1877年(明治10年)の2月19日、日本が郵便に関する国際機関・万国郵便連合
(Universal Postal Union:UPU)に加盟しました。今から145年前のことなんですね。
これを記念して表題の記念日が制定されていますが、万国郵便連合ができたのは
これより 3年前の1874年(明治7年)10月9日で、この日を「世界郵便の日」(World
Post Day)と制定されています。
(ネット画像より)
万国郵便連合は、国際連合の専門機関としては 2番目に古い(1番目は、国際電気
通信連合)組織で、万国郵便条約(ベルン条約)によって、アメリカ、ドイツ、フ
ランス、スイス、イタリアなど22か国の代表により締結されたのです。
今では、郵便は世界中に届けることが出来ますし、電話やインターネットなども
世界中どことでも繋がりますが、これらは国際間でそれらの送受や接続がなされる
ことの必要性がそれほど重要であったということに他ならないのですね。
つまりこれを実現するために、国際間で、手順やシステムの規格の標準化などを
中心とした制度の統一がなくてはならないということなんですね。
日本が加盟した時は世界で23番目、アジアでは最初であったそうですが、今では
192か国が加盟している(2013年)とありました。
これにより、
- 地球上のほぼすべての域から固定料金に近い形で郵便物が送れること。
- 国際郵便、国内郵便がともに同様の扱いがなされること。
- 国際郵便料金は、それぞれの国で徴収し、使用すること。
が実現できるのです。日本の切手を貼った郵便が世界のどこにでも送れるのですね。
世界郵便の日(10月9日)を中心とした10月6日~12日の一週間を「国際文通週間」
としているのです。 今では、郵便より、ネットによる交流が多く、テレビ電話
なども簡単にできる時代ですが、ゆっくりと時間をかけてペンを走らせる時間もいい
ものだと思います。 また、手紙やはがきをもらった方も、ネットでは味わえない
温かさなどが伝わってきますね。
万国郵便連合加盟記念日については、2016.2.19の当ブログに記事アップしていま
したが、この時は、万国郵便連合の本部がスイスのベルンに置かれていることから、
私たち山のグループでヨーロッパアルプス巡りをしたときに、ベルン市内に立ち寄っ
た想い出などに脱線していました。
長くなりますが、日本の郵便の歴史をほんの少しだけ拾ってみました。
日本での最古の記録は、聖徳太子が隋の煬帝に送った手紙だとあり、大化の改新
の頃には通信施設が整備されていたとあります。鎌倉時代には早馬、飛脚といった
手段が武士の間で使われるようになり、戦国時代には各大名たちが伝馬制度や飛脚
など、江戸時代には、飛脚による通信が活発化し、幕府の文書を運ぶ「継飛脚」、
大名が地元と江戸の連絡をするための「大名飛脚」、一般の人が利用する「町飛脚」
があり、庶民の間でも手紙のやりとりが行なわれるようになったとあります。
宿駅伝馬制度
(ネット画像より)
今日のような近代郵便は、1870年(明治3年)に、「郵便の父」と呼ばれている
前島密によって日本の郵便制度が出来上がったのです。「全国均一料金」による
郵便制度です。 当初は、東京、京都、大阪に「郵便役所」が設置され、取り扱いが
行われていたが、やがて全国に拡大され3年後には全国1100か所に取扱所が設置され
たそうです。
普通切手1円 (前島密像)
(郵便局ネットショップより)
1885年には逓信省が創設され、国内、国際郵便事業が行われ小包郵便や簡易保険
なども創業されています。1949年には逓信省を廃止して郵政省と電気通信省に分割し、
その後郵便事業は2003年に日本郵政公社に移行し、2007年民営化により日本郵政グ
ループに移行しました。 郵便事業は「日本郵便」へ、そして2012年に日本郵便株
式会社の業務となっているのです。
(電気通信省は、1952年(昭和27年)に日本電信電話公社に移行し、1985年に民営
化されました。)
普通の郵便物の日曜配達が廃止されたのは、もう50年も前のことで、昨年10月から
は、土曜日の配達も休止されましたが、一方では、宅配便の普及などで、ゆうパック
は、近県なら一日で届けられています。 また、コンビニなどとの提携で、通常の
郵便物などを送るには便利になりました。
日本郵便株式会社の2021年3月期の状況は、営業収益3兆8376億35百万円、
経常利益1491億91百万円、当期純利益534億15百万円、従業員数21万
9771人と報告されていました。
The Saturdays - Mr Postman [Celebrating The Carpenters]