蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

アグリテック  (bon)

2022-02-03 | 日々雑感、散策、旅行

 随分以前から、農畜産分野への情報通信技術(ICT)の応用によって、この分野の
課題解決や新規の事業発掘などの試みが行われてきました。私なども以前、これら
の一環として、農作物の監視、養鶏場の監視、その他リモートセンシング技術など
の導入検討をしたことがあり、農水省外郭団体の研究事業にも参加したことがあり
ました。

 農畜産事業そのものへのICTの適用のほか、需要把握、流通など周辺事業への応用
も視野に入れた総合的な検討だったように記憶しています。

  あれからすでに20年以上も経っていますが、技術の進歩、デバイスの改善、低価
格化などにより一段と進行していることが分かりました。 お正月、1/4の新聞
(読売朝刊)に「アグリテック、農畜産効率化」の見出しで1面記事が紹介されて
いました。 ネットなども参照しながら、要点をまとめてみました。

                 (ネット画像より)

 ご承知の方も多いと思いますが、アグリテック(AgriTech)とは、農業
(Agriculture)と技術(Technology)を組み合わせて作られた造語で、ドローン
やAI、IoT、ビッグデータなど、農業領域でICT技術を活用して農業を活性化しよう
という取り組みで、「スマート農業」ともいわれています。

 主な目的は、以下の3つに整理されています。すなわち、

  • 農業従事者が高齢化、減少している  農水省によれば、基幹的農業従事者は、
    1960年の1175万人から2020年には136万に なんと9割も減少し、2000年の240万人
    からの20年を見ても 4割も減少しているのです。 しかもこのうちの約7割が
    65歳以上の高齢者といいますからさらに減少が予測されます。 そして、若い
    世代の農業離れもあり、アグリテックの活用が求められているのです。

  • 技術やノウハウの可視化や継承ができていない  土つくりや栽培技術などが
    可視化されておらずまた、農業経営に関するノウハウもうまく継承されないため
    失敗につながり、離農者に拍車をかけていたり、新規の参入の障壁ともなって
    いるが、ICTの導入によりこれらのノウハウを分かりやすい形で継承できるよう
    にする。


  • 2019年度の日本の食料自給率はカロリーベースでわずか38%と発表されており、
    これはつまり、日本人が摂取している食料の約6割以上を海外からの輸入(肥
    料、飼料を含む)に頼っているという現実があり、政府は2030年までに食料自
    給率を45%まで引き上げるとしています。農業従事者が減少する中でこの目標
    を達成するため、データなどを活用して不作を最小限にとどめる、ドローンや
    ロボットの活用で効率生産を可能にする必要がある。

              

 アグリテックの主な事例として、新聞には4例紹介されていました。

 〇カメラ画像から家畜の体重や体調を分析 鹿児島県のある豚舎で、天井のレー
  
ルに沿って自走するカメラの画像をAIで分析し豚の体重や肉質を測定する。同
  時に心拍数や体調管理もできる。(新興企業「エコポーク」) NTTやNECなど
  の大手も養豚向けの画像分析を研究開発している。また、中国フェアウエーで
  は、「豚ホテル」を山間部に建設し、体調データの分析や豚にとって最良の環
  境を提供するシステムの実用化を目指しているという。

        豚ホテル
         (週刊エコノミストより)

 〇ロボットが自動で作物を収穫  神奈川県の新興企業「イナホ」では、ミ
  ニトマトやアスパラガスの収穫するロボットを開発したとあります。画像分析
  で収穫期の作物を見分けたり、様々な条件下での画像解析技術を開発している。
  自動収穫ロボットは、パナソニックやデンソーなど大手も開発中であるとか。

 〇無人トラクターが衛星通信で位置を測りながら畑を耕す  農機メーカーが注
  力しているのは、自動走行で農地を耕すトラクターで、誤差数センチの精度で
  車両の位置を特定する衛星の運用が始まっています。 農業系企業の「KAKAXI」
 (カカシ)は農地の天候データと画像を記録する無人カメラを使ったシステムを
  開発している。本社をカリフォルニアに移し海外導入を目指している。

 〇ドローンで作物の生育状況を確認、農薬散布も  ドローンの活用も盛んで、
  上空から生育状況を確認しながら必要な場所に肥料を追加したり、適量に調整
  するなど環境負荷を抑える。農水省では、これら、自動トラクターやドローン
  による農薬散布などを取り入れた実証事業を進めているとありました。

          (ネット画像より)

 私などが関わっていた頃と比べて格段の進歩がみられ、これらにより、労働時間
の軽減を図るとともに、より効率的な農畜産事業に結び付けられています。しかし、
まだこれらの導入にかかる費用負担が大きいことから更なる開発が望まれています。

 なお、これとは別に、先には種苗法の改正がありましたが、これの見直しや農薬
に対する検討など農業に関する重要事項がまだまだあるようです。

              

 私らは、蓼科農園でわずか1000㎡の畑で長年楽しんできましたが、それでも農業
の大変さ、大切さの一部を理解できたように思っています。大地の恵み、太陽の光
は地球生命の源なんですね。

 

 

 

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