新型コロナ感染第3波を前に改めて身構えますが、何とか知恵を絞って経済活動
を少しでも継続できないか・・苦渋の決断が求められています。
そんな中にあって、しばらく前に届いた会報記事に発表されていました『がん
の年齢別特性を考える』(小林博氏、札幌がんセミナー理事長、北大名誉教授)
を改めて思い起こして、そのエキス?をまとめてみました。
何がポイントか といいますと、日本人の死亡率トップのがん(2位:心疾患、
3位:脳血管、4位:肺炎、5位:老衰)について、普段“恐ろしい”と思っている
「がん」が、罹患する年齢によって その『重み』にかなりの違いがあることを
再認識したということなんです。(当然のことながら~)
会報記事に、『がんはすべての年齢の人に見られます。ただし、いくつの年齢
のときのがんか、子供の時か、思春期か、結婚して子供が生まれて間もない頃か、
または社会の中核になって働く40~60歳のときか、70,80歳の高齢者さらに90歳
以上の超高齢者になってからか。その意味合いには非常に大きな違いのあること
に気づかされるのです。』
ま、当然のことでありますが、働き盛りでがんを患い、仕事から離れ挙句死亡
に至れば、家族への負担が大きくのしかかり、子供の成長にも大きな影響があり
ます。また、働き手を無くすことは、社会にとっても大きな痛手になりますね。
もっと若い世代では、これから未来に向けた希望も何もかも吹っ飛んでしまうわ
けで、本人の無念はもちろん両親の悲しみも大きなショックでしょう。
しかし、というと問題発言かもしれませんが、85歳以上、90歳ともなれば、心
筋梗塞や脳卒中などで突然この世を去るよりは、がんならば、家族や親しい友人
ともお別れができますし、過ぎ越し方をゆっくりと振り返り わが人生を総括す
る余裕もできる・・ことから、 “むしろがんによる死も悪くない”と考えるこ
ともありかと思うのです。
もちろん、病気をしないで、天寿を全うするに越したことはありませんが、も
し、がんに罹ったとしても、高齢なら“がんも悪くない”と割り切れるのではな
いか・・とそんな感じ方なんですね。
がん死亡率を年齢に分けて、上表(会報記事より)に示しますが、いわゆる
高齢者65歳以上では、全がんに占める比率は86.92%と圧倒的に高齢者であり、
しかもこの年齢がどんどん高く推移しているというのです。高齢者といっても、
74歳以下の前期高齢者では、まだまだ現役の人もいますからがんは大敵ですが、
何年か後にはこの世代の死亡率も減少していることでしょう。
がん年齢別死亡者(厚労省HPより 2018年)
ガン年齢別罹患者(厚労省HPより 2014年)
高齢になるとなぜがんにかかりやすくなるのでしょうか?
ネット「kaigo.home」のページに次のように述べられていました。すなわち、
『ガン細胞は、健康な人の体でも毎日5000個生まれているといわれています。そ
れらのガン細胞がすべてガンにならないのは、ガンを抑えるガン抑制遺伝子や免
疫細胞が働いているからです。ところが高齢になるとガン抑制遺伝子や免疫細胞
の働きが低下するため、ガンにかかりやすくなる。』ということで、『1.がん
抑制遺伝子が加齢により働きにくくなる 2.異常な細胞が増殖してもがん抑制
遺伝子が加齢により働かず増殖し続ける 3.免疫細胞が加齢によりガン細胞を
排除できなくなる』とありました。 まあ、仕方のないことなんですね。
しかし、がん死亡年齢が高くなっている、つまりがんの罹患年齢が高くなって
いるという傾向にありますが、この理由は、会報記事から『人々の暮らしが豊か
になって、がんへの関心が高まり、その原因になるようなものを遠ざける余裕の
ある社会になった』ということなんですね。
記事とは関係がありませんが・・
エル・チョクロ (フアン・ダリエンソ楽団)