秋の日の色付く木々もある、雨上りのしっとりとした月曜日の御茶ノ水界隈の午前中は、
学生さん達も多く街は賑わっていました。 日大、駿台予備校などのビルが林立しています。
今年も『鉄道のある情景』(京都大学鉄道研究会写真展)を訪れました。 昨年と同じ
会場でしたから、迷うことなく直行しました。御茶ノ水、聖橋口から御茶ノ水通りを下っ
て来ると、左手奥にニコライ堂の青い屋根を見て、静かな坂を進むと左が会場です。
左奥にニコライ堂の屋根が見えます。 静かな御茶ノ水通り
会場
写真展は、「鉄道のある情景」のテーマで、「生活に必須のシステムであるとともに、
生活の場にあってこそ輝く」とのコンセプトどおり、30点に及ぶ写真は、それぞれに地域、
年代、社会との関わり を余すところなく表現されていて、そこにはドラマ性をも演じた
作品がたくさんありました。
写真技術ももちろん大変すばらしいのですが、迫力を持って訴えてくる背後には、撮影
現場に到達するまでの苦労、努力と忍耐があってこその成果であることを思う時、被写体
としての鉄道はもとより、季節的、時刻的、その瞬間を綿密に割り出した行動全体の賜物
であることが作品から滲み出ているのでした。
友人のYuさんの構図は、山間部を走る2重連の力強い定期貨物列車を捉えていました。
産業物資や生活物資などを満載してひたすら走る姿に、社会の鼓動を感じ取ることが出来
ましたが、作者のコメントには、「蒸気機関車の終焉が迫っている時期」とあり、時代の
流れをも表していました。
その他、スイスやフランスなどでの写真も素晴らしく、また、2度と見られない、新幹線
軌道を一時的に使用して走る阪急京都線などの歴史的な作品、そして、意表をつくような
作品、新幹線が品川までの区間のビルのガラスに映った「走る自画像」も大変面白かった
です。
今年もありがとうございました。
御茶ノ水橋から水道橋方向を見る
関西系の或る大学の鉄道研究会なので、スタートは大阪の旧鉄道科学館(弁天町)と、東京の新宿御苑近くの写真サロンでした。写真はすべて額付き全紙大で、ピントの甘い写真ははじかれました。そのうち、名古屋にも拡大し、3か所の巡業となりました。しかし、安住は長く続きません。まず。大阪の鉄道科学館が閉鎖、そこから関西は大阪と京都で会場の流浪の旅が始まりました。そのうち東京側も定位置だったサロンが閉鎖し、東京も流浪。しかも困ったことに、東京の会場は大きなスペースが取れなくなり、東京のみ半切にするなど、写真を2種類r作ることになってしましました。流石に、コストがかかりすぎます。大激論の末、今年からすべて半切に統一して今に至っています。(名古屋会場も今年から閉鎖)。半切にすると、僕の好きな俯瞰撮影に迫力がなくなるという恨みがありますが、已むを得ません。(長文失礼)
ありがとうございました。