鎌倉大町に「ぼたもち寺」と呼ばれている日蓮宗の寺院「慧雲山常栄寺」はある。創建は慶長11年(1606)。本尊は三宝祖師である。寺伝によれば鎌倉時代に源頼朝が山上に由比ガ浜を遠望するための桟敷を作ったのが興りである。ぼたもち寺の由来は文永8年(1271)に日蓮上人が瀧の口法難にあって刑場に引かれていく時、ここに住んでいた桟敷尼が「ぼた餅」を捧げたことによるといわれている。寺号はその「桟敷の尼」の法号「妙常日栄」に因んでいる。さほど大きくはないが紅葉に染まる境内はその一角に碑がある。「これやこの 法難の祖師に萩の餅 ささげし尼が すみしところ」記されている(1611)








