲイシャ)となった
田舎娘役を演じるのですが、有名どころの金持ち男性を積極的に渡り歩く一方、
同じアパートの上階に住む若い自称作家を次第にひきつけて行くのです。
作家は、大して売れないようで、今は裕福なマダムの愛人をして生活をしてい
ますが、またしても出会う若い彼女の奇妙なライフスタイルにすっかり魅了され、
とうとうマダムとは別れてしまうのですが、彼女はまだその気になれずリオの男
と結婚するといって空港に向かう途中、気が変わって彼と雨の中で抱き合うとい
う物語でした。
(ネット画像より)
あの超高級なティファニーで、彼が彼女への贈り物を探すシーンで、老齢な店
員に、金額の上限が10ドルなんだが、その金額で買えるものはあるか? とかを
堂々と聞き、結局7ドルで出来る、お菓子のおまけについていた指輪にイニシャル
の刻印を依頼するのです。映画のタイトルといい上流社会への皮肉めいた部分で
アメリカらしいと思いました。
音楽はヘンリー・マシーニのあの Moon River で何度も聴く有名なメロディ
ーですが、映画の方は、初めて観ましたが今一つ印象が薄かったです。
もう一つの「慕情」は、何度も観ました。 そう若くない既婚者の落ち着いた
愛が展開され、映像もきれいでやはりしっとりしていていい映画でした。
第二次大戦後の香港が舞台で、アメリカ人特派員がウイリアム・ホールデン、
勤務医を演じるジェニファー・ジョーンズは英国人と中国人とを両親に持ち、夫
は中国の将校だったが内戦ですでに死亡している・・そんな二人が、自然に愛を
紡いでゆくのです。
(ネット画像より)
舞台設定が、もちろん香港返還の前ですが、婚姻に当たり中国流儀がチラッと
見えたりしていました。 この映画はもう多くの人がご存じだた思います。
音楽は、慕情 Love Is a Many Splendored Thing(原題と同じ)であまりにも
有名ですが、ヘップバーンの二つの曲、Fascinationも Moon River も いずれも
有名ですね。
今回は甘い映画ばかりでした。
Frank Chacksfield 映画「昼下がりの情事」 魅惑のワルツ Fascination