南足柄市関本に「足柄六福寺」という六つの寺院がある。中でも寺号に「福」の字がつくことから「関本の三福寺」と呼ばれている寺院がある。一つは「中寺」と呼ばれ親しまれている「長福寺」、もう一つは「下寺」と呼ばれている「龍福寺」、もう一つは明治に廃寺となった「善福寺」である。かつては財産(上寺)、健康(中寺)、智慧(下寺)の三福を願う庶民のお参りが絶えなかったと伝えられている。古くから関本の三福寺の「下寺」と呼ばれ親しまれている「龍澤山龍福寺」(吉祥院)は藤沢の遊行寺を本山とし時宗(開祖一遍上人)の念仏道場として永仁6年(1298)に開かれた。南足柄市内では唯一の時宗の寺院である。本尊は鎌倉初期の作、市指定文化財指定の阿弥陀如来坐像である。「山門」(寺号標)を抜けると境内正面に「本堂」、右に「庫裏」、「義臣下田隼人の碑」、堂内には古来より触ると病が治ると信じられていた石仏がある。また江戸時代には歴代の和尚が寺子屋を開き文徹上人の「化源館」が明治時代に「小学化源館」となり、後に南足柄小学校となった。(1710)
南足柄市=箱根山・明神ケ岳の山麓に開創以来600年の歴史を持つ関東の霊場、曹洞宗に属し全国に4千余りの門流をもつ修行専門道場「大雄山最乗寺」はある。応永元年(1394)了庵慧明が草創(開山)、東国における通幻派の拠点となる。御本尊は釈迦牟尼仏。脇侍仏「文殊」と「普賢」の両菩薩を奉安。当寺にはこの地で土木工事に尽力した了庵法嗣の妙覚道了を祀っている。小田原から発する「大雄山線」は「大雄山最乗寺」のための鉄道と言っても過言ではない。大雄山駅よりバスにて終点の最乗寺「道了尊」に降り立つ。境内山林はなんと130町歩、老杉茂り霊気は満山に漲り、堂塔は30余棟に及ぶ威容である。朱色の門「仁王門」参道3kmには樹齢500年以上の杉並木、「三門」から「瑠璃門」=「碧落門」まで苔むした参道・石段が続き、その両側には明治時代に杉の苗木を寄付した人の石碑がずらりと並んでいる。大雄川のせせらぎの音、滝の音が耳に心地よい。「瑠璃門」前にたどり着いた。ここからいよいよ本堂境内となる。その2へ続く。(1710)
台風接近中、冬なみの気温に身を縮め寒い秋を感じながらも、秋も深まる中、芸術の秋到来!恒例の「平成29年度座間市民芸術祭」が9月末の「山野草展」からスタートし、「謡曲発表会」、「いけばな展」、「吟道大会」、「さつき盆栽展」、「文芸展」、「民踊・銭太鼓発表会」が終了し、今月19日から「絵画展」が開催されてる。ハーモニーホール座間一階「ギャラリー」の二会場に水彩画32点(風景、人物、花)、油絵12点(風景、人物、船など)、アクリル一点、日本画4点、墨画1点が展示されていた。会場一角には園児絵画展も同時に展示中である。どの作品も力作ぞろいで絵にいそしむ姿、趣味力の高さに心打たれた。(1710)